有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン
III.方法
本ガイドラインは、有効性評価に基づくがん検診ガイドライン作成手順9)に基づいて作成した。
1. 対象となる検診方法
検診の対象者は、無症状者であることが原則であり、有症状者や診療の対象となる者は該当しない。
肺がん検診は、肺がんの早期発見・早期治療を目的としたものである。検診の結果、結核や慢性閉塞性肺疾患など他の疾患が発見される場合もあるが、これらの疾患を発見するのは主たる目的ではなく、付随的な効果と考えられる。本ガイドラインでは、肺がんを標的疾患とし、その死亡率減少を目的としたものに限定して、肺がん検診と定義する。この評価の対象とした方法は、現在、わが国で主に行われている非高危険群に対する胸部X線検査、及び高危険群に対する胸部X線検査と喀痰細胞診併用法、低線量CT(Computed Tomography)である。胸部X線検査と喀痰細胞診の単独の有効性については、付随して検討を行った。通常線量によるCTに関しては、評価の対象としていない。