(旧版)不整脈の非薬物治療ガイドライン(2006年改訂版)
III.心臓ペースメーカー |
(7)小児におけるペーシング
先天性心疾患術後の高度・完全房室ブロック
Class I:
Class IIb:
- 回復の可能性のない,もしくは術後7日を過ぎても回復しない高度ないし完全房室ブロック
Class IIb:
- 一過性の完全房室ブロックで,2枝ブロックを合併する場合
小児ペースメーカー植込みの適応は先天性房室ブロック122,123,124,125)と先天性心疾患術後の房室ブロック126,127,128)である.小児の植込みには成人と異なる問題点がある.乳幼児に対しては心筋リードが,思春期以降には心内膜リードが一般的に用いられている129,130,131,132,133,134,135,136).この理由は1)小児では体の成長に伴い,相対的にリードが短縮し離脱の可能性があること.2)心内膜リードでは静脈の確保が困難なこと.3)先天性心疾患術後例で心内膜からの心室ペーシングが困難な場合があること,などが挙げられる.また心筋リードを用いる場合には,特にジェネレーター植込み部位に工夫が必要である.更に小児では,心拍数が多いため電池寿命が短くなるので,閾値を下げて寿命を延ばすためステロイドリードの使用なども考慮される.著明な徐脈の参考値は,1歳未満の乳児で心室拍数<50〜55/分,1〜6歳の幼児で心室拍数<50/分である.