急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

AIDS発症患者では胆汁うっ滞[AIDS cholangiopathy]急性無石胆嚢炎などに注意する。

ガイドライン作成委員より患者さんへ
AIDS患者では、胆汁がうっ滞して急性胆管炎が起こる場合や、胆石なしで胆嚢炎を引き起こす場合などがあります。
 


医学用語解説
AIDS
(エイズ)
Acquired Immunodeficiency Syndromeの略で、後天性免疫不全症候群のことです。輸血や性行為、母子感染などで、HIVというヒト免疫不全ウイルスに感染し、さまざまな感染症や症状が起こった状態の総称です。HIVが体の中に入り増殖を繰り返すと、やがて免疫機能が崩壊します。そのため、さまざまな感染症にかかりやすくなったり、皮膚に悪性の腫瘍(しゅよう)が発生したりといった病気を引き起こします。胆道炎を起こすこともあります。
急性胆道炎
(きゅうせいたんどうえん)
胆管や胆嚢の中に胆石が詰まるなどして、胆汁の流れが滞って、痛みが起こる病気のことです。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなることで痛みが治まる場合もありますが、そのまま胆石が詰まっていると、腸内の細菌などが逆流して細菌感染を引き起こします。
胆汁うっ滞[AIDS cholangiopathy]
(たんじゅううったい[エイズ コランジオパシー])
胆管や胆嚢が狭くなり、胆汁の流れが滞ることです。AIDS[Acquired Immunodeficiency Syndrome] cholangiopathとは、後天性免疫不全症候群における胆管症のことで、AIDS発症後1年以上経過した中年男性に多く見られます。
急性無石胆嚢炎
(きゅうせいむせきたんのうえん)
急性胆嚢炎の中でも、その原因が胆石の詰まりではないもののことです。急性胆嚢炎の原因の多くは胆石の詰まりによるものですが、胆石以外にも2〜15%の割合で胆嚢炎が起こることがあります。胆石が原因でない胆嚢炎の原因としては、手術や重症外傷、熱傷、点滴による栄養摂取、がんの転移などがあります。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q9 AIDSと急性胆道炎の関連は?
 
 
 
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