(旧版)女性下部尿路症状診療ガイドライン
6
治療
1 行動療法(表10)
女性下部尿路症状(female lower urinary tract symptoms: F-LUTS)の行動療法には,生活指導(lifestyle interventions),理学療法(physical therapies),計画療法,補助療法がある。

1)生活指導(lifestyle interventions)
Female(女性)およびlower urinary tract symptoms(下部尿路症状),urinary symptoms(排尿症状),overactive bladder(過活動膀胱),pelvic pain syndrome(骨盤痛症候群),pelvic organ prolapse(骨盤臓器脱) かつ diet(食事),lifestyle(生活指導)をキーワードとして検索し,157 編の原著論文を得た。このうちのRCT 9 編と他の3 編に2001年以前および2012 年以降の論文5 編(RCT 2 編)を追加して17 編を引用した。
推奨グレード:A〜C1
肥満,喫煙などの生活の要因が過活動膀胱や腹圧性尿失禁の病因に関係するとされており,生活様式の変更が推奨されている1)(V)。高齢者に対して医師が生活指導を行う群は行わない群より有意な改善が報告されている2) (I)(レベル1)。生活指導では,重症の便秘の改善,過度のコーヒーやアルコール摂取,水分摂取を控えることや,排尿障害につながる薬剤に関する情報提供,長時間の坐位や下半身の冷えを避け適度な運動を促すことなども行われている。その効果を証明する大規模RCT として,減量の報告がある(レベル1)。
●減量(推奨グレード:A)
体重増加,body mass index(BMI)と尿失禁との関係については多数の報告があり,肥満が腹圧性尿失禁のみならず,過活動膀胱(overactive bladder: OAB)や切迫性尿失禁にも関係していることが報告されている1)(V)。肥満女性に食事療法6カ月を行った群と対照とのRCT では,治療群で有意な(腹圧性,切迫性)尿失禁の減少(60%対15%)がみられた3)(II)。Diabetes Prevention Program(DPP)では,糖尿病前の女性1,957 例を強化生活指導,メトホルミン,プラセボ(通常の生活指導)の3群に分けて比較したところ,強化生活指導群では他の群より有意に尿失禁回数が少なかった(腹圧性のほうが切迫性より有効)4)(I)。
肥満女性に食事と運動療法で減量を行ったRCT(PRIDE 試験)では,対照に比べ,有意に体重が減少し(8.0% 対1.6%),6 カ月後には尿失禁回数は有意に減少した(47%対28%)5)(I)。効果は腹圧性尿失禁では対照に比べ有意であったが,切迫性尿失禁では有意差はなかった。この効果は,12 カ月までは同様で,18 カ月では対照に対する優越性は消失したが,切迫性尿失禁70% 以上の改善例が有意に多くみられた6)(I)。この体重減少別解析では,5〜10%以上体重が減少した群では,それ以下の体重減少(または増加)例よりも有意にすべてのタイプの尿失禁回数が減少し,(尿失禁合計および切迫性尿失禁で)70%以上の改善例も有意に多かった7)(I)。
また,糖尿病患者における食事・運動療法群と対照(糖尿病治療のみ)群とで比較した報告では,前者で尿失禁のなかった症例に対する1 年後の予防効果は有意に認められたが,すでに尿失禁があった症例では失禁の改善はみられなかった8)(I)。
肥満女性に食事と運動療法で減量を行ったRCT(PRIDE 試験)では,対照に比べ,有意に体重が減少し(8.0% 対1.6%),6 カ月後には尿失禁回数は有意に減少した(47%対28%)5)(I)。効果は腹圧性尿失禁では対照に比べ有意であったが,切迫性尿失禁では有意差はなかった。この効果は,12 カ月までは同様で,18 カ月では対照に対する優越性は消失したが,切迫性尿失禁70% 以上の改善例が有意に多くみられた6)(I)。この体重減少別解析では,5〜10%以上体重が減少した群では,それ以下の体重減少(または増加)例よりも有意にすべてのタイプの尿失禁回数が減少し,(尿失禁合計および切迫性尿失禁で)70%以上の改善例も有意に多かった7)(I)。
また,糖尿病患者における食事・運動療法群と対照(糖尿病治療のみ)群とで比較した報告では,前者で尿失禁のなかった症例に対する1 年後の予防効果は有意に認められたが,すでに尿失禁があった症例では失禁の改善はみられなかった8)(I)。
●激しい運動,重労働の軽減(推奨グレード:C1)
激しい仕事や重いものを持つ職業が骨盤臓器脱や腹圧性尿失禁のリスクになる可能性が示唆されている。しかし,重労働を減らすことが尿失禁の治療になるという報告はない。
●禁煙(推奨グレード:C1)
喫煙がより重度の失禁のリスクを増大させる可能性や,実験的にニコチンが膀胱収縮を引き起こすことなどが報告されている。喫煙者には尿失禁が多いという報告があるが9,10)(V),禁煙が尿失禁の改善につながるかどうかについてのRCTはない。
●食事(推奨グレード:B)
飲水量,アルコール,炭酸飲料と尿失禁の関係についての報告がある。カフェイン摂取により排尿筋過活動が増加するが,正常例には変化がないことが報告されている1,11)(V)。また,排尿筋過活動の患者は正常に比べてカフェイン摂取が多い報告がある12)(I)。飲水量およびカフェイン摂取減量により頻尿,尿意切迫感,尿失禁回数が対照に比べ有意に減少したが,ノンカフェイン飲料に変えても効果はなかったという報告がある13,14)(II)。大豆摂取と尿失禁の改善に関係はみられなかった15)(II)。飲水指導については,他の行動療法との組み合わせで行われていることが多い。
●便秘(推奨グレード:C1)
いきんで排便することが腹圧性尿失禁や尿意切迫のリスクになりうることが報告されている16)(V)。下剤による便秘の改善が過活動膀胱を改善したという以前の報告はあるが17)(IV),RCTによるエビデンスはない。
参考文献 |
1) | Dallosso HM, McGrother CW, Matthews RJ, Donaldson MMK, the Leicestershire MRC Incontinence Study Group. The association of diet and other lifestyle factors with overactive bladder and stress incontinence: a longitudinal study in women. BJU Int 2003; 92: 69-77(V) |
2) | van Eijken M, Wensing M, de Konink M, Vernooy M, Zielhuis G, Lagro T, Rikkert MO, Grol R. Health education on self-management and seeking health care in older adults: a randomised trial. Patient Educ Couns 2004; 55: 48-54(I) |
3) | Subak LL, Whitcomb E, Shen H, Saxton J, Vittinghoff E, Brown JS. Weight loss: a novel and effective treatment for urinary incontinence. J Urol 2005; 174: 190-195(II) |
