理事挨拶

[最終更新日] 2023年12月26日
日本医療機能評価機構 執行理事
福岡 敏雄
(倉敷中央病院 副院長 兼 総合診療科主任部長 兼 集中治療科主任部長 兼 救命救急センターセンター長)

日本医療機能評価機構は、2011年度より、質の高い診療ガイドラインの普及を通じて、患者と医療者の意思決定を支援し、医療の質の向上を図ることを目的に、厚生労働省委託事業「EBM普及推進事業」(Minds・マインズ)を運営しています。

本事業は、診療ガイドラインの評価選定・公開、診療ガイドラインの作成支援、診療ガイドラインの活用促進を事業の柱とし、診療ガイドラインデータベース「Mindsガイドラインライブラリ」を通じて、誰もが診療ガイドラインや一般向けの解説を閲覧できる環境を整備してきました。

Minds では、2021年3月に公開した「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020ver.3.0」において、診療ガイドラインの定義を改訂しました。この改訂の背景は、診療ガイドラインの扱う領域が、疾患の治療から、治療に限らない、予防・検診、リハビリテーション、看護介入、保健指導、社会的支援など幅広い内容に拡がりをみせていることにあります。

さらに、2020年に世界的な大流行を引き起こした新型コロナウィルス感染症(COVID-19)への対応として、日本医学会連合等と協力・連携し、2021年12月にはCOVID-19に関する診療指針・提言を診療ガイドラインとともにMindsウェブサイト上で公開し、現在も更新作業を継続しています。

2022年度からは、診療ガイドライン等の医療情報が、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)環境上で、病院やクリニック等の医療機関において利便性高く活用されるように、診療ガイドラインデータの標準化、電子カルテ等の医療情報システムとの連携に関する検討を始めました。

Mindsは今後も、社会の変化に伴う新たなニーズにも応えるべく、このような開拓的な課題にも精力的に取り組み、本事業の根幹である、診療ガイドラインを中心とした信頼できる医療情報が広く普及し活用されることで医療の質の向上に寄与できるよう努めてまいります。

2023年12月、Mindsガイドラインライブラリが新しくなりました。
Mindsではガイドラインだけではなく、作成マニュアルや活用事例、患者さんや一般市民の方向けの情報提供やQ&Aなど、さまざまなコンテンツを作成してきました。今回のリニューアルでは、診療ガイドラインのデータベースを大きく見直し、より見やすく、検索しやすくすることを目指しました。
ぜひ、新しいシステムをお試しください。お気づきの点や提案などがありましたら、ぜひお知らせください。これから、従来のコンテンツも整理し、医療現場で役立つ形に整えていく予定です。引き続き、よろしくお願いします。