(旧版)科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版
文献ID:S0020092
PMID:
10579989
Evidence Level
I
目的
膵癌の疫学,診断および治療に関するTechnical review
研究施設/組織
Mayo Clinic Rochester, Minnesota, USA 他2施設
研究期間
明記されず
対象患者
明記されず
結果
遺伝性膵炎のcohortでは予測膵癌症例数0.15に対して膵癌症例数は8であった。Multinational studyでは,慢性膵炎の膵癌発生のrelative riskはUSで4,スウェーデンで8である。糖尿病は膵癌の60〜81%に合併し,ほとんどが膵癌の2年以内に診断されている。最近の20 case-control とcohort studyのメタアナリシスでは,1年以上の糖尿病の膵癌発生リスクは2.1であった。66%の膵癌と糖尿病合併患者は非家族性の糖尿病であった。膵癌の7〜8%に一親等に膵癌があり,対照群に比べて13倍増加した。その他,家族性腺腫ポリポージスのrelative riskは4.46倍,familial atypical multiple mole melanomaではchromosome 9p,p16INK4の関与が示唆される。環境因子で最も因果関係のあるのは喫煙である。
結論
慢性膵炎,非家族性糖尿病は膵癌のリスクが高い。
作成者
西野隆義,清水京子,白鳥敬子
コメント
Technical reviewであり, 信頼性は高い。