急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

胆道手術後、上腹部手術後、肝、胆道に対する処置や術後には胆嚢炎胆管炎が隠れていることがあり、致死的となることもあるため注意が必要である。術後は種々の原因により熱発するが、胆道炎による熱発症状である可能性も念頭に置くべきである。

ガイドライン作成委員より患者さんへ
いろいろな手術や処置のあとに急性胆管炎、急性胆嚢炎が起こることがあります。特に、胆道手術や処置後、胃腸の手術、肝臓に対する検査や治療のあとには、急性胆管炎、急性胆嚢炎が隠れていることがあります。手術による熱なのか急性胆管炎、急性胆嚢炎による熱なのかを、いつも注意して治療を進めています。
 


医学用語解説
胆道炎
(たんどうえん)
胆汁に細菌が増えることが原因で、胆管や胆嚢に炎症が起こることです。胆石が詰まって胆汁の流れが滞り、大腸にすむ細菌が逆流するために感染します。また胆嚢を取り除く手術を行ったり、胆管と空腸をつなぐ手術を行ったりした後に発症することがあります。
胆道手術
(たんどうしゅじゅつ)
胆嚢を取り除いたり、胆管と空腸をつなぐなど、胆道内に発症した病気を治療するために行う手術のことです。胆道とは胆嚢や胆管の総称で、胆汁の通り道に当たる部分です。胆管、胆嚢の腫瘍や胆石等に対する外科治療を指します。
上腹部手術
(じょうふくぶしゅじゅつ)
胃や肝臓、膵臓など、おなかの上部に発症した病気を治療するための手術のことです。手術後に胆道炎が隠れている場合があります。
胆道
(たんどう)
胆汁の通り道である胆管、胆嚢の総称です。胆汁は、肝臓でつくられ、胆道を通って十二指腸に流れ込み、食べ物を消化しやすくします。
胆嚢炎
(たんのうえん)
胆嚢管に胆石が詰まるなどして胆汁の流れが滞り、胆汁に細菌が増えて炎症を引き起こす病気のことです。胆嚢内が膨らみ、ひどくなると胆汁が漏れ出したり、血液の循環が悪くなったりして細胞が死んでしまうことがあります。強い痛みが起こったり、白目が黄色くなるなどの症状が現れます。
胆管炎
(たんかんえん)
胆汁の通り道のうち、肝臓内から伸びている肝内胆管や胆嚢管、胆嚢管の下から十二指腸の合流点である総胆管に、炎症が起こることです。これは、胆管内に発生した胆石によって胆汁の流れが滞り、大腸内にすみつく細菌が胆汁中で増殖し、胆管に感染することが主な原因です。
熱発
(ねっぱつ)
熱が出ることです。手術後にはさまざまな原因で熱が出ることがありますが、胆道炎の発症のために熱が出る場合もあります。手術後に発症した胆道炎は、生命にかかわることもあるため、より注意が必要です。
熱発症状
(ねっぱつしょうじょう)
発熱によって出現する症状のことです。手術後はさまざまな原因で熱が出ることがありますが、その原因の一つが胆道炎の発症によるものです。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q125 手術後に胆道炎は隠れていないか?
 
 
 
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