糖尿病 Minds版ガイドライン解説

糖尿病高血圧の合併は大血管症発症頻度を増加させる。厳格な血圧コントロール糖尿病大血管症発症リスクを軽減する。グレードA レベル1

ガイドライン作成委員より患者さんへ
糖尿病では動脈硬化が進行し、心筋梗塞・狭心症・脳梗塞・足の血流不全などの危険性が高まります。糖尿病では高血圧も同時に発症することが多いのですが、高血圧はその危険性を一層高めます。このような場合、血圧の厳格なコントロールによって危険性が減ることが実証されています。
 


医学用語解説
糖尿病
(とうにょうびょう)
血液中のブドウ糖を細胞に取り込む作用を促すインスリンというホルモンの量が足りなくなったり、効き目が悪くなったりして起こる病気のことです。糖尿病になると、血液中のブドウ糖濃度である血糖値が、正常な値よりも高い状態が続くようになります。糖尿病は、主に膵臓(すいぞう)でインスリンを分泌するβ(ベータ)細胞が破壊されて起こる1型糖尿病と、インスリンの効き目が悪くなることによって起こる2型糖尿病に分けられます。
高血圧
(こうけつあつ)
血管内の血液が血管の壁に与える圧力である血圧が、基準値を超えて高くなる病気です。高血圧が進行すると、血管が硬く、詰まりやすくなり、脳卒中や心臓病にかかる危険性が高くなります。日本人の成人では、収縮期(しゅうしゅくき)血圧が140mmHg以上、または拡張期(かくちょうき)血圧が90mmHg以上になると、高血圧と診断されます[小児の場合は年齢によって差がありますが、成人の数値よりも若干低くなります]。収縮期血圧は、心臓が血液を送り出すために収縮したときの血圧、拡張期血圧は心臓が広がって血液を送り出す準備をするときの血圧です。糖尿病患者さんが高血圧を合併している場合、収縮期血圧が130mmHg未満、拡張期血圧が80mmHg未満を治療目標値とします。
大血管症
(だいけっかんしょう)
心臓の血管である冠動脈(かんどうみゃく)などの太い血管が硬く、詰まりやすくなる動脈硬化が原因となって生じる病気のことです。動脈硬化が起こると、心臓や脳に十分な血液が供給できなくなります。大血管症には、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの命にかかわる病気があります。糖尿病の患者さんでは、血管が傷つきやすく、大血管症になる危険性は、糖尿病ではない人に比べて数倍高いことが分かっています。
発症頻度
(はっしょうひんど)
ある病気のかかりやすさを表すもので、研究対象の患者さんの中で、一定期間にある病気が起こる回数のことです。糖尿病の患者さんは健康な人に比べ、脳卒中や心臓病といった命にかかわる大血管症を発症しやすいことが分かっています。また、糖尿病に加えて高血圧もある患者さんでは、さらにその危険性が高くなるため、糖尿病の治療に加えて、高血圧の治療も十分に行う必要があります。
血圧コントロール
(けつあつコントロール)
血管内の血液が血管の壁に与える圧力である血圧を正常値になるよう治療を行うことです。診察室での血圧の正常値は収縮期(しゅうしゅくき)血圧130mmHg未満、拡張期(かくちょうき)血圧85mmHg未満です。これより血圧が高くなっている人は、食生活の見直しや積極的な運動などの生活習慣の改善のほか、症状によっては血圧を下げる薬を使って治療を行います。
糖尿病大血管症
(とうにょうびょうだいけっかんしょう)
糖尿病が原因となって、心臓の血管である冠動脈(かんどうみゃく)などの太い血管が傷つき、硬く、詰まりやすくなる動脈硬化が起こることで生じる病気のことです。糖尿病大血管症には脳卒中や心臓病といった命にかかわる重大な病気があります。糖尿病の患者さんでは、大血管症になる危険性は糖尿病でない人に比べて数倍も高いことが分かっています。
発症リスク
(はっしょうリスク)
ある病気が起こる危険性のことです。脳卒中や心臓病といった大血管症の発症リスクは、糖尿病のほか、高血圧や加齢、喫煙、肥満などによって上昇します。これらの要因を、生活習慣の改善や治療によって改善することで、病気の起こる危険性を低下させることができます。

 


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(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版  ステートメント
 
 
 
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