(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
ガイドライン各論

CQ3 外科的治療

【CQ 3.3】
ポケットがある場合,外科的に切開やデブリードマンを行ってもよいか

【推奨文】
保存的治療を行っても改善しないポケットは,外科的に切開やデブリードマンを行ってもよい。

【推奨度】 C1

【解説】
ポケットを有する患者では,ポケット下の壊死組織の存在が疑われるため,保存的治療を行って改善しない場合,ポケットの切開を検討すべきである。ただし,全身状態に問題がなく出血傾向のないことを確認したうえで,止血のための器具を用意し,ポケット開放を行うべきである1)。褥瘡歴が長く,大きなポケット(DESIGN評価・P3以上)を有する患者では,ポケット切開を検討する2)。一方,小坂ら3)は手術前にポケット上の皮膚を損傷することは再建時に皮膚に緊張を生じることになるので,感染がなければポケットを温存するとしている。しかし手術を前提としない場合には,漫然と保存的治療を継続するのではなくポケット切開について検討しなければならない。

【文献】
1) Whitney J, Phillips L, Aslam R, et al:Guidelines for the treatment of pressure ulcers. Wound Repair Regen, 14(6):663-679, 2006.
2) 中村元信, 伊藤正嗣:褥瘡に対するSlide-swing Plasty の適用手術適応, 手術方法について. 褥瘡会誌, 2 (3):236-243, 2000.(レベルVI)
3) 小坂正明, 諸富公昭, 鈴木昌秀:穿通動脈皮弁を用いたポケットを有する仙骨部褥瘡の治療経験. 褥瘡会誌, 4(3):371-378, 2002.(レベルV)


 

 
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