(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
Clinical question(CQ)と推奨文の一覧

褥瘡予防・管理のアルゴリズム(前頁・図1)は,どのようなプロセスで対象者の褥瘡予防・管理計画を立案するかを示したものである。
以下の表にCQ(臨床上の疑問)とそれに対する推奨度・推奨文の一覧を示した。
 
保存的治療 外用剤
Clinical Question 推奨度 推奨文
CQ 1.1 急性期の褥瘡にはどのような外用剤を用いたらよいか C1 酸化亜鉛,ジメチルイソプロピルアズレン,白色ワセリンなどの創面保護効果の高い油脂性基剤の軟膏やスルファジアジン銀を用いてもよい。
CQ 1.2 深部損傷褥瘡(DTI)が疑われる場合,どのような外用剤を用い
たらよいか
C1 毎日の局所観察を怠らないようにし,酸化亜鉛,ジメチルイソプロピルアズレン,白色ワセリンなどの油脂性基剤の軟膏を用いてもよい。
CQ 1.3 発赤・紫斑にはどのような外用剤を用いたらよいか C1 創面の保護が大切であり,ジメチルイソプロピルアズレン,白色ワセリンを用いてもよい。
CQ 1.4 水疱にはどのような外用剤を用いたらよいか C1 創の保護目的に白色ワセリン,酸化亜鉛を用いてもよい。
CQ 1.5 びらん・浅い潰瘍にはどのような外用剤を用いたらよいか C1 酸化亜鉛,ジメチルプロピルアズレンを用いてもよい。上皮形成促進を期待してアルプロスタジルアルファデクス,ブクラデシンナトリウム,リゾチーム塩酸塩を用いてもよい。
CQ 1.6 疼痛を伴う場合に外用剤は有用か C2 疼痛改善に関して外用剤を用いることには根拠がない。
CQ 1.7 滲出液が多い場合,どのような外用剤を用いたらよいか B 滲出液吸収作用を有するカデキソマー・ヨウ素,ポビドンヨード・シュガーを推奨する。
C1 デキストラノマー,ヨウ素軟膏を用いてもよい。
CQ 1.8 滲出液が少ない場合,どのような外用剤を用いたらよいか C1 乳剤性基剤の軟膏を用い,感染創ではスルファジアジン銀,非感染創ではトレチノイントコフェリルを用いてもよい。
CQ 1.9 褥瘡の洗浄はどのように行えばよいか C1 十分な量の生理食塩水または水道水を用いて洗浄する。
CQ 1.10 褥瘡部消毒はどのようにしたらよいか C1 洗浄のみで十分であり通常は必要ないが,明らかな創部の感染を認め滲出液や膿苔が多いときには洗浄前に消毒を行ってもよい。
CQ 1.11 褥瘡に感染・炎症を伴う場合,どのような外用剤を用いたらよいか B 感染抑制作用を有するカデキソマー・ヨウ素,スルファジアジン銀,ポビドンヨード・シュガーを推奨する。
C1 フラジオマイシン硫酸塩・トリプシン,ポビドンヨード,ヨウ素軟膏,ヨードホルムを用いてもよい。
CQ 1.12 肉芽形成が不十分で肉芽形成を促進させる場合,どのような外用剤を用いたらよいか B 肉芽形成促進作用を有するアルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート,トラフェルミン,トレチノイントコフェリル,ポビドンヨード・シュガーを推奨する。
C1 アルプロスタジルアルファデクス,ブクラデシンナトリウム,リゾチーム塩酸塩を用いてもよい。
CQ 1.13 肉芽形成が不十分で臨界的定着が疑われる場合,どのような外用剤を用いたらよいか C1 抗菌作用を有するカデキソマー・ヨウ素,ポビドンヨード・シュガー,ヨウ素軟膏もしくはスルファジアジン銀を用いてもよい。
CQ 1.14 肉芽が十分に形成され創の縮小をはかる場合,どのような外用剤を用いたらよいか B 創の縮小作用を有するアルプロスタジルアルファデクス,アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート,トラフェルミン,ブクラデシンナトリウム,ポビドンヨード・シュガーを推奨する。
C1 酸化亜鉛,ジメチルプロピルアズレン,幼牛血液抽出物,リゾチーム塩酸塩を用いてもよい。
CQ 1.15 壊死組織がある場合,どのような外用剤を用いたらよいか C1 カデキソマー・ヨウ素,スルファジアジン銀,デキストラノマー,ブロメライン,ポビドンヨード・シュガーを用いてもよい。
CQ 1.16 ポケットを有する場合,どのような外用剤を用いたらよいか C1 ポケット内に壊死組織が残存する場合は,まず創面の清浄化を図る。また,滲出液が多ければポビドンヨード・シュガーを用いてもよい。滲出液が少なければトラフェルミン,トレチノイントコフェリルを用いてもよい。
 
