急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

急性胆嚢炎の診断には、特異的血液検査所見はないが、臨床徴候画像検査所見に加えて、白血球数CRPをチェックする必要がある。[推奨度A

ガイドライン作成委員より患者さんへ
急性胆嚢炎の血液検査は、白血球の数やCRPという検査が行われます。これは、胆嚢炎に特別ではありませんが、体の中に炎症があると数値が増えることが多い検査です。
 


医学用語解説
急性胆嚢炎
(きゅうせいたんのうえん)
多くの場合、胆嚢の出入り口に胆石が詰まるなどして、胆嚢が血行障害を起こしたり、胆汁の流れが滞ったりして膨れ、痛みが起こる病気のことです。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなると、痛みが治まる場合もありますが、そのまま胆石が詰まっていると、腸内の細菌などが逆流して細菌感染を引き起こします。
特異的
(とくいてき)
明らかにほかとは異なる特徴があることです。急性胆嚢炎の診断を行う場合、血液検査の結果を参考にしますが、急性胆嚢炎の患者さんのみに見られる特徴的な検査結果はありません。
血液検査所見
(けつえきけんさしょけん)
血液検査の結果から、医師が下した診断や結果のことです。急性胆嚢炎にかかった患者さんだけに現れる特別な血液検査の異常はありません。しかし、白血球数に1万個/μl以上の増加が見られたり、体のどこかに炎症があると反応するCRP[C反応性タンパク質]が3mg/dl以上の場合は、急性胆嚢炎の可能性もあります。おなかが痛いといった症状や、画像検査で胆嚢の腫れが見られるなど、ほかの検査の結果と組み合わせて医師が判断します。
臨床徴候
(りんしょうちょうこう)
病気によって患者さんに起こる特徴的な症状のことです。急性胆嚢炎には、胆石が原因のものとそうでないものがありますが、いずれも発熱、みぞおちやおなかの痛み、吐き気といった症状が出ます。
画像検査所見
(がぞうけんさしょけん)
超音波検査やCT、MRIなどの画像検査の結果から医師が下した診断や結果のことです。急性胆嚢炎かどうかを判断するために最初に行われる画像検査に超音波検査があります。患者さんの症状や、血液検査の結果と合わせ、画像検査で胆石の存在が確認でき、胆嚢の腫れが見つかった場合は、急性胆嚢炎と診断されます。
白血球数
(はっけっきゅうすう)
白血球が、一定の血液量の中にどのくらい含まれているかをいいます。白血球は、血液を構成する成分の一つで、体の中に入り込んだ病原菌の毒性をなくして、病気の発症を防ぐ働きをしています。
CRP
(シーアールピー)
C反応性タンパクのことです。血液検査の際、体内のどこかに炎症があると増加します。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q67 急性胆嚢炎の診断に必要な血液検査は?
 
 
 
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