有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン

 
IV.結果

 
2. 検診方法の証拠

各検診方法別の検査の概要、直接的証拠、間接的証拠、不利益及びその他の要因は以下のとおりである。その他の要因としては、死亡率減少効果を示す研究から示された対象年齢や受診間隔に限定した。各検診方法に関する引用論文については、添付書類4のエビデンス・テーブルとして、その結果をまとめ、その詳細は各文献の構造化要約に示した。さらに、添付書類4のエビデンス・テーブルの結果に基づき、各検診方法別の証拠のレベルを判定した。証拠のレベルの判定は、AFの各段階の研究数をまとめ(表6)、直接的証拠(AF1)による判定を示し、さらに間接的証拠(AF2-8)を採用した場合には、その点を加え、最終的な証拠のレベルを決定した。

表6 肺がん検診の証拠のレベルと根拠となる研究
直接的証拠
検診方法 証拠のレベル
(最終判定)
直接的証拠(AF1)
方法 研究数
(文献数)
研究数 (採用文献数;採用文献番号)  判定 
有効(有意差あり) その他
非高危険群に対する胸部X線検査、及び高危険群に対する胸部X線検査と喀痰細胞診併用法 2+ 併用 11
(14)
6
CCS 4 (4;24.25.26.27)
複合 2 (2;30.31)
5
RCT 2 (5;17.18.19.22.23)
CCS 1(1;28)
地域相関 2(2;29.32)
有意差なし
2+
胸部X線 3
(3)
0 3
CCS 3 (3;33.34.35)
有意差なし
喀痰細胞診 3
(5)
0 3
RCT 2 (4;36.37.38.39)
CCS 1 (1;40)
有意差なし
低線量CT 2-   1
(2)
0 コホート 1 (2;60.61)
有意差なし
2-
 
間接的証拠
検診方法 間接的証拠(AF2〜9)
方法 AF4(精検共通)を除く
文献数(重複数含む)
AF2 AF3 AF4 AF5・6 AF7・8 その他 AF4(精検共通)
対象 検診精度 検診不利益 内科的治療 外科的治療 試行的研究 15
(76. 77. 78. 79. 80. 81. 82. 83. 84. 85. 86. 87. 88. 89. 90)
非高危険群に対する胸部X線検査、及び高危険群に対する胸部X線検査と喀痰細胞診併用法 併用 16 0 *3)
8(36. 41. 42. 43. 44. 45. 46. 47)
*1)
5(17. 18. 55. 56. 57)
0 *2)
3(46. 49. 50)
0
胸部X線 5 0 *4)
1(36)
4(51. 52. 53. 54) 0 0 0
喀痰細胞診 2 0 *5)
2(36. 48)
0 0 0 0
低線量CT   36 0 **1)
8
(58. 59. 60. 61. 62. 64. 68. 70)
**2)
20
被曝7(52. 54. 60. 69. 71. 72. 73)
過剰精査11(58. 59. 60. 61. 62. 63. 64. 65. 66. 68. 69)
過剰診断2(74. 75)
0 **3)
1(61)
9
(62. 63. 64. 65. 66. 67. 68. 69. 70)
括弧内は、文献番号、間接的証拠のうち、重複するものは斜体
RCT; Randomized Controlled Trial, CCS; Case-Control Study
直接的証拠の表に示した研究種類別の件数は、各研究の件数を示す。一つの研究で複数の文献が報告されているものがあり、文献数とは一致しない。
*1) 直接証拠と重複する論文は2文献ある(17.18)
*2) 精度と重複する論文は1文献ある(46)
*3) 直接証拠と重複する論文は1文献ある(36)
*4) 直接証拠と重複する論文は1文献ある(36)
*5) 直接証拠と重複する論文は1文献ある(36)
**1) 直接証拠と重複する論文は2文献ある(60.61)
**2) 胸部X線の間接的証拠、精度及び試行的研究と重複する論文は15文献ある(52.54.58.59.60.61.62.63.64.65.66.68.69)
**3) 直接証拠と重複する論文は1文献ある(61)

 

 
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