(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
ガイドライン各論

CQ1 外用剤

【CQ 1.11】
褥瘡に感染・炎症を伴う場合,どのような外用剤を用いたらよいか

【推奨文・推奨度】
感染抑制作用を有するカデキソマー・ヨウ素,スルファジアジン銀,ポビドンヨード・シュガーを推奨する。 [推奨度B]
フラジオマイシン硫酸塩・トリプシン,ポビドン ヨード,ヨウ素軟膏,ヨードホルムを用いてもよい。 [推奨度C1]

【解説】
カデキソマー・ヨウ素に関しては,デキストラノマーとのランダム化比較試験(60名)があり,観察項目である膿の量において改善率が有意に高かった(p<0.05)1)
スルファジアジン銀に関しては,プラセボとのランダム比較試験(77例)において,抗菌効果2)ありがおのおの64.7%,27%で有意差(p<0.01)が認められた。ポビドンヨード・シュガーに関しては,リゾチーム塩酸塩との非盲検ランダム化比較試験(141例)において,細菌感染の改善率3)がおのおの32.8%,14.8%で有意差(p<0.05)が認められた。一方フラジオマイシン硫酸塩・トリプシン,ポビドンヨード,ヨウ素軟膏,ヨードホルムについて症例報告はあるが,エビデンスは少ない。
以上より,明らかな感染兆候が認められるときは,感染抑制を目的としてカデキソマー・ヨウ素,スルファジアジン銀,ポビドンヨード・シュガーの使用を推奨する。フラジオマイシン硫酸塩・トリプシン,ポビドンヨード,ヨウ素軟膏,ヨードホルムについては日常の診療に用いてもよい。

【文献】
1) 石橋康正, 大河原章, 久木田淳, ほか:各種皮膚潰瘍に対するNI-009の臨床評価デブリサン(R)を対照薬とした群間比較試験. 臨医薬, 6(4):785-816, 1990. (レベルII)
2) 由良二郎, 安藤正英, 石川周, ほか:Silber sulfadiazine(T107)の褥瘡, 慢性皮膚潰瘍に対する臨床評価, 二重盲検法によるplaceboとの比較試験. CEMOTHERAPY, 32(4):208-222, 1984.(レベルII)
3) 今村貞夫, 内野治人, 井村裕夫, ほか:白糖・ポビドンヨード配合軟膏(KT-136;KT)の褥瘡に対する有用性の検討塩化リゾチーム軟膏(LO)を対照にした比較臨床試験. 薬理と治療, 17(Suppl.1):255-280, 1989.(レベルII)


 

 
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