4) | Brown JS, Wing R, Barrett-Connor E, Nyberg LM, Kusek JW, Orchard TJ, Ma Y, Vittinghoff E, Kanaya AM for the Diabetes Prevention Program Research Group. Lifestyle intervention is associated with lower prevalence of urinary incontinence. The Diabetes Prevention Program. Diabetes Care 2006; 29: 385-390(I) |
5) | Subak LL, Wing R, West DS, Franklin F, Vittinghoff E, Creasman JM, Richter HE, Myers D, Burgio KL, Gorin AA, Macer J, Kusek JW, Grady D for the PRIDE Investigators. Weight loss to treat urinary incontinence in overweight and obese women. N Engl J Med 2009; 360: 481-490(I) |
6) | Wing RR, West DS, Grady D, Creasman JM, Richter HE, Myers D, Burgio KL, Franklin F, Gorin AA, Vittinghoff E, Macer J, Kusek JW, Subak LL for the Program to Reduce Incontinence by Diet and Exercise. Effect of weight loss on urinary incontinence in overweight and obese women: results at 12 and 18 months. J Urol 2010; 184: 1005-1010(I) |
7) | Wing RR, Creasman JM, West DS, Richter HE, Myers D, Burgio KL, Franklin F, Gorin AA, Vittinghoff E, Macer J, Kusek JW, Subak LL for the Program to Reduce Incontinence by Diet and Exercise(PRIDE). Improving urinary incontinence in overweight and obese women through modest weight loss. Obstet Gynecol 2010; 116: 284-292(I) |
8) | Phelan S, Kanaya AM, Subak LL, Hogan PE, Espeland MA, Wing RR, Burgio KL, DiLillo V, Gorin AA, West DS, Brown JS, the Look AHEAD Research Group. Weight loss prevents urinary incontinence in women with type 2 diabetes: results from the Look AHEAD trial. J Urol 2012; 187: 939-944(I) |
9) | Sampselle CM, Harlow SD, Skurnick J, Brubaker L, Bondarenko I. Urinary incontinence predictors and life impact in ethnically diverse perimenopausal women. Obstet Gynecol 2002; 100: 1230-1238(V) |
10) | Hannestad YS, Rortveit G, Daltveit AK, Hunskaar S. Are smoking and other lifestyle factors associated with female urinary incontinence? The Norwegian EPINCONT Study. BJOG: Int J Obstet Gynaecol 2003; 110: 247-254(V) |
11) | Creighton SM, Stanton SL. Caffeine: does it affect your bladder? Br J Urol 1990; 66: 613-614(V) |
12) | Arya LA, Myers DL, Jackson ND. Dietary caffeine intake and the risk for detrusor instability: a casecontrol study. Obstet Gynecol 2000; 96: 85-89(I) |
13) | Swithinbank L, Hashim H, Abrams P. The effect of fluid intake on urinary symptoms in women. J Urol 2005; 174: 187-189(II) |
14) | Bryant CM, Dowell CJ, Fairbrother G. Caffeine reduction education to improve urinary symptoms. Br J Nurs 2002; 11: 560-565(II) |
15) | Manonai J, Songchitsomboon S, Chanda K, Hong JH, Komindr S. The effect of a soy-rich diet on urogenital atrophy: a randomized, cross-over trial. Maturitas 2006; 54: 135-140(II) |
16) | Møller LA, Lose G, Jørgensen T. Risk factors for lower urinary tract symptoms in women 40 to 60 years of age. Obstet Gynecol 2000; 96: 446-451(V) |
17) | Charach G, Greenstein A, Rabinovich P, Groskopf I, Weintraub M. Alleviating constipation in the elderly improves lower urinary tract symptoms. Gerontology 2001; 47: 72-76(IV) |
2)理学療法(physical therapies)
