(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
ガイドライン各論

CQ8 スキンケア

予防ケア
【CQ 8.4】
非侵襲性人工呼吸器装着患者のフェイスマスク接触による褥瘡発生予防にどのようなスキンケアを行うとよいか

【推奨文】
ポリウレタンフィルムドレッシング材,ハイドロコロイドドレッシング材の貼付を行ってもよい。

【推奨度】 C1

【解説】
海外では非侵襲性人工呼吸器装着患者90名を,対照群と2つの介入群(ポリウレタンフィルムドレッシング材貼付群とハイドロコロイドドレッシング材貼付群)に分け,フェイスマスク接触部位のGrade I褥瘡発生率を比較した文献がある1)。結果は,褥瘡発生率が対照群96.7%,ポリウレタンフィルムドレッシング貼付群53.3%,ハイドロコロイドドレッシング材貼付群40%で,対照群とドレッシング貼付群の間には有意差が認められた(p<0.01)。
日本においても,非侵襲性人工呼吸器装着患者を対象にハイドロコロイドドレッシング材を貼付した症例報告が1編ある2)。皮膚とマスク接触面にハイドロコロイドドレッシング材を貼付すると,30例中2例の皮膚障害発生にとどまった。このように機器関連圧迫創が指摘されており,本ガイドラインでも考慮することとした。

【文献】
1) Weng MH:The effect of protective treatment in reducing pressure ulcers for non-invasive ventilation patients. Intensive Crit Care Nurs, 24(5):295-299, 2008.(レベルIII)
2) 田中深雪, 酒井透江:非侵襲的陽圧的換気療法のマスク装着による鼻部・頬部の褥瘡予防に関するケア板状皮膚保護材の使用による効果. 褥瘡会誌, 10(1): 35-38, 2008.(レベルV)


 

 
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