妊娠出産 Minds版ガイドライン解説

  • 推奨の強さ B :同一の医師または助産師に継続的なケアをうけた女性は、妊娠から産後を通しての満足度が高く、再び同じケアを受けることを希望している。 継続ケアを受けた女性では医療者とのコミュニケーションと意思疎通や説明への理解が高く、顔見知りの助産師にケアを受けた女性の方が自分で 陣痛をコントロールできた感じと出産体験への評価が高い。 妊娠分娩産褥にわたる 継続的ケア分娩期医療介入が減少し、反対に 自然分娩やケアが多くなる。 妊娠経過・分娩経過新生児の臨床結果に影響のある根拠は認められず、 継続ケアの有無による安全性に 有意な差を示す根拠は認められなかった。このことから、医師や助産師の 継続ケアは有益であると希望者には薦められる。
  • 推奨の強さ C :妊娠経過中いつでも、女性が医療ケアを受ける医療者を変えられるよう保証すべきである。

ガイドライン作成委員より皆様へ
妊娠から産後まで、同じ医師や助産師から継続的な診察やケアを受けることで、顔見知りになり、妊婦と産科医や助産師とのコミュニケーションが取りやすくなり、信頼関係が高まるため、母親の安心感や満足度も高くなります。複数の産科医、または産科医と助産師がチームを組んで継続ケアを行うこともあります。
 


医学用語解説
継続ケア
(けいぞくケア)
妊娠から出産、産後の診察、その後の育児支援など、健康に生活するための助言を、同じ産科医や助産師が担当して、継続的にサポートすることです。継続ケアを行うことで妊婦と産科医や助産師とのコミュニケーションが取りやすくなり、信頼関係が高まるため、妊婦の安心感や満足度も高くなります。産科医と助産師がチームを組んで継続ケアを行うこともあります。
継続的ケア
(けいぞくてきケア)

陣痛
(じんつう)
赤ちゃんを産む際に起こる子宮の収縮とそれに伴う痛みのことです。出産が近づくにつれ、陣痛は規則的になり、間隔も短くなります。出産の時には数分間隔になり、強い痛みがあります。赤ちゃんが生まれた後、胎盤が出てくるときや子宮が元の大きさに小さくなる時にも弱く収縮する後陣痛があります。
妊娠
(にんしん)
精子と受精した受精卵が子宮の壁に接着してから、子宮の中で赤ちゃんとして発育していく過程を妊娠といいます。一般的に妊娠期間は37〜41週です。
分娩
(ぶんべん)
母親のおなかの中から、赤ちゃんが生まれてくることです。一般には出産ともいいます。分娩は第1期から第3期までに分けられ、規則的な陣痛が始まってから子宮の出口が完全に広がるまでが第1期、赤ちゃんが生まれるまでが第2期、赤ちゃんが生まれた後に胎盤が出てくるまでが第3期です。
産褥
(さんじょく)
妊娠や出産によって変化した母親の体が、赤ちゃんが生まれた後に、妊娠前の状態に戻っていくことです。その期間は約6週間前後とされ、妊娠で大きくなった子宮が元の大きさになり、ホルモン分泌も妊娠前の状態に戻っていきます。
分娩期
(ぶんべんき)
規則的な陣痛が始まってから、赤ちゃんが母親のおなかの中から生まれ、その後に胎盤が出てくるまでの期間のことです。分娩期は第1〜3期に分かれ、子宮の出口が完全に開くまでが第1期、子宮の出口が開いてから赤ちゃんが生まれるまでが第2期、その後に胎盤が出てくるまでが第3期になります。
医療介入
(いりょうかいにゅう)
病気の治療を目的に薬を投与したり、外科的な処置を行ったりすることを医療介入といいます。出産時にも母子の健康を守るために医療介入を行うことがあります。ここでは点滴、会陰切開、帝王切開、鎮痛薬を投与するなどの医療行為のことを指します。
自然分娩
(しぜんぶんべん)
薬や器具などを用いた医療処置を行わずに、自然な状態で赤ちゃんを産むことです。自然分娩では出産日を決めずに、自然に陣痛が起こるのを待って、赤ちゃんを産みます。
妊娠経過・分娩経過
(にんしんけいか・ぶんべんけいか)
受精卵が子宮の壁に接着してから、子宮の中で赤ちゃんとして発育し、生まれてくるまでの過程のことです。
新生児の臨床結果
(しんせいじのりんしょうけっか)
生まれた直後の赤ちゃんに対して、成長が未熟、病気や経過の異常など、医学的に問題があるかどうかを調べた結果のことです。
有意
(ゆうい)
ある治療法の効果を、他の治療法や治療を行わなかった場合と、統計学の手法を用いて比べたときに、結果に差があると判定することを有意の差といいます。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく「快適な妊娠出産のためのガイドライン」  RQ7
 
 
 
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