Female(女性)およびlower urinary tract symptoms(下部尿路症状),urinary symptoms(排尿症状),overactive bladder(過活動膀胱),pelvic pain syndrome(骨盤痛症候群),pelvic organ prolapse(骨盤臓器脱)かつpelvic floor muscle training(骨盤底筋訓練),vaginal cone(腟コーン),biofeedback(バイオフィードバック),electrical stimulation(電気刺激),magnetic stimulation(磁気刺激),neuromodulation(ニューロモデュレーション)をキーワードとして検索し,787 編の原著論文を得た。
最も一般的に行われている理学療法は骨盤底筋訓練(pelvic floor muscle training:PFMT)である。その他の理学療法として,フィードバック訓練(FT)あるいはバイオフィードバック訓練(BFT),腟コーン,電気刺激療法,磁気刺激療法などがある。
a.骨盤底筋訓練(pelvic floor muscle training: PFMT)
本治療法に関するRCT 14 編と他1 編を引用した。
推奨グレード:A
骨盤底筋訓練はその非侵襲性から尿失禁治療の第一選択と考えられる。骨盤底筋訓練の方法は種々で,対象とした尿失禁の種類,併用療法の有無,治療期間,評価方法なども報告により一致していないが,腹圧性尿失禁に対する有用性を支持する報告は多く,切迫性,混合性尿失禁にも有効であるとも報告されている。種々のRCT が報告されているが,骨盤底筋訓練の性質上から完全なRCT は困難であり,対象とした尿失禁の種類,併用療法の有無,治療期間,評価方法なども報告により一致していない。副作用はほとんどみられない。バイオフィードバック訓練や膀胱訓練など種々の治療法を組み合わせた方法の有用性を支持するRCT による報告は多い(レベル1)。
腹圧性尿失禁に対する骨盤底筋訓練の作用機序は,骨盤底筋の筋線維の大きさを増し(筋肥大),この筋肥大が腹圧時に骨盤底筋を収縮させる強度と収縮のタイミングを向上させるとされている。切迫性尿失禁に対する作用機序は,骨盤底筋の収縮により排尿筋収縮が反射性に抑制されることによる。骨盤底筋訓練はその非侵襲性から腹圧性尿失禁の初期治療の第一選択として推奨されるが,過活動膀胱にも有効で膀胱訓練との併用で行われることも多い。
骨盤底筋訓練の方法は,口頭指導,あるいはパンフレットを渡すものから,体位を種々に変えるもの,フィットネスと連係させるもの,医療専門職監督下における骨盤底筋訓練(supervised PFMT)など種々であり,supervised PFMT には腟や肛門の内診により骨盤底筋の収縮を確認するフィードバック訓練あるいはバイオフィードバック訓練などを含む場合もある。膀胱訓練,電気刺激あるいは薬物療法の併用などを組み合わせた方法などが報告されており,方法が一定しておらず,組み合わせ方法も種々である(「CQ6」参照)。
骨盤底筋訓練単独と他の治療法とのRCT としては,医療専門職によるsupervisedPFMT,フィードバック訓練およびバイオフィードバック訓練あるいは膀胱訓練などを含めた包括的な行動療法統合プログラム(behavioral modification program: BMP,「CQ6」参照),腟内装具(intravaginal resistance: IVR),膀胱訓練,あるいは他の治療法(抗コリン薬などの薬物療法,腟コーン,電気刺激など)との比較論文がある1-14)(I,II)。これらの訓練の基本は骨盤底筋訓練であり,帰宅後のホームトレーニングとして継続されることがほとんどである。評価項目は症状による失禁消失,パッドテスト,症状スコア,腟収縮圧など種々であった。治療期間は8〜12 週で,脱落例は0〜12% であった。副作用の報告はみられなかった。
Supervised PFMT としてはフィードバック訓練あるいはバイオフィードバック訓練が行われているものも多い。対象は,腹圧性尿失禁あるいは腹圧性尿失禁+混合性尿失禁のものが多く1-8)(I,II),記載のない尿失禁もあったが,切迫性尿失禁9-12)(I,II)もあった。Supervised PFMT あるいは行動療法統合プログラム〔種々の訓練法の組み合わせ1,2)(II),フィットネスとの組み合わせ3)(II),補助器具を使用した強化訓練法4)(II)〕と通常の家庭における骨盤底筋訓練単独との比較では,効果に有意差あり4編1-4)(II),差がなし1編5)(II)であった。グループ訓練と個人の訓練との比較では,効果に有意差あり1編6)(II),差がなし1編7)(II)であった。
腹圧性尿失禁に対するペッサリーとのRCT では,骨盤底筋訓練のほうが有意に患者の満足度が高かったが,両者の併用では,骨盤底筋訓練単独との有意差はみられなかった8)(I)。
脳卒中後の排尿筋過活動に対する骨盤底筋訓練は対照に比べ有意差はなかった9)(II)。過活動膀胱における骨盤底筋訓練と抗コリン薬単独とのRCT では,過活動膀胱症状に有意差はなかったが10)(II),抗コリン薬併用との比較では,尿意切迫感には有意差がみられなかったものの,排尿回数は併用で有意に減少した11,12)(I,II)。腹圧性尿失禁に対する骨盤底筋訓練単独とデュロキセチン(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬:SNRI)単独,両者の併用,プラセボの4 群におけるRCT では,すべての群でプラセボに対する優越性が認められたが,デュロキセチン単独と骨盤底筋訓練併用は有意差がなく,これらはともに骨盤底筋訓練単独より有意に尿失禁回数の減少がみられた13)(II)。Urodynamic SUI(尿流動態性腹圧性尿失禁)に対し,骨盤底筋訓練(フィードバック訓練)と膀胱訓練を比較したRCT では,骨盤底筋訓練群で有意に咳テストでの尿失禁量と症状の改善がみられた14)(II)。
長期フォローアップの報告は少ないが,6 カ月から12 カ月の経過観察が報告されている。再発が認められた報告もあるが,12 カ月で,対照に比べて有意に治癒が多かったという報告がある1)(II)。また,RCTではないが,本邦における123例の腹圧性尿失禁,混合性尿失禁に対する8 年間の長期フォローアップでは,79 例が評価可能で,そのうち成功例(治癒または50% 以上の改善)は39% であった15)(IV)。
骨盤底筋訓練の方法は,口頭指導,あるいはパンフレットを渡すものから,体位を種々に変えるもの,フィットネスと連係させるもの,医療専門職監督下における骨盤底筋訓練(supervised PFMT)など種々であり,supervised PFMT には腟や肛門の内診により骨盤底筋の収縮を確認するフィードバック訓練あるいはバイオフィードバック訓練などを含む場合もある。膀胱訓練,電気刺激あるいは薬物療法の併用などを組み合わせた方法などが報告されており,方法が一定しておらず,組み合わせ方法も種々である(「CQ6」参照)。
骨盤底筋訓練単独と他の治療法とのRCT としては,医療専門職によるsupervisedPFMT,フィードバック訓練およびバイオフィードバック訓練あるいは膀胱訓練などを含めた包括的な行動療法統合プログラム(behavioral modification program: BMP,「CQ6」参照),腟内装具(intravaginal resistance: IVR),膀胱訓練,あるいは他の治療法(抗コリン薬などの薬物療法,腟コーン,電気刺激など)との比較論文がある1-14)(I,II)。これらの訓練の基本は骨盤底筋訓練であり,帰宅後のホームトレーニングとして継続されることがほとんどである。評価項目は症状による失禁消失,パッドテスト,症状スコア,腟収縮圧など種々であった。治療期間は8〜12 週で,脱落例は0〜12% であった。副作用の報告はみられなかった。
