(旧版)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン
文献ID:S0007675
PMID:
7502136
研究デザイン
4. RCT (Randomized Controlled Trial)
Evidence Level
Level 2
研究施設
ウイリアムビーモント病院整形外科、アメリカ
目的
神経根除圧後の椎弓切除部に遊離脂肪、ゼルフォームの移植および非挿入の3群を形成し、臨床症状に対する影響を検討する。
研究期間
不明
対象患者
初回単一腰椎椎間板摘出術施行例190症例中、最低1年以上後に検診可能であった154症例を対象とした。
症例数
190
追跡率(%)
81.1
介入
54例(20-79平均40歳)に脂肪移植を、50症例(17-63平均38歳)にゼルフォームを、50症例(14-71平均39歳)には何も挿入しなかった。各群でヘルニアの形状、労災適応の比率等に差はなかった。
主要評価項目とそれに用いた統計手法
33症例には術後6ヵ月でMRIを撮像し瘢痕形成を評価した。術後1年で直接検診を行い臨床症状とProloにより提唱されたfunction-economic outcome scoreを算定した。
Kruskal-Wallis one-way analysis varianceで統計処理を行った。
結果
臨床結果では97%の症例が術後改善していたが、臨床症状がgoodとexcellentであったのは83%であった。臨床症状と画像所見(瘢痕形成)で関連はなく、また3群間での瘢痕形成の差もみられなかった。労災適応患者の成績は他と比較し有意に悪かった。
結論
腰椎椎間板摘出術施行後のinterposition membrane の使用は臨床症状と関係ない。
コメント
臨床症状とinterposition membraneの使用が関連しないことは信頼できると思われるが、瘢痕形成の予防についてはMRI 撮像が33例と少なく、また評価基準がややあいまいである。
作成者
渡辺雅彦