(旧版)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン

文献ID:S0007561

著者

平地一彦/鐙邦芳/種市洋

出典: 脊椎脊髄ジャーナル/ 6巻, 383-8頁/ 発行年 1993年

研究デザイン

8.Case Series

Evidence Level

Level 7

研究施設

北海道大学医学部整形外科

目的

造影MRI による障害神経根の信号増強の機序と臨床的意義について考察する。

研究期間

1990年6月より1992年1月

対象患者

術前に造影MRI を施行した腰椎椎間板ヘルニア手術例のうち、高齢者、上位型ヘルニアおよび特殊例はのぞくもの。

症例数

53

介入

術前および前後に造影MRI の撮像を行い障害神経根の造影の程度を観察した。神経根の信号増強と術前の痛みの程度、SLRの角度との関係を調査した。神経根の信号増強とはT1強調横断像でヘルニア塊が最も大きくみえるスライスから近位の神経根に2スライス以上にわたり信号強度の増強を認めるものと定義した。

主要評価項目とそれに用いた統計手法

造影MRI による神経根の信号増強、下肢痛出現から観血的治療までの期間、SLRの角度を検討項目とした。Mann Whitney U-test, X2検定を用いた。

結果

術前造影MRI により障害神経根の信号増強を22例41.5%に認めた。下肢痛発生から手術までの期間は信号増強群で19..8日、非増強群で33.4日と有意差を認めた。術前のSLRテスト強陽性例は信号増強群で72.7%、非増強群で41.9%であり信号増強群に多かった。信号強度と知覚障害、筋力低下および腱反射などとの間に関連性はみらなかった。また術後の信号増強はより高頻度に出現するものの症状を反映しなかった。

結論

造影MRI における神経根の信号変化は神経根内外の炎症過程を描出していると考えられる。

コメント

信頼しうるデータである。

作成者

男澤朝行

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