(旧版)線維筋痛症診療ガイドライン 2011
2章 本邦線維筋痛症の臨床疫学像
6.線維筋痛症の重症度分類と総合的疾患活動性評価法
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一口に線維筋痛症といっても患者ごとに,時期によって,その病勢は異なるので,病勢の客観的評価法として,線維筋痛症の重症度分類(ステージ分類)試案が提案されている。すなわち,臨床症状の組み合わせや症状の強さからステージI〜Vに分類(表6)6)されており,本邦例では30%近くがステージIII以上であるとされている。 |
表6 ![]() ![]() |
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厚生労働省研究班西岡試案 3th GARN Abstract,K Nishioka,Arthritis Res 2003.
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線維筋痛症患者の疾患による健康への影響の総合的評価として,疾患特異的に開発されたものとしてFIQ(fibromyalgia impact questionnaire)があり,原語による整合性が検証されている日本語での翻訳版(J-FIQ)も出版7)されている。いずれのFIQも線維筋痛症患者のよい指標であると言われ,治療などの介入による効果を反映して評価が可能なことが特徴である。 |
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一方,米国リウマチ学会から線維筋痛症の診断基準が20年ぶりに改訂され,診断予備基準として提案されているが,この基準には診断基準のみならず線維筋痛症の病勢を数量(スコア)化した臨床徴候重症度も提案されており,重症度として0〜12のスコアで示される8)。 |