(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版

8 市販薬による頭痛治療はどのように行えばよいのでしょうか

推奨 薬物療法の選択は頭痛の重症度、頭痛の頻度、生活支障度に依存します。軽症の頭痛であれば市販薬(OTC)でも対処可能です。頭痛が中等度〜重度の場合、あるいはOTCを月10日以上服用する場合は、医師の指導のもとに薬物治療を行うことが望ましいのです。慢性頭痛の場合は薬物乱用頭痛に陥らないように、急性期治療薬の投与回数をできれば月10回以内に制限します
  グレードA:行うよう強く勧められる

解説
頭痛は重症度と生活支障度により、
 (1)軽症:生活に対する支障がない
 (2)中等症:日常生活や仕事に影響がある
 (3)重症:日常生活や仕事が不可能・寝込む
の三段階に区分されます。

一次性頭痛のうち、常に軽症で、頭痛による苦痛がほとんどなく、生活支障がない場合は、経過観察、生活習慣の改善、ストレッチなどのセルフケアで対処可能です。頭痛により苦痛を感じても、軽い場合は市販鎮痛薬により対応が可能です。
OTCは片頭痛の軽症例や初期例には有効ですが、薬剤乱用によりかえって毎日の頭痛に悩まされることになる方もいるので、鎮痛薬の使用には注意が必要です。
鎮痛薬を服用している方は、乱用しないよう注意し、服薬回数が頻回な場合(毎月10回、あるいはそれ以上服用)は受診して医師と治療について相談してください。

サイドメモ
市販薬はOTCと略されます。OTCとはOver-The-Counterの略です。OTCの解熱鎮痛薬は厚生労働省から許可された下表の成分の単剤ないし合剤です。
表2 OTC解熱鎮痛薬の成分
解熱鎮痛成分
アスピリン、アセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリン、イブプロフェン、エテンサミド
鎮静催眠成分(解熱鎮痛成分の鎮痛作用の増強と鎮静作用を有す)
アリルイソプロピルアセチル尿素、プロムワレリル尿素
制酸成分(解熱鎮痛成分による胃の不調を抑える)
生薬成分(解熱作用〈ジリュウなど〉や鎮痛作用〈シャクヤク〉を示す)
その他の成分(解熱鎮痛成分の鎮痛作用の補助)
無水カフェイン、など
 

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