Supervised PFMT としてはフィードバック訓練あるいはバイオフィードバック訓練が行われているものも多い。対象は,腹圧性尿失禁あるいは腹圧性尿失禁+混合性尿失禁のものが多く1-8)(I,II),記載のない尿失禁もあったが,切迫性尿失禁9-12)(I,II)もあった。Supervised PFMT あるいは行動療法統合プログラム〔種々の訓練法の組み合わせ1,2)(II),フィットネスとの組み合わせ3)(II),補助器具を使用した強化訓練法4)(II)〕と通常の家庭における骨盤底筋訓練単独との比較では,効果に有意差あり4編1-4)(II),差がなし1編5)(II)であった。グループ訓練と個人の訓練との比較では,効果に有意差あり1編6)(II),差がなし1編7)(II)であった。
腹圧性尿失禁に対するペッサリーとのRCT では,骨盤底筋訓練のほうが有意に患者の満足度が高かったが,両者の併用では,骨盤底筋訓練単独との有意差はみられなかった8)(I)。
脳卒中後の排尿筋過活動に対する骨盤底筋訓練は対照に比べ有意差はなかった9)(II)。過活動膀胱における骨盤底筋訓練と抗コリン薬単独とのRCT では,過活動膀胱症状に有意差はなかったが10)(II),抗コリン薬併用との比較では,尿意切迫感には有意差がみられなかったものの,排尿回数は併用で有意に減少した11,12)(I,II)。腹圧性尿失禁に対する骨盤底筋訓練単独とデュロキセチン(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬:SNRI)単独,両者の併用,プラセボの4 群におけるRCT では,すべての群でプラセボに対する優越性が認められたが,デュロキセチン単独と骨盤底筋訓練併用は有意差がなく,これらはともに骨盤底筋訓練単独より有意に尿失禁回数の減少がみられた13)(II)。Urodynamic SUI(尿流動態性腹圧性尿失禁)に対し,骨盤底筋訓練(フィードバック訓練)と膀胱訓練を比較したRCT では,骨盤底筋訓練群で有意に咳テストでの尿失禁量と症状の改善がみられた14)(II)。
長期フォローアップの報告は少ないが,6 カ月から12 カ月の経過観察が報告されている。再発が認められた報告もあるが,12 カ月で,対照に比べて有意に治癒が多かったという報告がある1)(II)。また,RCTではないが,本邦における123例の腹圧性尿失禁,混合性尿失禁に対する8 年間の長期フォローアップでは,79 例が評価可能で,そのうち成功例(治癒または50% 以上の改善)は39% であった15)(IV)。
b.妊婦または産後に対する骨盤底筋訓練の尿失禁予防効果
本治療法に関するRCT 9 編を引用した。
推奨グレード:A
有効性を支持する根拠は十分にある(レベル1)。
妊婦あるいは産後における骨盤底筋訓練(PFMT)と無治療とのRCT 報告は8 編あり,骨盤底筋訓練群で有意な尿失禁の予防効果ありが6編16-21)(I,II),有意差なしが2編であった22,23)(I)。ただし,長期効果では尿失禁に有意差はみられなかった23,24)(I)。
c.フィードバック訓練,バイオフィードバック訓練
本治療法に関するRCT 18 編を引用した。
推奨グレード:B
治療法の性質上,大規模なRCT は困難であるが,多数の小規模RCT による有効性を支持する根拠はある(レベル2)。
フィードバック訓練(FT)あるいはバイオフィードバック訓練(BFT)は,骨盤底筋訓練の補助として行われ,骨盤底筋の筋力や持続力強化,適正な筋収縮と有効な収縮のタイミング(腹圧時や尿意切迫感出現時)などを指導する目的で行われる。
フィードバック訓練は,医療専門職が,会陰部,腟,肛門の収縮を視診,あるいは触知し,有効な筋収縮の仕方を指導する方法である。文献によってはこれをsupervised PFMT と定義するものもあるので,バイオフィードバック訓練との比較以外の文献は骨盤底筋訓練の項目でまとめた。
バイオフィードバック訓練は,筋収縮の情報を,腟圧,肛門圧,筋電図,超音波による画像などを用い,音や光や図形という形で患者に提示し,異常となっている生理反応を認知させ,訓練させる方法である。バイオフィードバック訓練には,医療施設で医療専門職が行うclinic based BFT や,筋電図の音や腟圧計を頼りに自宅で行うhome based BFT まで種々の方法がある。
バイオフィードバック訓練におけるRCT は18 編認められ,骨盤底筋訓練単独とバイオフィードバック訓練+骨盤底筋訓練との比較は11編25-35)(II),フィードバック訓練+骨盤底筋訓練との比較は3編36-38)(II),骨盤底筋訓練+clinic BFTと骨盤底筋訓練+clinic BFT+home BFTとの比較は1編39)(II)であった。尿失禁の種類は,腹圧性尿失禁の女性がほとんどであったが,腹圧性尿失禁単独8 編25,28-30,33,36,38,39)(II),腹圧性尿失禁+混合性尿失禁4編27,32,34,37)(II),切迫性尿失禁(+混合性尿失禁)4編〔神経因性排尿筋過活動1編31)(II)と過活動膀胱3編26,35,40)(II)〕であった。
期間は8〜20 カ月,脱落例はほとんどが10% 以下であった。
フィードバック訓練におけるRCT は,腟触診時に指で収縮を確認するフィードバック訓練の方法と,バイオフィードバック訓練との比較のみであった26,36-38)(II)。バイオフィードバック訓練では,筋電図25,27,31,35,38,39)(II),腟あるいは肛門圧計26,29,30,32-34,37)(II)が使用されていた。
RCTにおける無作為割り付けの詳細が記載されたものは8編25,26,29,32,35,37,40,41)(II)であった。大部分の報告は症例数が少なく(50 例以下),短期間(3 カ月以内)であった。また,治療の方法,評価方法が一定していないので,有効性を支持する根拠は十分ではなかった。治癒,有効例における有意差の報告はなかった32,33,35)(II)。
腹圧性尿失禁におけるフィードバック訓練,バイオフィードバック訓練の骨盤底筋訓練に対する相加的効果では,骨盤底筋力の増強効果,尿失禁防止のタイミングや尿意切迫感の抑制が報告されている37)(II)。骨盤底筋訓練(フィードバック訓練)単独とバイオフィードバック訓練+骨盤底筋訓練との比較では,両者ともに有意差なし5編25,27,32,34,37)(II),併用のほうが有効4編29,33,35,36)(II)であった。
尿流動態検査による排尿筋過活動(混合性尿失禁を含む)症例に対しバイオフィードバック訓練による行動療法,バイオフィードバック訓練のない行動療法,パンフレットのみの自己による訓練の3 群によるRCT では,それぞれ63.1%,69.4%,58.6% と尿失禁の改善例に差はなかったが,患者の満足は前2 者に多かった(75.0%,85.5%,55.7%)26)(II)。切迫性尿失禁における行動療法(バイオフィードバック訓練補助)と抗コリン薬,プラセボとの比較では,行動療法と抗コリン薬はプラセボに比し有意に有効であったが40)(II),夜間頻尿は,行動療法が他に比べて有意に有効であった41)(II)。しかし,尿流動態検査における膀胱容量の増大は抗コリン薬が最も大きかった42)(II)。
