有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン
文献ID:S0024420
AF
1
研究方法
時系列研究及び地域相関研究
検診方法
胸部XRと高危険群に対する喀痰細胞診
対象数
38町村
対象集団の特性
宮城県
対象集団の設定条件
国保加入率45%以上かつ40歳以上検診受診率50%以上の33町村を検診群、老健法に基づく肺癌検診が実施されていないが検診を実施すれば50%以上の受診率が予想される国保加入率45%以上の5町村を検診非実施群とした。
1)検診実施群で検診開始前後で死亡/罹患比を比較、2)2群における年齢調整罹患率及び死亡率の変化を比較検討し、「検診群の肺癌死亡数が非実施群と同じ割合で増加する」と仮定した場合の期待死亡数と観察死亡数を比較する。
評価指標
死亡数、罹患数、年齢調整死亡率、年齢調整罹患率
評価指標の把握
地域がん登録、宮城県衛生統計年報、国勢調査
結果
1)死亡/罹患比は、検診開始3年前は平均81.8%、開始後5年間の平均は68.9%。
2)昭和57年検診開始13町村の検診開始後5年間の期待死亡数と観察死亡数はそれぞれ239と181(24.3%減少)、58年検診開始10町村では検診開始後4年間の期待死亡数と観察死亡数はそれぞれ176と136(22.7%減少)であった。
不利益
記載なし
研究全般に関するコメント
検診実施群が33町村であるのに対し、非実施群が5町村と少ない点、非実施町村でも全く肺がん検診が行われていないわけではない点、死亡率の推移を見るのに検診後5年間では短い点などに注意が必要。