有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン
文献ID:S0030657
PMID:
11696733
文献番号
61
AF
3
研究方法
コホート内症例対照研究
検査法
PSA(>基準値4.0μg/l)
対象数
・症例群108人
1)1968-1980年の間追跡した21,287人のうち44人発見。
2)1973-1991年の間追跡した1,373人のうち64人発見。
・対照群394人
1)2対照 74人 2)5対照 320人
対象集団の特性
15歳以上
対象集団の設定条件
フィンランド25地域、1966-1976年に検診に参加し、血漿保存されている例。
検診群における受診率・要精検率
対象外項目(PSA を対象とした検診ではない)。
評価指標
PSA>4.0μg/lによる前立腺がんのORと、感度・特異度。
評価指標の把握
地域がん登録。
結果
1)1966年から1972年に15歳以上のフィンランド在住男性に採血を施行し、血漿保存し、1992年にPSA測定。1980年までに44人のがんが発見。
2)その時代のPSAの検体がない1,373人の55-79歳の男性に対して1973年から1976年に採血をして1993年にPSAを測定。1991年までに64人のがんが発見。
3)PSAカットオフ値4.0μg/lとした場合、4以上の相対リスク(RR)は17.7(95%CI:7.9-40)。この場合の感度44%、特異度94%。
4)65歳以上に限定するとRR21.1(95%CI:4.8-92)、感度51%、特異度91%。
5)追跡期間を最初の5年間に限定すると全年齢のRR46.8(95%CI:6.2-350)、感度86%、特異度94%、65歳以上のRR26.1(95%CI:2.6-260)、感度60%、特異度91%。
不利益
記載なし。
研究全般に関するコメント
1)対象はフィンランド25地域から抽出されているが全フィンランドを代表するものではない。但し、対象集団の罹患は全国とほぼ同様としている。
2)保存血漿を用いたPSAの解析結果とがん登録を照会している。全追跡に比べ、最初の5年間に限定した場合に感度が上がる。これらの結果から検診間隔の測定の検討が可能である。