(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)
ガイドライン各論
CQ4 全身管理
【CQ 4.5】
感染を有する褥瘡に対して,抗菌薬の全身投与が必要なのはどのような時か
【推奨文】
進行する蜂窩織炎・骨髄炎,壊死性筋膜炎,菌血症,敗血症を示す理学的所見および検査データが得られた場合,抗菌薬の全身投与を考慮する。なお,局所感染徴候のみの場合,抗菌薬の全身投与は考慮しない。
【推奨度】 C1
感染を有する褥瘡に対して,抗菌薬の全身投与が必要なのはどのような時か
【推奨文】
進行する蜂窩織炎・骨髄炎,壊死性筋膜炎,菌血症,敗血症を示す理学的所見および検査データが得られた場合,抗菌薬の全身投与を考慮する。なお,局所感染徴候のみの場合,抗菌薬の全身投与は考慮しない。
【推奨度】 C1
【解説】
細菌感染を有する褥瘡のうち,抗菌薬の全身投与が必要な病態を検索した。しかし,抗菌薬の全身投与を行わないことは,医学的に明らかに有害であることから,抗菌薬の全身投与を行った場合と行わなかった場合の結果を比較した研究は存在しない。そこで,すでに公開されているガイドラインやレビュー論文を参考に推奨文を記載した。NPUAP/EPUAPガイドラインには,「血液培養陽性,蜂窩織炎,筋膜炎,骨髄炎,全身性炎症反応症候群,敗血症など全身感染の臨床所見の認められる患者には,(必要に応じて)抗菌薬の全身投与を行う。」と記載されており1),WOCNガイドラインにおいても「菌血症,敗血症,進行する蜂窩織炎,骨髄炎が発生した場合,抗菌薬の全身投与が正当化される。」と記載されている2)。また,臨床的観点からも,推奨文にあげた病態を示す理学的所見および検査データが得られた場合には,抗菌薬の全身投与を考慮することを推奨する。しかし,局所感染徴候のみの場合には,抗菌薬の全身投与を行うエビデンスはない。その場合の治療法については保存的治療や外科的治療の項目を参照されたい。
【文献】