副作用はフィードバック訓練ではみられず,バイオフィードバック訓練における腟プローブが不快で中止した症例が報告されている程度である29,32,35)(II)。
治療後1〜2 年の経過では,バイオフィードバック訓練併用群では26% が治癒したが,骨盤底筋訓練単独群では治癒例はなかったという報告がある28)(II)。
フィードバック訓練は,医療専門職が,会陰部,腟,肛門の収縮を視診,あるいは触知し,有効な筋収縮の仕方を指導する方法である。文献によってはこれをsupervised PFMT と定義するものもあるので,バイオフィードバック訓練との比較以外の文献は骨盤底筋訓練の項目でまとめた。
バイオフィードバック訓練は,筋収縮の情報を,腟圧,肛門圧,筋電図,超音波による画像などを用い,音や光や図形という形で患者に提示し,異常となっている生理反応を認知させ,訓練させる方法である。バイオフィードバック訓練には,医療施設で医療専門職が行うclinic based BFT や,筋電図の音や腟圧計を頼りに自宅で行うhome based BFT まで種々の方法がある。
バイオフィードバック訓練におけるRCT は18 編認められ,骨盤底筋訓練単独とバイオフィードバック訓練+骨盤底筋訓練との比較は11編25-35)(II),フィードバック訓練+骨盤底筋訓練との比較は3編36-38)(II),骨盤底筋訓練+clinic BFTと骨盤底筋訓練+clinic BFT+home BFTとの比較は1編39)(II)であった。尿失禁の種類は,腹圧性尿失禁の女性がほとんどであったが,腹圧性尿失禁単独8 編25,28-30,33,36,38,39)(II),腹圧性尿失禁+混合性尿失禁4編27,32,34,37)(II),切迫性尿失禁(+混合性尿失禁)4編〔神経因性排尿筋過活動1編31)(II)と過活動膀胱3編26,35,40)(II)〕であった。
期間は8〜20 カ月,脱落例はほとんどが10% 以下であった。
フィードバック訓練におけるRCT は,腟触診時に指で収縮を確認するフィードバック訓練の方法と,バイオフィードバック訓練との比較のみであった26,36-38)(II)。バイオフィードバック訓練では,筋電図25,27,31,35,38,39)(II),腟あるいは肛門圧計26,29,30,32-34,37)(II)が使用されていた。
RCTにおける無作為割り付けの詳細が記載されたものは8編25,26,29,32,35,37,40,41)(II)であった。大部分の報告は症例数が少なく(50 例以下),短期間(3 カ月以内)であった。また,治療の方法,評価方法が一定していないので,有効性を支持する根拠は十分ではなかった。治癒,有効例における有意差の報告はなかった32,33,35)(II)。
腹圧性尿失禁におけるフィードバック訓練,バイオフィードバック訓練の骨盤底筋訓練に対する相加的効果では,骨盤底筋力の増強効果,尿失禁防止のタイミングや尿意切迫感の抑制が報告されている37)(II)。骨盤底筋訓練(フィードバック訓練)単独とバイオフィードバック訓練+骨盤底筋訓練との比較では,両者ともに有意差なし5編25,27,32,34,37)(II),併用のほうが有効4編29,33,35,36)(II)であった。
尿流動態検査による排尿筋過活動(混合性尿失禁を含む)症例に対しバイオフィードバック訓練による行動療法,バイオフィードバック訓練のない行動療法,パンフレットのみの自己による訓練の3 群によるRCT では,それぞれ63.1%,69.4%,58.6% と尿失禁の改善例に差はなかったが,患者の満足は前2 者に多かった(75.0%,85.5%,55.7%)26)(II)。切迫性尿失禁における行動療法(バイオフィードバック訓練補助)と抗コリン薬,プラセボとの比較では,行動療法と抗コリン薬はプラセボに比し有意に有効であったが40)(II),夜間頻尿は,行動療法が他に比べて有意に有効であった41)(II)。しかし,尿流動態検査における膀胱容量の増大は抗コリン薬が最も大きかった42)(II)。
副作用はフィードバック訓練ではみられず,バイオフィードバック訓練における腟プローブが不快で中止した症例が報告されている程度である29,32,35)(II)。
治療後1〜2 年の経過では,バイオフィードバック訓練併用群では26% が治癒したが,骨盤底筋訓練単独群では治癒例はなかったという報告がある28)(II)。
d.腟コーン
本治療法に関するRCT 2 編を引用した。
推奨グレード:C1
骨盤底筋訓練の補助療法としての有効性は報告されているが,大規模RCTによる根拠は十分ではない(レベル2)。
腟コーンは,骨盤底筋を強化し,その機能をテストするために開発された器具である。理論的には,コーンを落としてしまいそうな感覚がバイオフィードバックになり,骨盤底筋の収縮を促進するとされている。腹圧性尿失禁における骨盤底筋訓練とのRCT は6 編(2002 年以後の報告は2 編)あり,両者とも改善がみられたが,群間での有意差はみられなかった37,43)(II)。副作用では腟の不快感,痛み,出血などの報告がある。
参考文献 |
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3) 膀胱訓練(bladder training),計画療法(scheduled voiding regimens)
Female(女性)およびlower urinary tract symptoms(下部尿路症状),urinary symptoms(排尿症状),overactive bladder(過活動膀胱),pelvic pain syndrome(骨盤痛症候群),pelvic organ prolapse(骨盤臓器脱)かつscheduled voiding regimens(計画療法),bladdertraining(膀胱訓練),timed voiding(定時排尿),habit training(習慣排尿法),promptedvoiding(排尿促進法)をキーワードとして検索し,109 編の原著論文を得た。うち本治療法に関するRCT 5 編に2001 年以前の論文を追加して11 編を引用した。
推奨グレード:B
膀胱訓練は,尿を我慢させることにより,蓄尿症状を改善させる方法である。広義の膀胱訓練として,定時排尿,習慣排尿法,排尿促進法とあわせて計画療法という。膀胱訓練は通常切迫性尿失禁に行われ,その効果は抗コリン薬とはほぼ同等のようであるが,症例数も少なく,訓練の方法やRCT の方法も種々である(レベル2)。混合性あるいは腹圧性尿失禁にも有効と報告されているが,有効性を示す根拠に乏しい(レベル2)。副作用の報告はなく,安全性は高い。
●膀胱訓練(bladder training)
尿をなるべく我慢させる訓練法であり,bladder training のほかにbladder drill,bladderre-education,bladder retraining などと称される。
広義の膀胱訓練として,定時排尿,習慣排尿法,排尿促進法とあわせて計画療法という1)(V)。定時排尿(timed voiding)は,膀胱容量を超えない一定の期間で排尿させ,尿失禁が生じないように排尿スケジュールを作成するもので,通常2〜4時間ごとのトイレ誘導をする。習慣排尿法(habit training)は,患者の排尿習慣(排尿パターン)にあわせ,失禁を起こす前にトイレに予防的に行くスケジュールを作る方法である。排尿促進法(prompted voiding)は,医療従事者,介護者などが,排尿の動機を作り,排尿を促す方法である。
