(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011
7章 ケアおよび支援の体制
3.支援体制の現状と将来展望(友の会を中心に)
3.支援体制の現状と将来展望(友の会を中心に)
2.現在の患者会ができる支援の内容(患者・家族,あるいは医療側に対して)
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横浜本部の電話での相談は年間1000件あまりに上り,通算2万3000件となっている。四箇所の地方の支部でも相談窓口が開設され,地域に密着したアドバイスができるよう,ピアサポートとして支え合いを続けている。たとえば関西支部では2006年8月より相談を開始。相談数は通算約1100件,月に平均20件の相談が寄せられている。これまでの8年間の電話相談では,患者が自分で自分を追い詰め,堂々巡りやデプレスパイラルに陥っているケースが多いので,この支援は一定の役割を果たしていると考える。しかし患者の抱える困難は複雑に絡み合っており,専門的な訓練を受けていない我々のピアサポートには限界を感じる。今後は専門家による電話相談も必要なのではないだろうか。 |
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会報では随時,医療機関情報を掲載し,受診可能な病院を紹介しており,“上手な病院のかかり方”“日常生活の注意点”“リハビリ体操”なども特集している。電話やメール相談では様々な疑問,質問に可能な限りアドバイスを行い,治療を前向きに受ける姿勢を促している。会では独自のアンケート調査を行い,患者の生活の実態把握を進めており,まとめられた時点で医療者や行政機関への提供も考えている。 |
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各地で開催している医療講演会,交流会の効果は高く,患者や家族の啓蒙と仲間づくりに大きく貢献している。長年温めていて最近発行された“療養の手引き”も患者としての心得や,QOLを上げる方法を紹介しており,家族にさえわかってもらえない患者の問題を広く家族や友人に知ってもらう手立てともなっている。 |