(旧版)大腸癌治療ガイドライン

 
II.治療法の種類と治療方針の解説

 
2.Stage IV大腸癌の治療方針
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(1) 遠隔転移の頻度を表に示す(表6)。
(2) 肝転移を伴う場合
 
転移巣が切除可能であれば,原発巣切除のうえ,肝転移巣切除を考慮する。
原発巣と肝転移巣との同時切除も行われるが,肝切除の難易度や患者の全身状態等により,異時肝切除も行われる。
(3) 肺転移を伴う場合
 
転移巣が切除可能であれば,原発巣切除のうえ,肺転移巣切除を考慮する。
原発巣切除後に改めて肺転移巣を切除する異時切除が一般的である。
(4) 腹膜播種を伴う場合
 
P1の場合には原発巣切除とともに完全切除が望ましい17)
P2で容易に切除可能なものは原発巣切除とともに完全切除を考慮する。
P3の切除効果は示されていない。
(5) 遠隔リンパ節転移を伴う場合
 
遠隔リンパ節転移の切除を考慮してよいが,明確な治療効果は示されていない18)
(6) その他の遠隔転移(骨,脳,副腎,脾,等)を伴う場合
 
これらの転移巣については切除の報告はあるが,生命予後への明確な効果は示されていない。
(7) 複数部位への遠隔転移を伴う場合
 
肺と肝への転移が代表的なものである。
原発巣と肝・肺転移巣の切除が安全かつ容易であれば,切除も考慮される19),20)
(8) 遠隔転移巣への切除以外の治療法
 
化学療法,放射線照射療法などが行われる。
(9) 遠隔転移巣切除後の補助療法
 
再発高危険群であり,化学療法が一般的に行われているが,その治療効果は確認されていない。

表6 大腸癌同時性遠隔転移頻度
表6 大腸癌同時性遠隔転移頻度
(大腸癌研究会・大腸癌全国登録 1995〜1998年度症例)

 

 
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