保存的治療 ドレッシング材
Clinical Question 推奨度 推奨文
CQ 2.1 急性期の褥瘡にはどのようなドレッシング材を用いたらよいか C1 毎日の観察を怠らないようにし,創面保護を目的として,ポリウレタンフィルムや真皮に至る創傷用ドレッシング材の中でも貼付後も創が視認できるドレッシング材を用いてもよい。
CQ 2.2 深部損傷褥瘡(DTI)が疑われる場合,どのようなドレッシング材を用いたらよいか C1 毎日の局所観察を怠らないようにし,創面保護を目的として,ポリウレタンフィルムや真皮に至る創傷用ドレッシング材の中でも貼付後も創が視認できるドレッシング材を用いてもよい。
CQ 2.3 発赤・紫斑にはどのようなドレッシング材を用いたらよいか C1 創面保護を目的として,ポリウレタンフィルムを用いてもよい。また,真皮に至る創傷用ドレッシング材の中でも貼付後も創が視認できるドレッシング材を用いてもよい。
CQ 2.4 水疱にはどのようなドレッシング材を用いたらよいか C1 水疱は破らずそのままにし,創面保護を目的として,ポリウレタンフィルムを用いてもよい。また,真皮に至る創傷用ドレッシング材の中でも貼付後も創が視認できるドレッシング材を用いてもよい。
CQ 2.5 びらん・浅い潰瘍にはどのようなドレッシング材を用いたらよいか B 保険適用のある真皮に至る創傷用ドレッシング材のハイドロコロイドを用いることが勧められる。皮下組織に至る創傷用ドレッシング材のハイドロコロイドを用いてもよいが保険適用外である。
C1 保険適用のある真皮に至る創傷用ドレッシング材のハイドロジェル,ポリウレタンフォームのシートタイプ,アルギン酸フォーム,キチンを用いてもよい。皮下組織に至る創傷用ドレッシング材のハイドロジェル,ハイドロポリマー,ポリウレタンフォーム,ポリウレタンフォーム/ソフトシリコン,アルギン酸塩,キチンを選択肢として考慮してもよいが保険適用外である。
CQ 2.6 疼痛を伴う場合にドレッシング材は有用か C1 ドレッシング材には創部の疼痛を除去する効果はないが,創面を適切な湿潤環境に保つことで疼痛を緩和できる。ドレッシング材を交換する際には,痛みのアセスメントを十分に行い,ハイドロコロイド,ポリウレタンフォーム,ポリウレタンフォーム/ソフトシリコン,ハイドロファイバー®,キチン,ハイドロジェルを用いてもよい。
CQ 2.7 滲出液が多い場合,どのようなドレッシング材を用いたらよいか B 過剰な滲出液を吸収保持するポリウレタンフォームを用いることが勧められる。
C1 皮下組織に至る創傷用と筋・骨に至る創傷用ドレッシング材のアルギン酸/CMC,ポリウレタンフォーム/ソフトシリコン,アルギン酸塩,アルギン酸フォーム,キチン,ハイドロファイバー®,ハイドロポリマーを用いてもよい。
CQ 2.8 滲出液が少ない場合,どのようなドレッシング材を用いたらよいか B ハイドロコロイドを用いることが勧められる。
C1 ハイドロジェルを用いてもよい。
CQ 2.9 褥瘡に感染・炎症を伴う場合,どのようなドレッシング材を用いたらよいか C1 感染抑制作用を有する外用薬の使用を推奨する。もしくは,銀含有ハイドロファイバー®,アルギン酸Agを用いてもよい。
C2 滲出液が多い場合には吸収性の高いアルギン酸塩が用いられることもあるが,感染制御の機能はないため使用は勧められない。
CQ 2.10 肉芽形成が不十分で肉芽形成を促進させる場合,どのようなドレッシング材を用いたらよいか C1 アルギン酸塩,ハイドロコロイド,ハイドロポリマー,ポリウレタンフォーム,ポリウレタンフォーム/ソフトシリコン,キチン,ハイドロファイバー®を用いてもよい。
CQ 2.11 肉芽形成が不十分で臨界的定着が疑われる場合,どのようなドレッシング材を用いたらよいか C1 銀含有ハイドロファイバー® ,アルギン酸Agを用いてもよい。
CQ 2.12 肉芽が十分に形成され創の縮小をはかる場合,どのようなドレッシング材を用いたらよいか B 銀含有ハイドロファイバー®,アルギン酸Ag,アルギン酸塩を用いることが勧められる。
C1 ハイドロコロイド,ハイドロジェル,ハイドロポリマー,ポリウレタンフォーム,ポリウレタンフォーム/ソフトシリコン,アルギン酸フォーム,キチン,ハイドロファイバー®,アルギン酸/CMC を創からの滲出液の程度により選択し用いてもよい。
CQ 2.13 壊死組織がある場合,どのようなドレッシング材を用いたらよいか C1 外科的デブリードマン,壊死組織除去作用を有する外用薬の使用が難しい場合には,皮下組織に至る創傷用ドレッシング材のハイドロジェルを用いてもよい。
CQ 2.14 ポケットを有する場合,どのようなドレッシング材を用いたらよいか C1 ポケット内に壊死組織が残存する場合は,まず創面の清浄化を図る。滲出液が多い場合はアルギン酸塩,ハイドロファイバー®(銀含有製材を含む),アルギン酸Agを用いてもよい。
CQ 2.15 褥瘡治療に,いわゆるラップ療法は有効か C1 医療用として認可された創傷被覆材の継続使用が困難な在宅等の療養環境において使用することを考慮してもよい。ただし褥瘡の治療について十分な知識と経験を持った医師の責任のもとで,患者・家族に十分な説明をして同意を得たうえで実施すべきである。
 
