(旧版)ED診療ガイドライン 2012年版
8 治療
7
陰茎プロステーシス挿入術
侵襲的かつ不可逆的な治療法であり,非侵襲的かつ可逆的な他の治療法が失敗に終わった器質的ED患者にのみ実施されるべきである。
〔推奨グレードB〕

プロステーシスの長期生着率は比較的高く,患者の満足度も高いが,日本では器具を個人輸入で購入しなければならないこと,手術自体も保険適応がなく高額であることから,本手術の経験豊富な施設/医師のもとで,十分なインフォームドコンセントが行われた後に施行されるべきである。
〔推奨グレードB〕

陰茎プロステーシスを手術によって陰茎海綿体に埋め込む方法である。日本では,2007年8月末まではノン・インフレータブル・タイプのAMS600TM とDuraII TM とインフレータブル・タイプのAMS700 CXMTM が入手可能であった。しかし,これらがすべて抗菌薬を表面にコートしたモデルに変更になった際に,規制当局が新たな臨床試験を課したが輸入業者はそれを行わなかったため,事実上,入手不能となっている。
最も問題となる感染率は,491名のインフレータブル・タイプのプロステーシス挿入を受けた患者を平均83カ月間フォローした研究によれば2.0%(10/491)であった73)。また,リスクファクターの存在によって感染率は上昇し,糖尿病を合併した患者では8%,脊髄損傷患者では9%,再手術例では10% と報告されている74)。しかし,抗菌薬をコートしたモデルでは以前のモデルと比較して,術後180日目で感染率が1.61% から0.68% に低下したと報告されている75)。
インフレータブル・タイプのAMS700 CXMTM の10年生着率は,380名のデータから74.9%(95% 信頼区間:69.2〜81.1%)と報告されている76)。やはりインフレータブル・タイプのAMS700 CXTM の10年生着率も,775名のデータから58.9%(95%信頼区間:52.2〜65.0%)と報告されている77)。また,インフレータブル・タイプのAMS700 CXTM の62名とノン・インフレータブル・タイプのAMS600-650TM の40名の患者を調査した結果,患者の満足度はそれぞれ97% と75%,パートナーの満足度はそれぞれ91% と75% で,患者/パートナーともにインフレータブル・タイプのほうが満足度は高かった78)。
最も問題となる感染率は,491名のインフレータブル・タイプのプロステーシス挿入を受けた患者を平均83カ月間フォローした研究によれば2.0%(10/491)であった73)。また,リスクファクターの存在によって感染率は上昇し,糖尿病を合併した患者では8%,脊髄損傷患者では9%,再手術例では10% と報告されている74)。しかし,抗菌薬をコートしたモデルでは以前のモデルと比較して,術後180日目で感染率が1.61% から0.68% に低下したと報告されている75)。
インフレータブル・タイプのAMS700 CXMTM の10年生着率は,380名のデータから74.9%(95% 信頼区間:69.2〜81.1%)と報告されている76)。やはりインフレータブル・タイプのAMS700 CXTM の10年生着率も,775名のデータから58.9%(95%信頼区間:52.2〜65.0%)と報告されている77)。また,インフレータブル・タイプのAMS700 CXTM の62名とノン・インフレータブル・タイプのAMS600-650TM の40名の患者を調査した結果,患者の満足度はそれぞれ97% と75%,パートナーの満足度はそれぞれ91% と75% で,患者/パートナーともにインフレータブル・タイプのほうが満足度は高かった78)。