(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
ガイドライン各論

CQ2 ドレッシング材

【CQ 2.11】
肉芽形成が不十分で臨界的定着が疑われる場合,どのようなドレッシング材を用いたらよいか

【推奨文】
銀含有ハイドロファイバー®,アルギン酸Agを用いてもよい。

【推奨度】 C1

【解説】
臨界的定着の徴候を評価して銀含有ハイドロファイバー®とその他のドレッシング材を用いて,治癒率や創の縮小について比較したシステマティック・レビューが1編1)ある。しかし,肉芽形成が不十分で臨界的定着が疑われる場合の褥瘡については結論が出されていない。システマティック・レビューのなかで検討されているランダム化比較試験2)において,創の縮小に有意な差がみられた(p=0.0019)が,褥瘡の対象者は8%と少なかった。また,銀含有アルギン酸塩を感染制御が必要な静脈性下腿潰瘍と褥瘡に使用したランダム化比較試験の文献が1編3)ある。臨界的定着あるいは感染リスク状態にある静脈性下腿潰瘍24例,褥瘡12例において銀含有アルギン酸/CMCと銀を含有しないアルギン酸/CMCを比較した。その結果,感染の増悪はなく,銀含有アルギン酸塩使用群の創面積が有意に縮小した(p=0.017)。ランダム化比較試験の結果であるが,対象褥瘡症例数が少ないことや肉芽形成については,いずれの論文にも言及されていないことから推奨度はC1とした。

【文献】
1) Beam JW:Topical silver for infected wounds. J Athl Train, 44(5):531-533, 2009.(レベルI)
2) Munter KC, Beele H, Russell L, et al:Effect of a sustained silver-releasing dressing on ulcers with delayed healing:the CONTOP study. J Wound Care, 15(5):199-206, 2006.(レベルII)
3) Beele H, Meuleneire F, Nahuys M, et al:A prospective randomized open label study to evaluate the potential of a new silver alginate/carboxymethylcellulose antimicrobial wound dressing to promote wound healing. Int Wound J, 7(4):262-270, 2010. (レベルII)


 

 
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