外科的治療
Clinical Question 推奨度 推奨文
CQ 3.1 感染・炎症がある場合に外科的デブリードマンを行ってよいか C1 膿汁や悪臭,あるいは骨髄炎を伴う感染巣には,外科的デブリードマンを行ってもよい。
CQ 3.2 壊死組織がある場合に,外科的デブリードマンはいつ行うか C1 壊死組織と周囲の健常組織との境界が明瞭となった時期に外科的デブリードンを行ってもよい。
C1 感染が沈静化しているときに外科的デブリードマンを行ってもよい。
CQ 3.3 ポケットがある場合,外科的に切開やデブリードマンを行ってもよいか C1 保存的治療を行っても改善しないポケットは,外科的に切開やデブリードマンを行ってもよい。
CQ 3.4 どのような場合に外科的デブリードマンの適応となるか C1 保存的治療を優先するが,感染が鎮静化している時に,外科的デブリードマンを行ってもよい。
C1 深さが皮下組織以上に及ぶときには外科的デブリードマンを行ってもよい。
C1 外科的デブリードマンは局所の感染巣の局在,壊死組織の量および拡大範囲,創部の血行状態,痛みへの耐性に応じて適応を決定する。
CQ 3.5 どのような場合に外科的再建術の適応となるか C1 保存的治療に反応しない,皮下組織よりも深層に達した褥瘡に対して外科的再建術を行ってもよい。
C1 創の周囲組織が陳旧化・瘢痕化している場合には外科的再建術を行ってもよい。
C1 骨髄炎の治療として外科的切除・皮弁による外科的再建を行ってもよい。
CQ 3.6 特に有用性の高い外科的再建術があるか C1 外科的再建術に関してはさまざまな術式・閉鎖法が報告されている。一方,再建法ごとの治療成績については十分なエビデンスがなく,特定の再建術は支持されない。
CQ 3.7 肉芽組織が少ない場合には,どのような物理療法があるか C1 感染・壊死がコントロールされた創には陰圧閉鎖療法を行ってもよい。
 
