(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 -H. pylori二次除菌保険適用対応-
文献ID:S0028193
PMID:
12358234
研究デザイン
RCT
エビデンスレベル
レベルII:1つ以上のランダム化比較試験による
対象者(疾患/病態)
NSAIDを1ヶ月以上服用していて胃潰瘍を発症した患者
サンプルサイズ
692例
セッティング
多施設
追跡率
97.3%
予知因子:介入/要因曝露と対照
治療薬:ranitidine(150mg)群,lansoprazole(15mg)群,lansoprazole(15mg)群,各々の治療群でのHP感染の有無.
エンドポイント(アウトカム)
4,8週後の内視鏡的胃潰瘍治癒
主な結果と結論
治療開始8週後における胃潰瘍治癒率はHP感染者(70%)が非感染者(61%)に比べて有意に高かった(P<0.05)。治療薬で比較するとlansoprazole投与群がranitidine投与群に比較して4および8週後の潰瘍治癒率が高かった.以上よりNSAID胃潰瘍に対する酸分泌抑制薬による治療においてHP陽性である方が治癒率が高い.
効果指標値(95%信頼区間)
リスク比:記載なし
統計学的解析法:Chi-square test
コメント
本研究以外ではHP陰性患者の方が潰瘍治癒率が高いとする報告や影響ないという報告もあり,単純には結論付けられないと考える.
Verhagenらの内的妥当性チェックリスト<スコア基準 はい:1、いいえ:0、不明:0>
治療割り付け:ランダム化されているか 1
治療割り付け:盲検化されているか 1
最も重要な予後因子について群間に差が無いか 1
適格例の基準が決められているか 1
アウトカムの検査者は盲検化されているか 1
ケアの供給者は盲検化されているか 1
患者は盲検化されているか 1
一次エンドポイントの点評価値とばらつきの指標が示されているか 0
治療企図分析(Intention-to-treat analysis)が行われているか 1
総スコア 8
アブストラクトテーブル用記述
NSAID潰瘍治療におけるHP除菌の効果を検討した論文である.潰瘍治療はPPIあるいはH2RAを用いている.その結果,除菌することによって潰瘍治癒率はかえって低下するという結論である.