有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン
文献ID:S0030648
PMID:
16829552
文献番号
52
AF
1
研究方法
時系列研究
検査法
PSA
対象数
オーストリア・チロル地方(2001年男性人口328,323人)、チロル以外の地域(3,559,913人)。
対象集団の特性
45-74歳男性
対象集団の設定条件
オーストリア・チロル地方
検診群における受診率・要精検率
累積受診率75.1%
評価指標
死亡率・罹患率
評価指標の把握
死亡率(Austrian Central Statistics Office:1970〜)
罹患率(Tyrol Cancer Registry:1988〜)
結果
Age-period-cohort modelによるPSA検診導入前後時期の前立腺がん死亡率年次推移。60-64歳、1989-1993年、1882-1886年出生を、それぞれ、年齢、時期、出生コホートの基準として解析。1999-2004年の死亡リスクはチロル地方で0.81(95%CI:0.68-0.98)、チロル以外では1.00(0.95-1.05)。出生コホートではチロル地方は1917年以降出生では死亡リスクが有意に高いということは認められなくなっているが、チロル以外では依然として有意に高い。年齢調整罹患率のチロル地方での増加は、チロル以外に比べて顕著。2001年までのチロルの45-74歳男性のPSA検診累積受診割合は75.1%。
不利益
記載なし。
研究全般に関するコメント
オーストリアチロル地方ではPSA検診を1988-1989年に導入し、1993年からは45-74歳男性に無料で実施するようになった。
同様の解析をしたVutuc C(Wien Klin Wochenschr 2005;117:457-461)との相違は
1)解析法(Vutuc Cはjoin-point analysis)。
2)本研究の追跡は1年長い。
3)本研究は4年単位の解析、Vutuc Cは1年単位。
4)両者の死亡数は同じだが罹患数はチロル、それ以外も本研究がVutuc C研究よりも多い。
ケベック研究のパー・プロトコル解析の結果をそのまま引用し、チロル研究の妥当性を支持する証拠の一つとして取り上げている。