全身管理
Clinical Question 推奨度 推奨文
発生予防
全身管理
CQ 4.1 褥瘡発生の危険因子として,どのような基礎疾患を考慮すればよいか C1 骨盤骨折,糖尿病,脳血管疾患,脊髄損傷などを考慮する。
CQ 4.2 低栄養患者の褥瘡予防には,どのような栄養介入を行うとよいか B 蛋白質・エネルギー低栄養状態(PEM)の患者に対して,疾患を考慮したうえで,高エネルギー,高蛋白質のサプリメントによる補給を行うことが勧められる。
CQ 4.3 経口摂取が不可能な患者の栄養補給はどのようにすればよいか C1 必要な栄養量を経腸栄養で補給するが,不可能な場合は静脈栄養による補給を行う。
CQ 4.4 褥瘡発生の危険因子となる低栄養状態を確認する指標には何があるか C1 炎症,脱水などがなければ血清アルブミン値を用いてもよい。
C1 体重減少率を用いてもよい。
C1 喫食率(食事摂取量)を用いてもよい。
C1 主観的包括的栄養評価(SGA)を用いてもよい。
C1 高齢者にはMNA®(mini nutritional assessment)を用いてもよい。
発生後
全身管理
CQ 4.5 感染を有する褥瘡に対して,抗菌薬の全身投与が必要なのはどのような時か C1 進行する蜂窩織炎・骨髄炎,壊死性筋膜炎,菌血症,敗血症を示す理学的所見および検査データが得られた場合,抗菌薬の全身投与を考慮する。なお,局所感染徴候のみの場合,抗菌薬の全身投与は考慮しない。
CQ 4.6 抗菌薬の全身投与が必要な感染褥瘡において,どのような抗菌薬の使用が適切か C1 すみやかに想定される起炎菌に適応した抗菌薬の投与を考慮し,感受性試験の結果に基づき,より適切な抗菌薬を投与する。
CQ 4.7 褥瘡治癒を遷延させる危険因子として,どのような基礎疾患を考慮すればよいか C1 悪性腫瘍,心血管疾患などを考慮する。
CQ 4.8 褥瘡患者には栄養評価を行ったほうがよいか C1 栄養評価を行い,必要な症例には栄養介入を行う。
CQ 4.9 褥瘡患者にはどのような栄養補給を行うのがよいか B 褥瘡治癒のための必要エネルギーとして,基礎エネルギー消費量(BEE)の1.5倍以上を補給することが勧められる。
B 必要量に見合った蛋白質を補給することが勧められる。
CQ 4.10 褥瘡患者に特定の栄養素を補給することは有効か C1 亜鉛、アルギニン、アスコルビン酸などが欠乏しないように補給してもよい。
CQ 4.11 褥瘡患者に対して栄養の専門職およびチームの介入は行ったほうがよいか C1 管理栄養士や栄養サポートチーム(NST)の介入を行ってもよい。
CQ 4.12 褥瘡患者の栄養補給の評価に体重を用いてもよいか B 浮腫,脱水がなければ,体重増加量を用いることが勧められる。
 
