| | | | | | | |
CQ・推奨一覧 |
CQ(Clinical Questions)の推奨度 |
グレードA: | 行うよう強く勧められる |
グレードB: | 行うよう勧められる |
グレードC1: | 行うことを考慮してもよいが,十分な科学的根拠がない |
グレードC2: | 科学的根拠がないので,勧められない |
グレードD: | 行わないよう勧められる |
|
|
●推奨● |
・ | ベタヒスチンのメニエール病のめまいに対する有効性は,エビデンスが乏しい。ただし,3カ月以下の短期投与に限ると,めまいを抑制する効果が得られる可能性があるので考慮してもよい。【推奨度B】 |
・ | メニエール病に対するベタヒスチンの1年におよぶ長期投与は無効であり,長期間使用すべきではない。【推奨度C2】 |
・ | ジフェニドールのメニエール病のめまいに対する有効性は,エビデンスがない。短期投与に関しては,めまい症状を抑制する可能性があり,考慮してもよい。【推奨度C1】 |
|
|
●推奨● |
・ | 利尿薬のメニエール病の治療に対する有効性は,エビデンスが乏しい。しかし,めまいの抑制,難聴の進行の抑制に効果がある可能性がある。とくに,めまいに対する有効性は,聴力に関する効果に勝る。利尿薬は,メニエール病のめまいや難聴の抑制に対して考慮してよい。【推奨度C1】 |
・ | メニエール病に対するイソソルビドの有効性に関しては,投与量は1日量90mL,投与期間は最終めまい発作から6カ月,再発時にはその都度再投与を行なうことを考慮してもよい。【推奨度C1】 |
|
|
●推奨● |
・ | メニエール病に対する抗ウイルス薬の有効性を示す根拠に乏しく,メニエール病の治療に抗ウイルス薬を用いることは勧められない。【推奨度D】 |
|
|
●推奨● |
・ | 中耳加圧治療器としてMeniett®を用いる中耳加圧治療のメニエール病のめまいに対する有効性は,プラセボ(鼓膜換気チューブ挿入術)と比べてエビデンスが乏しい。ただし,4カ月間以上治療継続するとめまいを抑制する効果が得られる可能性があるので考慮してもよい。【推奨度B】 |
・ | 中耳加圧治療器として鼓膜マッサージ器を用いる中耳加圧治療のメニエール病のめまいに対する有効性は,鼓膜換気チューブ挿入術を必要としないがMeniett®と比べて差を認めず,効果が得られる可能性があるので考慮してもよい。鼓膜マッサージ器から開発された非侵襲中耳加圧装置が薬事承認されて保険収載されたことから,中耳加圧治療に用いることができるようになった。【推奨度B】 |
・ | 中耳加圧治療のメニエール病の難聴や耳鳴など蝸牛症状に対しては,効果は期待できない。【推奨度C2】 |
|
CQ5 | メニエール病に対する内リンパ嚢開放術は有効か? |
|
●推奨● |
・ | メニエール病に対する内リンパ嚢開放術の有効性は,術後12カ月の短期成績において,めまい抑制,聴力温存に優れているといえる。ただし,長期成績に関しては,めまい抑制,聴力温存の有効性に限界がある。機能温存を目的とした唯一の手術治療であり,難治例に対する手術として選択的前庭機能破壊術の前に考慮してもよい。【推奨度C1】 |
|
CQ6 | メニエール病に選択的前庭機能破壊術は有効か? |
|
●推奨● |
・ | 生活指導や内服薬による保存的治療によって制御されないメニエール病のめまい発作抑制の治療として,ゲンタマイシン鼓室内注入療法は有効である。ただし,治療に伴って患側聴力の低下が生じる可能性があることに留意すべきである。【推奨度B】 |
・ | ゲンタマイシン鼓室内投与に先行して,副腎皮質ステロイドの鼓室内投与を行うことを検討してもよい。本邦では内耳中毒物質鼓室内注入術を保険診療として行うことはできない。【推奨度B】 |
・ | 前庭神経切断術は,ゲンタマイシン鼓室内注入療法によってもめまい発作がコントロールできない症例に対して考慮される治療法である。症例集積研究から,有効とされるが,治療法の性質上RCTを行うことが困難である。ゲンタマイシン鼓室内注入療法に対する優越性を示す報告もあるがエビデンスとしては確立されていない。【推奨度C1】 |
|