(旧版)ED診療ガイドライン 2012年版
4
EDのリスクファクター
2
喫煙
喫煙者ではEDの発症率が高い。EDの一次予防としてできるだけ喫煙しない(受動喫煙も含め)ことが推奨される。
〔推奨グレードB〕

禁煙のEDリスク減少効果は明白ではないが,喫煙している患者には禁煙を勧めることが望まれる。
〔推奨グレードC1〕

喫煙が血管内皮障害を引き起こすことはよく知られており,そのため喫煙が冠動脈疾患のリスクファクターであるのと同様に,喫煙が(海綿体や陰茎の血管の内皮障害を起こすことにより)EDの独立したリスクファクターであると考えられている10)。喫煙と海綿体動脈の閉塞性病変の程度に用量相関性があることが示されているし11),喫煙と夜間勃起現象の低下の間にも用量相関性があることが示されている12)。
疫学調査では,横断研究において喫煙者と非喫煙者のオッズ比が,オーストラリアの調査13)(喫煙者の定義:20本/日以上)では1.39(95% 信頼区間:1.05〜1.83,以下同じ),中国14)(20本/日以上)では1.47(1.00〜2.16),カナダ15)(喫煙者の定義:25〜50 package・年)では2.2(1.2〜3.9),ブラジル/マレーシア/イタリア/日本の4カ国での横断研究(2,417名,うち日本人は567名)16)ではヘビースモーカー(30本/日以上)で2.3(1.19〜4.49)であった。MMAS の縦断研究17)では,約9年間のフォローで喫煙者では非喫煙者の2倍の中等度ないし完全EDが発症している。またボストン地区の健康調査18)によれば,受動喫煙は,有意差はないものの,10〜19package・年の喫煙者に等しいオッズ比を示すという結果が出ている。
また,ペロニー病のリスクファクターでもある(「ペロニー病」項参照)。
禁煙の効果については,ヘビースモーカーのED患者に1カ月間禁煙させると,陰茎の膨張度と硬度がすみやかに有意に改善することを示した研究19)がある。一方,MMAS の縦断研究で,約9年間のフォロー中に禁煙した79名と喫煙を続けた78名とでEDの発症率に差がなかった20)。今後,多数例による長期の調査が望まれる。
疫学調査では,横断研究において喫煙者と非喫煙者のオッズ比が,オーストラリアの調査13)(喫煙者の定義:20本/日以上)では1.39(95% 信頼区間:1.05〜1.83,以下同じ),中国14)(20本/日以上)では1.47(1.00〜2.16),カナダ15)(喫煙者の定義:25〜50 package・年)では2.2(1.2〜3.9),ブラジル/マレーシア/イタリア/日本の4カ国での横断研究(2,417名,うち日本人は567名)16)ではヘビースモーカー(30本/日以上)で2.3(1.19〜4.49)であった。MMAS の縦断研究17)では,約9年間のフォローで喫煙者では非喫煙者の2倍の中等度ないし完全EDが発症している。またボストン地区の健康調査18)によれば,受動喫煙は,有意差はないものの,10〜19package・年の喫煙者に等しいオッズ比を示すという結果が出ている。
また,ペロニー病のリスクファクターでもある(「ペロニー病」項参照)。
禁煙の効果については,ヘビースモーカーのED患者に1カ月間禁煙させると,陰茎の膨張度と硬度がすみやかに有意に改善することを示した研究19)がある。一方,MMAS の縦断研究で,約9年間のフォロー中に禁煙した79名と喫煙を続けた78名とでEDの発症率に差がなかった20)。今後,多数例による長期の調査が望まれる。