(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
ガイドライン各論

CQ5 リハビリテーション

【CQ 5.10】
骨突出部にマッサージをしてよいか

【推奨】
骨突出部へのマッサージは,行わないよう勧められる。

【推奨度】 D

【解説】
褥瘡ケアにおけるマッサージについての報告は,システマティック・レビューとランダム化比較試験の2編がある。システマティック・レビュー1)では,皮膚温,皮下血流量の改善について有効性を示唆しているが,統計学的な有意差はない。特に骨隆起部に対するマッサージは避けるべきであるという考えを支持する報告が多いと述べている。また,Bradenスケール20点以下の褥瘡ハイリスク者144例を対象にしたランダム化比較試験2)では,マッサージ時のクリームの効果を検証している。その結果,クリーム使用の有無や種類により褥瘡の発生率に差がなかった。さらに,WOCNのガイドライン3)においても「力強いマッサージは避けるべきである」とされている。以上のエビデンスを総合的に判断し,骨突出部へのマッサージは行わないよう勧められるので,推奨度はDとした。

【文献】
1) Duimel-Peeters IG, Halfens RJ, Berger MP, et al: The effects of massage as a method to prevent pressure ulcers. A review of the literature. Ostomy Wound Manage, 51(4):70-80, 2005.(レベルI)
2) Duimel-Peeters IG, JG Halfens R, Ambergen AW, et al:The effective of massage with and without dimethyl sulfoxide in preventing pressure ulcers:A randomized, double-blind cross-over trial in patients prone to pressure ulcers. Int J Nurs Stud, 44: 1285-1295, 2007.(レベルII)
3) Catherine R Ratliff:WOCNNs evidence based pressure ulcer guideline. Adv Skin Wound Care, 18(4): 204-208, 2005.


 

 
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