（旧版）科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版

Evidence Level

IV

目的

膵癌に対する術前放射線化学療法の効果と安全性を知ること。

研究施設/組織

Institut Paoli Calmettes, Marseille, France

研究期間

1996〜2001年

対象患者

術前照射化学療法を施行した32例の膵臓癌患者

介入

膵癌32例のうち，10例には15Gy/10回/2週を2コース (総量30Gy)，22例には総量45Gy (/25回/5週) を照射した。化学療法としては，5-FU 650mg/m² (D1-5，D21-25) とcisplatin 80mg (D2，D22) を投与

主要評価項目

切除率，生存期間

結果

32例中，2例がGrade 3の毒性，1例がGrade 4 (致死) を合併した。19例が切除可能で2例が組織学的にCRであった。32例の2年生存率は37.3%，切除19例の2年生存率は59.3%であった。

結論

5−FUとcisplatinを併用した術前放射線化学療法は安全に施行でき，期待できる。

作成者

石川　治，大東弘明

コメント

Vincent Moutardier (EJSO 2002) の論文とほぼ同じ内容であるが，全症例数が19例から32例，切除例15例から19例に増えている。