（旧版）科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版

Evidence Level

IV

目的

膵癌を疑う患者に対するEUS-FNAの診断能と合併症の検討。

研究施設/組織

Department of Medicine, Divion of Gastroenterology and Hepatology, University of Alabama at Birmingham, USA

研究期間

2000〜2002年

対象患者

同期間の膵腫瘤を有する膵癌疑いの患者158例 (最終診断理由: 手術48例，臨床所見63例，原病死47例)

介入

EUS-FNA

主要評価項目

EUS-FNAの診断能，合併症の頻度 (24hr以内，急性期 (24-72hr)，30日後)

結果

EUS-FNAの膵癌に対する診断能は感度84.3%，特異度97%であった。24hr以内の合併症は10/158例で腹痛6例，出血2例等であった。急性期は評価可能な20/90例に少なくとも1症状を認め，腹痛，膨満感10例，咽頭痛9例等を認めた。また軽度の急性膵炎を1例に認めた。30日後には評価可能な83例中1例も症状を認めなかった。

結論

EUS-FNAは膵癌の診断に非常に有用である。合併症も通常の上部内視鏡の頻度と同等である。検査後1週間の観察で合併症は網羅される。

作成者

山雄健次，田近正洋

コメント

膵癌を疑う患者に対するEUS-FNAの診断能と合併症を検討した前向き研究である。