リハビリテーション
Clinical Question 推奨度 推奨文
発生予測 CQ 5.1 慢性期脊髄損傷者の褥瘡発生にはどのような要因があるか B 褥瘡の病歴がある場合,再発に注意することが勧められる。
発生前ケア CQ 5.2 脊髄損傷者の褥瘡予防にはどのような方法が有効か C1 接触圧を確認しながら指導してもよい。
CQ 5.3 高齢者の座位における褥瘡予防においては,どのようなクッションを用いるとよいか B 高齢者には脊髄損傷者に使用される体圧再分散クッションを使用することが勧められる。
CQ 5.4 連続座位時間を制限してもよいか B 自分で姿勢変換ができない高齢者は,連続座位時間の制限をしたほうがよい。
CQ 5.5 座位姿勢変換はどのくらいの間隔で行えばよいか C1 自分で姿勢変換ができる場合には,15 分ごとに姿勢変換を行ってもよい。
CQ 5.6 座位姿勢を考慮することは有効か C1 座位姿勢のアライメント,バランスなどを考慮してもよい。
CQ 5.7 円座を用いることは有効か D 円座は用いないよう勧められる。
CQ 5.8 筋萎縮に対して,どのような物理療法があるか C1 電気刺激療法を行ってもよい。
CQ 5.9 関節拘縮に対して,どのような運動療法があるか C1 他動運動を行ってもよい。
CQ 5.10 骨突出部にマッサージをしてよいか D 骨突出部へのマッサージは,行わないよう勧められる。
発生後ケア CQ 5.11 浅い褥瘡を有する患者では,車いす座位生活を維持するにはどのような方法があるか C1 適切な座位姿勢,クッションの選択,そして座位時間の制限を行ってもよい。
保存的
療法
CQ 5.12 感染を有する褥瘡に対して,どのような物理療法を行ったらよいか C1 水治療法を行ってもよい。
CQ 5.13 壊死組織を有する褥瘡に対して,どのような物理療法を行ったらよいか C1 水治療法ならびにパルス洗浄・吸引を行ってもよい。
CQ 5.14 創の縮小をはかる場合,どのような物理療法を行ったらよいか B 電気刺激療法が勧められる。
C1 近赤外線療法,超音波療法,電磁波刺激療法を行ってもよい。
 
発生予測
Clinical Question 推奨度 推奨文
CQ 6.1 褥瘡発生予測にリスクアセスメントを用いることは有効か B リスクアセスメント・スケールを使用することが勧められる。
CQ 6.2 一般的にはどのようなリスクアセスメント・スケールを用いるとよいか B ブレーデンスケールを使用することが勧められる。
CQ 6.3 高齢者には,どのような評価方法を用いるとよいか C1 褥瘡発生危険因子による評価を行ってもよい。
CQ 6.4 高齢者には,どのようなリスクアセスメント・スケールを用いるとよいか C1 寝たきり高齢者には,OH スケールを使用してもよい。
C1 寝たきり入院高齢者には,K 式スケールを使用してもよい。
CQ 6.5 小児の患者には,どのようなリスクアセスメント・スケールを用いるとよいか C1 ブレーデンQ スケールを使用してもよい。
CQ 6.6 脊髄損傷者には,どのようなリスクアセスメント・スケールを用いるとよいか C1 脊髄損傷褥瘡スケール(SCIPUS)を使用してもよい。
CQ 6.7 在宅療養者には,どのようなリスクアセスメント・スケールを用いるとよいか C1 在宅版褥瘡発生リスクアセスメント・スケールを使用してもよい。
 