全体として,膀胱訓練は12〜90% の治癒,75% の改善で,副作用もないので,過活動膀胱に対する第一選択として推奨されるが,すべて小規模RCT によるエビデンスである。
膀胱訓練に関する109 編のうち,60 編は過活動膀胱あるいは尿失禁を対象とし,ほとんどが女性であった。膀胱訓練におけるRCT の論文は2001 年以前の論文がほとんどであったが,無治療との比較が1 編,薬物療法との比較が3 編,他の治療法の追加療法としての比較が1 編,他の治療法との比較が1 編みられた。対象は,尿流動態検査で排尿筋過活動と診断した切迫性尿失禁3編2-4)(II),混合性あるいは腹圧性尿失禁3編5-7)(II),区別なし1編8)(II)であった。
訓練の方法は,徐々に排尿間隔を延ばすものが多いが8)(II),排尿日誌を使用4)(II),リラックスし,尿意をそらす5)(II)などの報告もある。訓練の期間は,4週間2)(II),6〜8週間4,5)(II),8週間4,8)(II),12週間6)(II)であった。
無治療との比較では,膀胱訓練のほうが有意に昼間,夜間排尿回数が減少したが,尿失禁量は不変であった8)(II)。薬物療法との比較では(薬物併用療法との比較については「CQ7」参照),イミプラミン+フラボキサート2)( II),オキシブチニン3)(II)との比較において,失禁あるいは頻尿の改善については同等で,抗コリン薬単独,膀胱訓練単独,膀胱訓練+抗コリン薬の比較では,尿失禁回数は群間に有意差はみられなかった9)(II)。いずれも副作用は有意に薬物投与群に多くみられた2,3,9)(II)。
腹圧性尿失禁または排尿筋過活動症例に対する,膀胱訓練単独,膀胱訓練+バイオフィードバック訓練とバイオフィードバック訓練単独の3 群の比較では,すべての群で改善がみられたが,膀胱訓練併用群で有意に尿失禁に対する有効性が高かった。経過観察は3.2 年であったが,3 カ月以上の継続効果はみられなかった6)(II)。Urodynamic SUI(尿流動態性腹圧性尿失禁)に対し,骨盤底筋訓練と膀胱訓練を比較したRCT では,骨盤底筋訓練群で有意に咳テストでの尿失禁量と症状の改善がみられた7)(II)。
広義の膀胱訓練として,定時排尿,習慣排尿法,排尿促進法とあわせて計画療法という1)(V)。定時排尿(timed voiding)は,膀胱容量を超えない一定の期間で排尿させ,尿失禁が生じないように排尿スケジュールを作成するもので,通常2〜4時間ごとのトイレ誘導をする。習慣排尿法(habit training)は,患者の排尿習慣(排尿パターン)にあわせ,失禁を起こす前にトイレに予防的に行くスケジュールを作る方法である。排尿促進法(prompted voiding)は,医療従事者,介護者などが,排尿の動機を作り,排尿を促す方法である。
全体として,膀胱訓練は12〜90% の治癒,75% の改善で,副作用もないので,過活動膀胱に対する第一選択として推奨されるが,すべて小規模RCT によるエビデンスである。
膀胱訓練に関する109 編のうち,60 編は過活動膀胱あるいは尿失禁を対象とし,ほとんどが女性であった。膀胱訓練におけるRCT の論文は2001 年以前の論文がほとんどであったが,無治療との比較が1 編,薬物療法との比較が3 編,他の治療法の追加療法としての比較が1 編,他の治療法との比較が1 編みられた。対象は,尿流動態検査で排尿筋過活動と診断した切迫性尿失禁3編2-4)(II),混合性あるいは腹圧性尿失禁3編5-7)(II),区別なし1編8)(II)であった。
訓練の方法は,徐々に排尿間隔を延ばすものが多いが8)(II),排尿日誌を使用4)(II),リラックスし,尿意をそらす5)(II)などの報告もある。訓練の期間は,4週間2)(II),6〜8週間4,5)(II),8週間4,8)(II),12週間6)(II)であった。
無治療との比較では,膀胱訓練のほうが有意に昼間,夜間排尿回数が減少したが,尿失禁量は不変であった8)(II)。薬物療法との比較では(薬物併用療法との比較については「CQ7」参照),イミプラミン+フラボキサート2)( II),オキシブチニン3)(II)との比較において,失禁あるいは頻尿の改善については同等で,抗コリン薬単独,膀胱訓練単独,膀胱訓練+抗コリン薬の比較では,尿失禁回数は群間に有意差はみられなかった9)(II)。いずれも副作用は有意に薬物投与群に多くみられた2,3,9)(II)。
腹圧性尿失禁または排尿筋過活動症例に対する,膀胱訓練単独,膀胱訓練+バイオフィードバック訓練とバイオフィードバック訓練単独の3 群の比較では,すべての群で改善がみられたが,膀胱訓練併用群で有意に尿失禁に対する有効性が高かった。経過観察は3.2 年であったが,3 カ月以上の継続効果はみられなかった6)(II)。Urodynamic SUI(尿流動態性腹圧性尿失禁)に対し,骨盤底筋訓練と膀胱訓練を比較したRCT では,骨盤底筋訓練群で有意に咳テストでの尿失禁量と症状の改善がみられた7)(II)。
●定時排尿(timed voiding)
認知障害,運動障害などによりトイレ行動が自立できない患者に対し,排尿間隔を決めて排尿を促す方法であるが,その間隔は種々である1,5)(II,V)。2001年以前のRCTの報告は2編認められる10)(I)。
●排尿促進法(prompted voiding)
療養施設に入所している112 例に排尿促進法,飲水指導,運動などの組み合わせをした群と対照とのRCT では,尿失禁は有意に改善したが,便失禁は改善しなかったと報告された11)(II)。
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4) 電気・磁気刺激療法
a.電気刺激療法(electrical stimulation: ES)
本治療法に関するRCT 13 編と他の1 編,および2001 年以前のRCT 1 編の合計15 編を引用した。
推奨グレード:B
切迫性,腹圧性尿失禁ともに有効であるが,刺激条件が異なる。
Sham 刺激,骨盤底筋訓練,バイオフィードバック訓練,薬物療法との比較などのRCT の報告がある。大規模RCT は少なく,方法が一定していないので根拠レベルを評価するのが困難であるが,非侵襲的である(レベル2)。
Sham 刺激,骨盤底筋訓練,バイオフィードバック訓練,薬物療法との比較などのRCT の報告がある。大規模RCT は少なく,方法が一定していないので根拠レベルを評価するのが困難であるが,非侵襲的である(レベル2)。
電気刺激療法には骨盤底電気刺激療法,干渉低周波療法,(体内植え込み式)仙髄神経電気刺激法など種々のものがあるが,本邦では,干渉低周波療法のみが保険適応となっている1)(II)。腹圧性尿失禁に対しては骨盤底筋の収縮性を高め,切迫性尿失禁に対しては排尿筋過活動を抑制する。腹圧性尿失禁,切迫性尿失禁に対する有効性はともに,治癒30〜50%,改善60〜70% と報告されている2)。単独療法としても用いられるが,骨盤底筋訓練やバイオフィードバック訓練と併用する方法もある。電気刺激療法は随意的に骨盤底筋を収縮させられない患者に有効といわれているが,それを証明した報告はない。電気刺激療法の刺激条件は,腹圧性尿失禁には周波数20 Hz,10〜50 Hz の組み合わせなど種々の報告があり,通常筋疲労の予防のためにon,off のduty cycle を用いる2)。Duration も0.08〜100 msec,duty cycleも1:3,1:2,1:1 など種々の報告がある。強度は耐えられる最大強度が多い。電極は経腟的が多い。切迫性尿失禁には,10〜20 Hz が多く,duration は0.1〜1.0msec の範囲での報告がある2)。電極は経腟的と表面電極が用いられる。
