(旧版)大腸癌治療ガイドライン医師用 2009年版
各論
3.再発大腸癌の治療方針
[再発大腸癌の治療方針] |
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・ | 再発大腸癌の治療目的は,予後向上とQOLの改善である。 | ||||
・ | 治療法には,手術療法,全身化学療法,動注化学療法,熱凝固療法,放射線療法などがある。 | ||||
・ | 期待される予後,合併症,治療後のQOLなどのさまざまな因子を考慮し,患者への十分なインフォームド・コンセントのもとに治療法を選択する。 | ||||
・ | 再発臓器が1臓器の場合,手術にて再発巣の完全切除が可能であれば積極的に切除を考慮する。 | ||||
・ | 再発臓器が2臓器以上の場合,それぞれが切除可能であれば切除を考慮してもよいが24),27),28),治療効果については統一見解は得られていない。 | ||||
・ | 肝あるいは肺転移に対して不顕性転移を除外するために一定の観察期間を置いてから切除を行うという見解がある29)。 | ||||
・ | 血行性転移に対する治療法(「4.血行性転移の治療方針」参照)。 | ||||
・ | 直腸癌局所再発には吻合部再発と骨盤内再発がある。
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コメント
[直腸癌局所再発] | |
(1) | 再発巣の進展範囲を画像診断にて評価し,再発形式や症状,身体的所見なども参考にして,完全切除が期待できる症例にのみ切除を考慮する。(CQ-6) |
(2) | 直腸癌局所再発のうち,吻合部再発や前方再発では完全切除が期待できることが多い30)。後方再発では,完全切除のためには仙骨合併切除が必要になることがあり,耐術能も十分考慮したうえで適応を決定する。 |
(3) | 延命効果や症状緩和を目的とした姑息的切除の有効性については議論が多く,慎重に検討すべきである31)。 |
(4) | 完全切除が期待できない場合,放射線療法と全身化学療法の単独あるいは併用療法を考慮する。 |