（旧版）腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン

研究デザイン

5. CCT (Controlled Clinical Trial)

Evidence Level

Level 5

研究施設

ST. Mary's Hosp.
French Hosp.

目的

腰椎椎間板ヘルニアに対する椎弓切除のみと、後方固定を併用した手術の成績を比較すること

研究期間

FU 期間：1-10年
固定群：1-10(平均4.9)年、
LAM群：1-7(平均3.7)年

対象患者

上記2病院にて腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けた患者158例

症例数

158

追跡率（％）

43.7

介入

固定群(n＝不明)：ST. Mary's Hosp.にて手術した症例は全例固定群
LAMに加えKnodt rodと腸骨移植による後方固定を追加
FU例数n＝38、M25、F13、37-76(平均48.7)歳
FU1-10(平均4.9)年：LAM群と有意差あり(p＜0.05)
術前罹病期間1m-22y(平均5.7y)：LAM群と有意差あり(p＜0.01)
LAM群(n＝不明)：French Hosp.にて手術した症例は全例LAM群
術式はbil. laminotomyまたはlaminectomy
FU例数n＝31、M19、F12、21-79(平均45.1)歳
FU1-7(平均3.7)年：固定群と有意差あり(p＜0.05)
術前罹病期間1m-10y(平均1.3y)：固定群と有意差あり(p＜0.01)

主要評価項目とそれに用いた統計手法

1)著者独自の方法による4段階評価(Excellent-Good-Fair-Poor): chi-square testアンケート送付・回収による
2)Good以上の症例で、復職までに要した期間：Student's t-test

結果

1)固定群：Excellent 4、Good 16、Fair 13、Poor 5
LAM群：Excellent 8、Good 14、Fair 4、Poor 5
有意差なし
2)固定群：4.1ヵ月、LAM群：3.2ヵ月(p＜0.01)

結論

腰椎椎間板ヘルニアに対して、椎弓切除とヘルニア摘除のみを行った症例と、後方固定を併用した手術の臨床成績には差がなかった。
固定術を併用すると復職までの期間が約1ヵ月長くかかった。

作成者

若林良明