(旧版)不整脈の非薬物治療ガイドライン(2006年改訂版)

 
III.心臓ペースメーカー

 
(6)閉塞性肥大型心筋症

Class I:
  1. 有意な圧較差があり,圧較差に基づく症状により生活の質の低下を来す閉塞性肥大型心筋症で,症状と圧較差が関連しており,薬物治療が無効か副作用のため使用不能か,手術療法が不適切な場合
Class IIa:なし

Class IIb:なし

Class III:
  1. 圧較差がなく,徐脈による植込み適応もない場合.

閉塞性肥大型心筋症に対するペースメーカー療法は1968年のGilgenkrantzら110),1975年のHassensteinら111)の報告に始まり,小規模な臨床経験があり112,113,114),1990年代に入り比較的大規模な報告がなされた115).本治療法は左室流出路狭窄による症状改善に有効であると報告され,その効果は流出路圧較差改善と相関すると考えられてきた.その後,Maronら116)はペースメーカー療法にはプラセボ効果が大きいとし,その治療効果は高齢者以外では十分ではないと報告した.一方,PIC(Pacing in Cardiomyopathy)試験では117),一時的ペーシングを行い 圧較差が悪化しない症例に対しペースメーカーを植込み,慢性ペーシングの有用性が支持されている.また一方で経皮経冠的心室中隔心筋壊死作成法(PTSMA)が保険収載され,古くから手術療法も行われているがこれらを比較検討した報告はない.しかしながら,これら侵襲的治療法に比べペースメーカー療法は安全性が高く,症例の選択と植込みを注意深く行うことにより,より有効性が得られるものであると思われ,PTSMA,手術を考慮する際にはペースメーカー植込みを先に考慮すべきである.ただし現時点では閉塞性肥大型心筋症に対する保険適用は認められていない.なお,有意とされる圧較差は,安静時30mmHg以上,または誘発される圧較差>50mmHgである28,114,116,117,118,119,120,121)(参考値).

 

 
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