有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン
文献ID:S0030667
PMID:
12813170
文献番号
71
AF
4
研究方法
モデル解析(シミュレーションモデルMISCAN)
検査法
PSA・直腸診・経直腸エコー
対象数
42,376人(検診群21,210人 対照群21,166人)
対象集団の特性
55-74歳
対象集団の設定条件
ERSPCロッテルダム
検診群における受診率・要精検率
第1回目94%(19,970人/21,210人)第2回目18%(3,545人/19,970人)
評価指標
lead times(year)overdetection(%)lifetime risk(%)
評価指標の把握
対象外項目
結果
推定されたmean lead timeは、55歳時の検診(1回)で12.3年(95%CI:11.6-14.1年)、overdetection rateは27%(95%CI:24-37%)。75歳時の検診(1回)で、mean lead timeは6.0年(95%CI:5.8-6.3年)、overdetection rateは56%(95%CI:53-61%)。55-67歳の逐年検診で、mean lead timeは12.3年(95%CI:11.8-13.3年)、overdetection rateは50%(95%CI:46-57%)。55-67歳の4年間隔の検診で、mean lead timeは11.2年(95%CI:10.8-12.1年)、overdetection rateは48%(95%CI:44-55%)。55-67歳の逐年検診は、前立腺がんのlifetime riskを80%(95%CI:69-116%)増加させ、55-67歳の4年ごとの検診はlifetime riskを65%(95%CI:56-87%)増加させる。
不利益
overdetection rateは、55歳時の検診(1回)で27%(95%CI:24-37%)。75歳時の検診(1回)では56%(95%CI:53-61%)。55-67歳の逐年検診では50%(95%CI:46-57%)。55-67歳の4年間隔の検診では48%(95%CI:44-55%)。
研究全般に関するコメント
年齢別の罹患率や発見率に関して、モデルの推定値と実測値との間にわずかな乖離(高齢層では推定値の方が高く、若年層では実測値の方が高い)があるので、モデルの当てはまりには若干の留意が残る。
前立腺がん検診を逐年あるいは4年ごとに実施すると、その半数が過剰診断となる可能性がある。
RCTデータに基づく過剰診断の推計。