子宮体癌 Minds版やさしい解説

どんな治療法があるの?



◆手術療法

子宮体がんの治療は、がん細胞や転移する可能性がある部分を取り除く手術療法が中心となります。
基本は、子宮と両卵巣をすべて切り取る手術になります。
がんが転移することの多いリンパ節も切り取る場合が多く、がんの広がりや進行度に応じて、手術内容は変わります。

手術後は、腸の通りが悪くなる腸閉塞、足や下腹部にむくみがでるリンパ浮腫などの副作用が現れることがあります。
多くの場合、早めに対応することで、副作用の症状をコントロールすることができます。

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  < 手術に伴う副作用 >

   ●腸閉塞
リンパ節を切り取った場合
   ●リンパ浮腫[足や下腹部のむくみ]
子宮周辺を広く取り除いた場合
   ●排尿障害
 
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◆薬物療法[抗がん剤やホルモン剤を用いた治療]

手術後に再発する可能性が高い場合、抗がん剤を使用して、がん細胞を死に至らせる治療を行います。
また、ごく初期の子宮体がんには、手術を行わずに子宮体がんを抑制する効果のある黄体ホルモン[プロゲステロン]製剤を使用する治療が行われることもあります。


角1 角2
 
< 子宮体がん治療薬の副作用 >
 
抗がん剤の一般的な副作用イメージ
●抗がん剤
 ・ 脱毛
 ・ 激しい吐き気、吐く、下痢
 ・ 貧血を起こす、出血しやすくなる
 ・ 血液中の白血球が減少して感染症にかかりやすくなる
 ・ そのほか[手足がしびれる、全身がだるい、
    味覚や感覚が変わる など]
●ホルモン剤
 ・ ほてり、のぼせ、気分が落ち込む    など
角3 角4



◆放射線療法

放射線という高エネルギーの目に見えない光線をがんの発生している部分にあて、がん細胞を死に至らせる治療法です。
おもに手術療法のあとに再発を防ぐ目的で実施されます。
また、高齢であるため、あるいはほかの病気があるために手術ができない場合にも行われます。


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  < 子宮体がんの放射線治療の方法 >

●からだの外から骨盤に放射線をあてる
ちつから器具を入れて腟の中から放射線をあてる  

 
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◆対症療法・緩和ケア

がんを切り取る手術が難しいとき、またほかの臓器や全身にがんが広がっているときには、からだに負担のかかる手術や抗がん剤による治療ではなく、患者さんの生活の質を重視した治療を行います。
なかでも激しい痛みは患者さんの生活の質を大きく低下させるため、痛みをコントロールすることはとても大切です。
痛み止めとして、鎮痛剤や医療用麻薬が使われます。
これらは、適切に用いれば薬物依存になることはありません。
むしろ痛みがなくなることで、よく眠れる、食事ができるなど生活の質を高める効果があることが分かっています。


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  < 患者さんの生活を重視した治療 >
●身体的、精神的な負担を取り除くために、鎮痛剤や医療用麻薬を使う
●神経の通り道に注射をして、痛みをやわらげる

 
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◆セカンドオピニオン

主治医とは別の医師に自分の病状について説明・確認し、治療方針について意見を求めることを「セカンド・オピニオンを求める」といいます。


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  セカンドオピニオン 自分が受けた診断内容や治療方法に疑問や不安を感じる場合、十分納得したうえで、自分のライフスタイルに合った治療方法を選択するために、主治医以外の医師から意見を聞くことが、役立つ場合もあるでしょう。  
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