Sham 刺激との比較は2001 年以前の報告のみで,腹圧性尿失禁では7 報告あり,sham 刺激に対する優越性が5 報告,優越性なしが2 報告であり,切迫性尿失禁では4報告すべてにsham刺激に対する優越性が報告された2,3)(I)。2002年以降の報告では,混合性尿失禁でsham 刺激との有意差はみられなかったという1 報告がある4)(II)。骨盤底筋訓練単独との比較は,2002年以降の報告では高齢者尿失禁に対する1報告のみであり,電気刺激療法の優越性は認められなかった5)(II)。他のRCT は,骨盤底筋訓練単独,バイオフィードバック訓練,あるいは対照(無治療)と電気刺激療法単独,あるいはバイオフィードバック訓練(あるいは骨盤底筋訓練)と電気刺激療法の併用を比較したものである。
腹圧性尿失禁においては,骨盤底筋訓練単独,バイオフィードバック訓練,電気刺激療法併用とも同等という報告6)(II)と,骨盤底筋訓練単独より有意に効果があったという報告7)(II)がある。しかし,いずれも電気刺激療法併用による相加的効果は得られなかった6,7)(II)。
過活動膀胱あるいは神経因性膀胱の排尿筋過活動におけるRCT では,電気刺激療法が骨盤底筋訓練,バイオフィードバック訓練単独,sham 刺激,無治療よりも有効であった8-10)(II)。過活動膀胱あるいは混合性尿失禁における薬物療法(抗コリン薬)とのRCT(5 編)では,尿失禁回数,尿失禁量,排尿回数,1 回排尿量,尿流動態検査成績において両者とも有効であったが,群間では有意差はみられなかったという報告4,11-14)(II)と尿意切迫感回数などが抗コリン薬,プラセボよりも有意に改善したという報告11)(II)がある。また,排尿筋過活動症例に対し,理学療法群(干渉低周波,骨盤底筋訓練と膀胱訓練併用),薬物療法(抗コリン薬)群,理学療法・薬物療法併用群の3 群を比較したRCT(46 例)では,理学療法群および理学療法・薬物療法併用群のほうが,薬物療法単独群よりも有意に尿流動態検査における改善(最大膀胱容量の増加)と排尿回数,尿失禁回数の減少がみられた15)(II)。
副作用については,電気刺激療法群では副作用はみられず,抗コリン薬に比べ安全性は高かった。
Sham 刺激との比較は2001 年以前の報告のみで,腹圧性尿失禁では7 報告あり,sham 刺激に対する優越性が5 報告,優越性なしが2 報告であり,切迫性尿失禁では4報告すべてにsham刺激に対する優越性が報告された2,3)(I)。2002年以降の報告では,混合性尿失禁でsham 刺激との有意差はみられなかったという1 報告がある4)(II)。骨盤底筋訓練単独との比較は,2002年以降の報告では高齢者尿失禁に対する1報告のみであり,電気刺激療法の優越性は認められなかった5)(II)。他のRCT は,骨盤底筋訓練単独,バイオフィードバック訓練,あるいは対照(無治療)と電気刺激療法単独,あるいはバイオフィードバック訓練(あるいは骨盤底筋訓練)と電気刺激療法の併用を比較したものである。
腹圧性尿失禁においては,骨盤底筋訓練単独,バイオフィードバック訓練,電気刺激療法併用とも同等という報告6)(II)と,骨盤底筋訓練単独より有意に効果があったという報告7)(II)がある。しかし,いずれも電気刺激療法併用による相加的効果は得られなかった6,7)(II)。
過活動膀胱あるいは神経因性膀胱の排尿筋過活動におけるRCT では,電気刺激療法が骨盤底筋訓練,バイオフィードバック訓練単独,sham 刺激,無治療よりも有効であった8-10)(II)。過活動膀胱あるいは混合性尿失禁における薬物療法(抗コリン薬)とのRCT(5 編)では,尿失禁回数,尿失禁量,排尿回数,1 回排尿量,尿流動態検査成績において両者とも有効であったが,群間では有意差はみられなかったという報告4,11-14)(II)と尿意切迫感回数などが抗コリン薬,プラセボよりも有意に改善したという報告11)(II)がある。また,排尿筋過活動症例に対し,理学療法群(干渉低周波,骨盤底筋訓練と膀胱訓練併用),薬物療法(抗コリン薬)群,理学療法・薬物療法併用群の3 群を比較したRCT(46 例)では,理学療法群および理学療法・薬物療法併用群のほうが,薬物療法単独群よりも有意に尿流動態検査における改善(最大膀胱容量の増加)と排尿回数,尿失禁回数の減少がみられた15)(II)。
副作用については,電気刺激療法群では副作用はみられず,抗コリン薬に比べ安全性は高かった。
b.磁気刺激療法(magnetic stimulation: MS)
本治療法に関するRCT 9 編と他2 編を引用した。
推奨グレード:B
電気刺激と機序は同様であるが,さらに非侵襲的に神経,筋を刺激することができる。Sham 刺激を対照としたRCT など種々の報告がある(レベル2)。
磁気刺激療法は,電気刺激と機序は同様であるが,衣服,皮膚,骨などを貫通するので,肛門や腟に電極を挿入することなく,着衣のまま,(電気刺激のような痛みを伴わないので)非侵襲的に,神経,筋を刺激することができる。刺激する標的としては,仙髄神経か骨盤底(椅子型の刺激装置)である2)。腹圧性尿失禁における治癒,有効率はそれぞれ29〜53%,86〜94% で,切迫性尿失禁ではそれぞれ20〜25%,50〜85%と報告されている2,16)(V)。
仙髄神経に対する磁気刺激のRCT として,Fujishiro らは,腹圧性尿失禁,過活動膀胱患者に5 秒/1 分の反復刺激で30 分間刺激することにより,尿流動態検査による急性効果を報告し,さらにRCT により刺激1 週間後の効果を比較検討し,sham刺激に比較して有意な症状の改善を報告した17,18)(II)。しかし,過活動膀胱を対象とした仙髄神経刺激装置におけるsham 刺激とのRCT では,両者に有意差はみられなかったという報告もある19)(II)。尿失禁の治療法としては,仙骨孔に長時間磁気コイルを固定して刺激することは困難であり,現在では椅子型の刺激装置による骨盤底の連続刺激を行うことが主流になっている。
椅子型の連続磁気刺激装置におけるRCT は,6 編みられた。Yamanishi らは,正常ボランティア10 例において尿流動態検査による尿道内圧の変化をsham 刺激と比較し,有意な上昇を報告した20)(II)。また,排尿筋過活動患者に対する効果を,電気刺激と磁気刺激により比較した結果,有意な膀胱容量の増加は両者とも認められたが,増加の程度や排尿筋過活動の消失や改善は,磁気刺激のほうが有意に大きかった21)(II)。
臨床的には,切迫性尿失禁におけるsham 刺激を対照としたクロスオーバー試験において,active刺激のsham刺激に対する優越性が報告された22)(II)。混合性尿失禁に対する携帯型の磁気刺激とsham 刺激の比較で,active 群のみで有意な排尿回数の減少,尿失禁の改善と尿流動態検査における改善がみられた23)(II)。腹圧性尿失禁における骨盤底筋訓練を併用したactive 刺激とsham 刺激との比較では,active群で有意にパッドテスト,QOL スコアの改善がみられたが,sham 刺激との群間で有意差をみたのは,骨盤底筋の収縮不全の症例におけるパッドテストの結果であった24)(II)。一方,過活動膀胱を対象としたsham刺激とのRCTでは,両者に有意差はみられなかったという報告もある25)(II)。