皮膚の観察
Clinical Question 推奨度 推奨文
CQ 7.1 褥瘡の深達度を予測するにはどのような方法を行うとよいか C1 d1 の予後予測には二重紅斑(濃淡のある発赤),骨突出部から離れた位置の発赤サインの観察を行ってもよい。
C1 超音波画像診断法を行ってもよい。
C1 踵部褥瘡の深達度予測には足関節上腕血圧比(ABI)の測定を行ってもよい。
CQ 7.2 発赤・d1褥瘡を判別するにはどのような方法を行うとよいか C1 ガラス板圧診法,または指押し法を行ってもよい。
CQ 7.3 深部損傷褥瘡(DTI)を判別するにはどのような方法を行うとよいか C1 触診によって近接する組織と比較し,疼痛,硬結,泥のような浮遊感,皮膚温の変化(温かい・冷たい)を観察する方法を行ってもよい。
C1 超音波画像診断法を行ってもよい。
スキンケア
Clinical Question 推奨度 推奨文
予防ケア CQ 8.1 尿・便失禁がある場合,褥瘡発生予防にどのようなスキンケアを行うとよいか C1 洗浄剤による洗浄後に,褥瘡周囲皮膚への皮膚保護クリーム等の塗布を行ってもよい。
CQ 8.2 高齢者の骨突出部位の褥瘡発生予防に,どのようなスキンケアを行うとよいか B ポリウレタンフィルムドレッシング材,すべり機能つきドレッシング材の貼付を勧める。
CQ 8.3 仰臥位手術患者の場合,褥瘡発生予防にどのようなスキンケアを行うとよいか C1 仙骨部にポリウレタンフィルムドレッシング材の貼付を行ってもよい。
CQ 8.4 非侵襲性人工呼吸器装着患者のフェイスマスク接触による褥瘡発生予防にどのようなスキンケアを行うとよいか C1 ポリウレタンフィルムドレッシング材,ハイドロコロイドドレッシング材の貼付を行ってもよい。
発生後ケア CQ 8.5 褥瘡治癒促進のために,褥瘡周囲皮膚の洗浄は有効か C1 弱酸性洗浄剤による洗浄を行ってもよい。
CQ 8.6 尿・便失禁がある場合,褥瘡治癒促進のためにどのようなスキンケアを行うとよいか C1 洗浄剤による洗浄後に,肛門・外陰部から周囲皮膚へ皮膚保護のためのクリーム等の塗布を行ってもよい。
体位変換・ポジショニング
Clinical Question 推奨度 推奨文
予防ケア CQ 9.1 ベッド上では,何時間ごとの体位変換が褥瘡予防に有効か C1 基本的に2時間ごとの(2時間を超えない)体位変換を行ってもよい。
CQ 9.2 体圧分散マットレスを使用する場合,何時間ごとの体位変換が褥瘡予防に有効か C1 粘弾性フォームマットレスを使用する場合には,体位変換間隔は4時間を超えない範囲で行ってもよい。
C1 上敷二層式エアマットレスを使用する場合には,体位変換間隔は4時間を超えない範囲で行ってもよい。
CQ 9.3 ベッド上の体位変換では,どのようなポジショニングが褥瘡予防に有効か C1 30度側臥位,90度側臥位ともに行ってもよい。
CQ 9.4 重症集中ケアを必要とする患者にはどのような体位変換が褥瘡予防に有効か
C1 ローリング機能付き特殊ベッドによる体位変換を行ってもよい。
発生後ケア CQ 9.5 臀部の褥瘡を保有する患者には,どのようなポジショニングが褥瘡治癒促進に有効か C1 30度側臥位・頭部挙上位以外のポジショニングを行ってもよい。
 
体圧分散用具
Clinical Question 推奨度 推奨文
予防ケア CQ 10.1 褥瘡発生率を低下させるために体圧分散マットレスを使用することは有効か A 褥瘡発生率を低下させるために体圧分散マットレスを使用するよう強く勧められる。
CQ 10.2 自力で体位変換できない人にどのような体圧分散マットレスを使用すると褥瘡予防に有効か B 圧切替型エアマットレスを使用するよう勧められる。
C1 交換フォームマットレスを使用してもよい。
CQ 10.3 高齢者にどのような体圧分散マットレスを使用すると褥瘡予防に有効か B 二層式エアマットレスを使用するよう勧められる。
C1 圧切替型エアマットレス,上敷静止型エアマットレス,フォームマットレスを使用してもよい。
CQ 10.4 集中ケアを受ける患者にどのような体圧分散マットレスを使用すると褥瘡予防に有効か B 低圧保持用エアマットレスを使用するよう勧められる。
C1 ローエアロスベッド,上敷圧切替型エアマットレス,交換静止型エアマットレスを使用してもよい。
CQ 10.5 周術期にどのような体圧分散マットレスや用具を使用すると褥瘡予防に有効か B 褥瘡発生リスクがある患者には,手術台に体圧分散マットレスや用具を使用するよう勧められる。
B 術中に,マットレス以外に踵骨部,肘部などの突出部にゲルまたは粘弾性パッドを使用するよう勧められる。
C1 術中・後に,圧切替型エアマットレスを使用してもよい。
C1 大腿骨頸部骨折手術を受ける患者には,術中にビーズベッドシステムを使用してもよい。
C1 心臓外科手術を受ける患者には,術中に体温動作付粘弾性フォームを使用してもよい。
CQ 10.6 在宅療養者にどのような体圧分散マットレスを使用すると介護者の負担軽減に有効か C1 自動体位変換機能付エアマットレスを使用してもよい。
CQ 10.7 寝心地度や快適さのためには,どのような体圧分散マットレスを使用すると有効か B 交換圧切替型エアマットレスを使用するよう勧められる。
C1 終末期患者にはマット内圧自動調整機能付交換圧切替型エアマットレスを使用してもよい。
CQ 10.8 ウレタンフォームマットレスを管理するうえで注意すべき点はあるか C1 マットレスの劣化の程度を確認する。
発生後ケア CQ 10.9 褥瘡(d1,d2,あるいはD3〜D5)の治癒促進には,どのような体圧分散マットレスを使用するとよいか A D3〜D5 褥瘡または複数部位の褥瘡の治癒促進には,空気流動型ベッドまたはローエアロスベッドを使用するよう強く勧められる。
C1 d2 以上の褥瘡の治癒促進には,マット内圧自動調整機能付交換圧切替型エアマットレス,圧切替型ラージエアセルマットレス,二層式エアマットレス,低圧保持用エアマットレスを使用してもよい。
C1 d1/2 褥瘡の治癒促進には,上敷静止型エアマットレスを使用してもよい。
C1 褥瘡皮弁術後には,マット内圧自動調整機能付交換圧切替型エアマットレスを使用してもよい。
 
