(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 -H. pylori二次除菌保険適用対応-
文献ID:S0028257
PMID:
15106235
研究デザイン
MA(メタ) 1980年から2000年の論文を対象
エビデンスレベル
レベルI:システマティックレビュー/メタアナリシス
対象者(疾患/病態)
出血性胃潰瘍
サンプルサイズ
7つの研究(578例)または3つの研究(470例)
セッティング
他国多施設
追跡率
不定
予知因子:介入/要因曝露と対照
除菌治療に対して非除菌胃酸分泌抑制療法で維持療法を行うものと行わないもの
エンドポイント(アウトカム)
再出血
主な結果と結論
7つの研究(578例)では除菌治療群の再出血率は2.9%で,非除菌療法で維持療法を行わない場合は20%であった(オッズ比 OR 0.17,95%信頼区間[CI]: 0.10-0.32).研究間の異質性は認められなかった.NNT(Number needed to treat)は7,95%CI: 5-11であった.3つの研究(470例)を対象にしたメタアナリシスでは,除菌治療群の再出血率は1.6%で,非除菌療法で維持療法を行った場合は5.6%(OR 0.25,95%CI: 0.08-0.76;NNT 20,95%CI: 12-100)であった.再出血時にNSAIDを服用していた例を除いた亜群解析では,除菌群での再出血は2.7%(最初のメタアナリシス),0.78%(2つ目のメタアナリシス)であった.除菌成功例のみでは,再出血率は1.1%で,NNTは7から6に低下した.
効果指標値(95%信頼区間)
オッズ比およびNNTは上記
コメント
除菌治療は抗分泌薬(維持療法をする場合もしない場合も)の治療に比べ,再出血の防止効果が高いことが判明した.従って,すべての消化性潰瘍患者は,H. pylori感染の検査を行い,陽性の場合には除菌を行うべきである.