最近,本邦において,尿失禁治療薬が奏効しない,あるいは尿失禁治療薬を投与不能な成人女性過活動膀胱患者の尿失禁治療に対して磁気刺激装置が薬事承認を得た。大規模RCT において,1 週間あたりの平均尿失禁回数の変化量,1 回平均排尿量の変化量,尿意切迫感回数,IPSS-QOL スコアにおける優越性が報告されている(I)26)。なお,現在のところ保険収載はされていない(2013 年9 月現在)。
仙髄神経に対する磁気刺激のRCT として,Fujishiro らは,腹圧性尿失禁,過活動膀胱患者に5 秒/1 分の反復刺激で30 分間刺激することにより,尿流動態検査による急性効果を報告し,さらにRCT により刺激1 週間後の効果を比較検討し,sham刺激に比較して有意な症状の改善を報告した17,18)(II)。しかし,過活動膀胱を対象とした仙髄神経刺激装置におけるsham 刺激とのRCT では,両者に有意差はみられなかったという報告もある19)(II)。尿失禁の治療法としては,仙骨孔に長時間磁気コイルを固定して刺激することは困難であり,現在では椅子型の刺激装置による骨盤底の連続刺激を行うことが主流になっている。
椅子型の連続磁気刺激装置におけるRCT は,6 編みられた。Yamanishi らは,正常ボランティア10 例において尿流動態検査による尿道内圧の変化をsham 刺激と比較し,有意な上昇を報告した20)(II)。また,排尿筋過活動患者に対する効果を,電気刺激と磁気刺激により比較した結果,有意な膀胱容量の増加は両者とも認められたが,増加の程度や排尿筋過活動の消失や改善は,磁気刺激のほうが有意に大きかった21)(II)。
臨床的には,切迫性尿失禁におけるsham 刺激を対照としたクロスオーバー試験において,active刺激のsham刺激に対する優越性が報告された22)(II)。混合性尿失禁に対する携帯型の磁気刺激とsham 刺激の比較で,active 群のみで有意な排尿回数の減少,尿失禁の改善と尿流動態検査における改善がみられた23)(II)。腹圧性尿失禁における骨盤底筋訓練を併用したactive 刺激とsham 刺激との比較では,active群で有意にパッドテスト,QOL スコアの改善がみられたが,sham 刺激との群間で有意差をみたのは,骨盤底筋の収縮不全の症例におけるパッドテストの結果であった24)(II)。一方,過活動膀胱を対象としたsham刺激とのRCTでは,両者に有意差はみられなかったという報告もある25)(II)。
最近,本邦において,尿失禁治療薬が奏効しない,あるいは尿失禁治療薬を投与不能な成人女性過活動膀胱患者の尿失禁治療に対して磁気刺激装置が薬事承認を得た。大規模RCT において,1 週間あたりの平均尿失禁回数の変化量,1 回平均排尿量の変化量,尿意切迫感回数,IPSS-QOL スコアにおける優越性が報告されている(I)26)。なお,現在のところ保険収載はされていない(2013 年9 月現在)。
c.仙髄神経電気刺激法(sacral nerve stimulation: SNS)
本治療法に関するRCT 2 編と他1 編を引用した。
推奨グレード:保留(未承認)
長期効果も報告されているが,その侵襲性などから,2002 年以降のRCTの報告は陰部神経刺激(次項参照)との小規模RCT のみである(レベル3)。本邦では保険適応はない。
体内電気刺激装置を仙骨孔(通常はS3)に埋め込み,持続電気刺激することにより,排尿反射を抑制する方法である。仙髄神経電気刺激法は侵襲性が高いので,保存的治療が無効であった難治性切迫性尿失禁に適応がある。また,装置の埋め込みの適応を決定するために,通常,一時的に経皮的刺激(percutaneous nerve evaluation:PNE)でその効果を評価し,効果の期待できるものに対して永続的な埋め込み術を行う27,28)。主な合併症は,電極の移動,疼痛,感染などである。
神経因性膀胱における重度の排尿筋過活動に対し,仙髄に(Brindley 式)電極を埋め込み,仙髄後根神経切除術を同時に行う方法が報告されている。93 例の脊髄損傷に対するRCT では78%(治療群)対40%(対照)の有効率で,前者のうち63%は治療継続していた29)(II)。
神経因性膀胱における重度の排尿筋過活動に対し,仙髄に(Brindley 式)電極を埋め込み,仙髄後根神経切除術を同時に行う方法が報告されている。93 例の脊髄損傷に対するRCT では78%(治療群)対40%(対照)の有効率で,前者のうち63%は治療継続していた29)(II)。
d.経皮的脛骨神経刺激(percutaneous tibial nerve stimulation: PTNS)
本治療法に関するRCT 5 編を引用した。
推奨グレード:保留(未承認)
欧米では大規模RCT を含めた有効性を支持する根拠はある(レベル2)。
本邦では保険適応はない。
本邦では保険適応はない。
仙髄神経電気刺激法は刺激が確実であるが,侵襲的であり,表面電極(TENS)による電気刺激では神経刺激の部位が不確実であるという考えから,S3 領域の末梢神経,すなわち脛骨神経に直接針を挿入し,電気刺激する方法である。有効性は治癒または改善55〜68%と報告され,従来の電気刺激とほぼ同様である30-33)(I,II)。
経皮的脛骨神経刺激の過活動膀胱におけるRCT では,sham 刺激に比較して有意に過活動膀胱の改善が報告され30)(I),骨盤底筋訓練単独,抗コリン薬単独と経皮的脛骨神経刺激併用とのRCTでは,抗コリン薬と同等31)(II)あるいは経皮的脛骨神経刺激群で有意な改善が報告された32,33)(II)。
また,陰部神経に坐骨結節の側から針を挿入して植え込む方法(pudendal nerve stimulation: PNS)もあり,仙髄神経電気刺激法との交差比較試験で有意な効果も報告されている34)(II)。しかし,いずれの方法も本邦では未承認である。
経皮的脛骨神経刺激の過活動膀胱におけるRCT では,sham 刺激に比較して有意に過活動膀胱の改善が報告され30)(I),骨盤底筋訓練単独,抗コリン薬単独と経皮的脛骨神経刺激併用とのRCTでは,抗コリン薬と同等31)(II)あるいは経皮的脛骨神経刺激群で有意な改善が報告された32,33)(II)。
また,陰部神経に坐骨結節の側から針を挿入して植え込む方法(pudendal nerve stimulation: PNS)もあり,仙髄神経電気刺激法との交差比較試験で有意な効果も報告されている34)(II)。しかし,いずれの方法も本邦では未承認である。
参考文献 |
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5) その他の保存療法
Komesu らは,過活動膀胱女性20 例に対し,催眠療法(hypnotherapy)または行動療法を無作為に割り付け比較した結果,両者とも排尿回数,Overactive Bladder questionnaire Short Form(OAB-q SF)の苦痛スコアは有意に改善した。催眠療法では患者満足度は行動療法に比べ有意に改善したが,他のパラメータの改善は有意ではなかった1)(II)。
参考文献 |
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