患者教育
Clinical Question 推奨度 推奨文
予防ケア CQ 11.1 褥瘡発生,再発を予防するために患者やその家族(介護者)へ指導・教育をどのように行えばよいか C1 体位変換方法,予防具の種類や使用方法に関する指導・教育を行ってもよい。
C1 医療者による定期的な電話コンサルテーションや遠隔操作での画像を介しての皮膚アセスメントを行ってもよい。
C1 医療者からのeラーニングによる教育を行ってもよい。
C1 褥瘡の病態,危険因子,褥瘡評価,創傷治癒の原則,栄養管理方法,スキンケアと皮膚観察方法,排泄管理方法に関する内容の指導・教育を行ってもよい。
発生後ケア CQ 11.2 褥瘡がすでに発生している場合は,患者やその家族(介護者)にケア指導・教育をどのように行えばよいか C1 褥瘡が悪化した際,医療機関への連絡方法に関する情報提供を行ってもよい。
 
アウトカムマネジメント
Clinical Question 推奨度 推奨文
CQ 12.1 褥瘡予防に,病院ではどのような対策が有効か A ブレーデンスケールによるアルゴリズムを用いた体圧分散マットレスの選択が強く勧められる。
C1 OHスケールによるアルゴリズムを用いて体圧分散マットレスを選択する。
C1 多職種で構成する褥瘡対策チームを設置する。
C1 皮膚・排泄ケア認定看護師を配置する。
C1 褥瘡ハイリスク患者ケア加算を導入する。
C1 包括的なプログラムやプロトコールを用いる。
CQ 12.2 褥瘡予防に,長期ケア施設ではどのような対策が有効か C1 包括的なプログラムやプロトコールを用いる。
C1 ブレーデンスケールによるアルゴリズムを用いて褥瘡予防ケアを選択する。
CQ 12.3 褥瘡の治癒促進に,病院ではどのような対策が有効か C1 多職種で構成する褥瘡対策チームを設置する。
C1 褥瘡ハイリスク患者ケア加算を導入する。
C1 皮膚・排泄ケア認定看護師を配置する。
CQ 12.4 褥瘡の治癒促進に,長期ケア施設ではどのような対策が有効か B 多職種で構成する褥瘡対策チームを設置することが勧められる。
C1 包括的なプログラムやプロトコールを用いる。
 
QOL・疼痛
Clinical Question 推奨度 推奨文
CQ 13.1 褥瘡を持つ患者のQOL をどのように評価するとよいか C1 身体的影響,心理的影響,社会的影響などを評価してもよい。
CQ 13.2 どのような褥瘡に痛みの評価を行うとよいか C1 すべてのステージの褥瘡において評価してもよい。
CQ 13.3 褥瘡の痛みの評価はいつ行うとよいか C1 処置時および処置以外の時に評価してもよい。
CQ 13.4 褥瘡の痛みは何を用いて評価するとよいか C1 疼痛評価スケールを用いて評価してもよい。



 

 
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