(旧版)ED診療ガイドライン 2012年版
8 治療
6
陰茎海綿体注射
プロスタグランジンE1の陰茎海綿体注射は有効性が高い。最も注意すべき副作用は持続勃起症であり,すみやかな対処が求められる。ただ,わが国では検査法として承認されただけで,自己注射は臨床試験として行われる。
〔推奨グレードB〕

海外での有効率は全ED患者の70% 以上であり,満足率は患者の87〜93.5%,パートナーの86〜90.3% である60-62)。日本での報告例では,PGE1 テストとしての有効率はResponse III(硬度,持続ともに十分な勃起)が25.7〜59.6% であった63,64)。脊髄損傷患者に対するテストでは69% の有効性が示されている65)。また,PDE5阻害薬無効例に対するテストでは70.6〜77% が良好な反応を示している66,67)。
合併症は,陰茎痛が50% に認められるが,通常は軽微であり使用がためらわれるものではない41,68)。その他,線維化が2%,持続勃起症が1% に認められている69)。わが国においては,日本性機能学会による副作用調査の報告があり,疼痛が5%,鎮痛薬を必要とする疼痛は0.52% であった。動悸やほてりが0.07%,線維化は0%であった。6時間以上の持続勃起症が0.59%に認められている70)(持続勃起症の対処法に関しては9-4を参照のこと)。持続的に使用する場合の疼痛対策としては,炭酸水素ナトリウム(重曹)あるいは局所麻酔薬を併用する71,72)。
陰茎海綿体注射に用いる血管作動薬はPGE1 の単独療法が推奨される。パパべリンは陰茎海綿体注射に最初に用いられた血管作動薬であるが,線維化が11%,持続勃起症が6% に認められており,現在では使用は避けるよう勧告されている68)。PGE1 とパパべリンおよびフェントラミンのいわゆるtrimix は,PGE1 単独と比して50% vs 22% の反応率を示し有用であるが,やはり持続勃起症が5% と高率に認められている68)。Trimix による疼痛はPGE1 単独と比べて差は認められなかった68)。
(注)注射の方法と効果の評価方法については,7-2 図5,表7を参照のこと。
合併症は,陰茎痛が50% に認められるが,通常は軽微であり使用がためらわれるものではない41,68)。その他,線維化が2%,持続勃起症が1% に認められている69)。わが国においては,日本性機能学会による副作用調査の報告があり,疼痛が5%,鎮痛薬を必要とする疼痛は0.52% であった。動悸やほてりが0.07%,線維化は0%であった。6時間以上の持続勃起症が0.59%に認められている70)(持続勃起症の対処法に関しては9-4を参照のこと)。持続的に使用する場合の疼痛対策としては,炭酸水素ナトリウム(重曹)あるいは局所麻酔薬を併用する71,72)。
陰茎海綿体注射に用いる血管作動薬はPGE1 の単独療法が推奨される。パパべリンは陰茎海綿体注射に最初に用いられた血管作動薬であるが,線維化が11%,持続勃起症が6% に認められており,現在では使用は避けるよう勧告されている68)。PGE1 とパパべリンおよびフェントラミンのいわゆるtrimix は,PGE1 単独と比して50% vs 22% の反応率を示し有用であるが,やはり持続勃起症が5% と高率に認められている68)。Trimix による疼痛はPGE1 単独と比べて差は認められなかった68)。
(注)注射の方法と効果の評価方法については,7-2 図5,表7を参照のこと。