糖尿病 Minds版ガイドライン解説

食事療法は、原則として妊婦にとって必要にして十分な栄養を付加し、妊娠中の適正な体重増加と健全な胎児発育を目指して、バランスのとれた栄養摂取を指導する。グレードA コンセンサス
妊婦に必要なエネルギー付加量はおおむね200〜350kcalであり、肥満妊婦の場合は必ずしも付加量を加える必要はない。グレードB コンセンサス
ケトン体上昇の胎児に対する影響はなお不明であり、妊婦の体重が減少するような極端な食事制限は避けるべきである。グレードD コンセンサス

ガイドライン作成委員より患者さんへ
妊娠糖尿病の治療の基本は食事療法ですが、健全な胎児発育のために通常のカロリー制限食より200〜350kcal多くします。母体の体重が増加しないほどのカロリー制限は好ましくありません。実際、子どもを「小さく産んで大きく育てる」と、将来糖尿病や肥満の危険性が高まります。
 


医学用語解説
食事療法
(しょくじりょうほう)
食事習慣を整えて、糖尿病や高血圧といった生活習慣病を治療する方法です。摂取エネルギー量の制限、栄養バランスの適正化、1日3食の規則正しい食事を摂るなどの指導が行われます。
体重増加
(たいじゅうぞうか)
体重が増えることです。妊娠中はおなかの赤ちゃんの成長に伴い、妊婦の体重も増加します。しかし、必要以上に体重が増えると、妊娠中に高血圧や糖尿病などの病気にかかりやすくなり、症状が悪化することがあります。また、胎児が大きくなり過ぎたり、産道に脂肪がつき過ぎたりして、難産になることもあります。
胎児発育
(たいじはついく)
妊娠中におなかの赤ちゃんが成長することです。妊娠期間に、胎児は身長が伸び、体重が増えるだけでなく、臓器、目や耳などの感覚器、神経など体のさまざまな部分が発達・成長していきます。そのため妊婦は栄養バランスの良い食事を摂り、胎児が十分に発育できるように努める必要があります。
エネルギー付加量
(エネルギーふかりょう)
胎児の成長・発育のため、妊娠中に通常のエネルギー摂取量にプラスして摂取すべきエネルギー量のことです。妊娠中に必要なエネルギー付加量は1日200〜350kcalで、これ以上のエネルギーを摂り続けると、肥満につながり、お産のときに問題が生じる可能性があります。
肥満妊婦
(ひまんにんぷ)
標準体重よりも体重が重い妊婦のことです。肥満妊婦には、妊娠する前から肥満があった人と、妊娠後に体重が増加して肥満になった人が該当します。肥満妊婦は妊娠中にさまざまな病気にかかりやすいことが分かっているため、妊娠中にもできるだけ体重が増加しすぎないように、医師の指導の下で、摂取するエネルギー量などに注意を払う必要があります。
付加量
(ふかりょう)
エネルギー付加量のことです。胎児の成長・発育のため、妊娠中に通常のエネルギー摂取量にプラスして摂取すべきエネルギー付加量のことです。妊娠中に必要なエネルギー付加量は1日200〜350kcalで、これ以上のエネルギーを摂り続けると、肥満につながり、お産のときに問題が生じる可能性があります。
ケトン体上昇
(ケトンたいじょうしょう)
血液中のケトン体の濃度が高まることです。ケトン体は、肝臓で脂肪が分解されてつくられる物質で、エネルギー源の一種です。治療が不十分な糖尿病の患者さんは、エネルギー源としてブドウ糖をうまく利用することができません。そこで肝臓はブドウ糖の代わりのエネルギー源として、ケトン体を大量につくります。その結果、ケトン体が血液中に放出されるため、ケトン体の濃度が上昇します。
食事制限
(しょくじせいげん)
食事から摂取するエネルギー量や、食事内容に制限を設けることです。糖尿病の患者さんは血液中のブドウ糖濃度である血糖値の上昇を抑え、肥満のある方は体重を標準体重まで減らすために、糖質や脂質を摂り過ぎないように食事を調整する必要があります。また、多量のアルコールや塩分の摂取も控えることが重要です。

 


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(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版  ステートメント
 
 
 
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