有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
文献ID:S0016629
PMID:
9794179
方法
全大腸内視鏡
AF(Analytic Framework)
1
研究方法
コホート研究
検診方法
内視鏡検査(S状結腸内視鏡検査82.4%,全大腸内視鏡検査17.6%)
対象数
検診受診群3,195人
検診未受診群2,1549人
対象集団の特性
40-75歳,男性
対象集団の設定条件
医療従事者(米国人男性)
評価指標
大腸がんの診断,大腸がん死亡
評価指標の把握
大腸がん罹患は質問票に対する回答から.大腸がん死亡は家族からの回答,US postal service,National Death Indexにより把握.
結果
24744例の男性医療従者に対する1986年から1994年までのコホート研究.
内視鏡スクリーニングにより,全大腸がんの罹患リスクは0.58 (95%CI,0.36-0.96),とりわけ遠位大腸では0.40 (95%CI,0.19-0.84),Dukes A&Bに対しては0.66 (95%CI,0.35-1.25),Dukes C&Dでは0.50 (95%CI,0.20-1.26).
各種大腸がんリスクを補正すると,大腸がん死亡リスクは0.56 (95%CI,0.20-1.60) であった.
遠位大腸のDukes C&Dに対しては年齢調整大腸がん死亡が0.16 (95%CI,0.02-1.23) と防御効果があったが,近位大腸のDukes C&Dでは0.96 (95%CI,0.32-2.91) と効果が認められなかった.
不利益
記載なし
研究全般に関するコメント
40-75歳の男性に大腸内視鏡スクリーニングを行うことにより,大腸がん罹患リスクを低下させることができる.しかし,近位大腸に対しての防御効果が認められなかった.大腸内視鏡と述べてはいるが,S状結腸内視鏡検査と全大腸内視鏡検査の区別がされていない.スクリーニング歴と大腸がん罹患に関するデータは質問票に対する回答によっている(ただし,質問票の回答と診療録の一致については検証済み).対象は男性医療従事者のみ.