(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン

 
第3章 褥瘡の治療


慢性期褥瘡の局所治療 Clinical Questions
深い褥瘡(D)の場合
2.Gをgにする 肉芽形成の促進


CQ1 どのような外用薬を用いたらよいか

推奨

A.アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート
【エビデンスレベル】
肉芽形成促進作用を検討した論文には、幼牛血液抽出物含有軟膏とのランダム化比較試験が1編1あり、対照群に比べ有意差をもって同等以上であった。また、エビデンスレベルIIとなるが、薬剤の色もしくは性状から判別できるので非盲検のランダム化比較試験である。

【解説】
  • 血管新生促進作用、創面の乾燥化促進作用、肉芽形成促進作用、表皮再生促進作用、創面縮小作用を有する2
  • 肉芽形成作用を期待して用いる。また、皮膚への刺激性はほとんどないので使いやすい。
  • 散剤基剤の滲出液減少効果は弱い3ので、滲出液の多いときは避ける。

【参考文献】
1. 水谷 弘,他.褥創に対する外用アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート散剤(ISP)の臨床効果―ソルコセリル軟膏との比較試験―.臨と研.1982;59:2097-112.
2. 布川和永,他.ラット実験的褥瘡モデルの確立に関する研究―外用Aluminum Chlorohydroxy Allantoinate散剤の褥瘡治療効果.応用薬理.1982;23:999-1011.
3. 野町昭三郎,大谷 清,木村哲彦.外用アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート散剤(ISP)の臨床評価 褥瘡に対するInactive Placeboとの多施設二重盲検試験成績.薬理と治療.1982;10(10):5793-812.



B.トレチノイントコフェリル
【エビデンスレベル】
肉芽形成促進作用を検討した論文には、塩化リゾチーム、ベンダザック含有軟膏とのランダム化比較試験が2編12あり、対照群との有意差を認めている。また、エビデンスレベルIIとなるが、薬剤の色もしくは性状から判別できるので非盲検のランダム化比較試験である。

【解説】
  • 線維芽細胞の遊走能亢進作用、細胞遊走促進作用、細胞増殖促進作用などにより、肉芽形成促進作用および血管新生促進作用を発揮する3456
  • マクロファージ、線維芽細胞の遊走能を亢進する3
  • 水分を70%含む乳剤性基剤を用いるため、滲出液や創面水分量の多いときは、創面に浮腫などを起こしやすい。
  • 肉芽形成促進作用は強いが、外用薬が黄色調のため感染とまぎらわしい。

【参考文献】
1. L-300臨床試験研究班.L-300軟膏(L)の皮膚潰瘍に対する臨床評価Controlled Comparative Studyによる塩化リゾチーム軟膏との比較.臨床医薬.1991;7(3):645-65.
2. L-300臨床試験研究班.L-300軟膏の皮膚潰瘍に対する臨床的有用性の検討 ベンダザック軟膏を対照薬としたControlled Comparative Study.臨床医薬.1991;7(2):437-56.
3. 浜田浩之,佐京かつふみ,田中 博,他.細胞遊走活性に及ぼすTocoretinateの影響.応用薬理.1992;43(2):97-102.
4. 佐京かつふみ,石川智一,西木克侑,他.Tocoretinateの肉芽形成促進作用および血管新生促進作用.応用薬理.1992;43(2):87-95.
5. 佐京かつふみ,大塚紀子,浜田浩之,他.正常ヒト皮膚線維芽細胞の増殖に及ぼすTocoretinateの影響.応用薬理.1992;43(2):103-10.
6. 佐京かつふみ,石川智一,益川善和,他.ラット皮膚熱傷,欠損傷および切傷に対するTocoretinate軟膏の効果.応用薬理.1992;43(2):121-7.



C.塩化リゾチーム
【エビデンスレベル】
ベンダザック含有軟膏、ポビドンヨード・シュガーあるいはポビドンヨード・シュガーを配合した塩化リゾチームとのランダム化比較試験が3編123あり、エビデンスレベルIIとなる。しかし、肉芽形成促進作用について報告している文献23では有意差検定を行っていない。また、薬剤の色もしくは性状から判別できるので非盲検のランダム化比較試験である。

【解説】
  • 表皮細胞の増殖促進作用と線維芽細胞の増殖促進作用を有する。また、ムコ多糖合成を刺激することで、創傷治癒を促進する4567
  • 肉芽形成作用を期待して用いる。また、皮膚への刺激性はほとんどないが、卵白アレルギー患者には注意する。
  • 水分を23%含む乳剤性基剤を用いているため、滲出液の多いときは使用を控える。

【参考文献】
1. KH-101研究班.KH-101軟膏(リフラップ軟膏)の皮膚潰瘍に対する治療効果の検討Well-Controlled Comparative Studyの新解析.西日本皮膚科.1986;48(3):553-62.
2. リフラップ軟膏他剤配合臨床研究班.褥瘡に対するリフラップ軟膏とポビドンヨード・シュガー軟膏及びポビドンヨード・シュガー軟膏配合リフラップ軟膏の臨床効果の比較検討.皮膚.1990;32(4):564-73.
3. リフラップ軟膏他剤配合臨床研究班.リフラップ軟膏とポビドンヨード・シュガー軟膏及びポビドンヨード・シュガー配合リフラップ軟膏の褥瘡に対する治療効果の比較検討.皮膚.1990;32(4):547-63.
4. 石田寛友,井上 肇,河辺邦昭,他.塩化リゾチームのヘアレスラット表皮細胞の増殖に及ぼす影響と作用機序に関する検討.日本形成外科学会会誌.1989;9(4):326-35.
5. Brendolan S. Lysozyme's effect on the healing process of experimental wounds. Proc 2nd Inter Symp on Fleming's lysozyme,Milano. 1961;II(IX)51-63.
6. 高橋信博,向尾正昭.リゾチームの正常ヒト皮膚線維芽細胞に対する作用.基礎と臨床.1984;18(12):6306-11.
7. 高橋信博,深沢一也,川越清隆.KH-101軟膏(リフラップ(R)軟膏)の実験的創傷治癒に対する効果.基礎と臨床.1984;18(12):6312-18.



D.トラフェルミン
【エビデンスレベル】
創の縮小作用に関するポビドンヨード・シュガー、GM-CSF、あるいは、低濃度のFGFとのランダム化比較試験123はあるが、褥瘡の肉芽形成促進についての結果はなかった。しかし、非ランダム化比較試験1編4では、対照群と比較し有意な肉芽形成促進作用を認めており、エビデンスレベルIIIとなる。

【解説】
  • FGF自体による血管新生作用や肉芽形成促進作用等によって創傷治癒を促進する567。さらには、創傷局所で炎症細胞を動員するとともに、TGF-βなどの成長因子を発現する8
  • 深い創底やポケットを有する褥瘡に用いる場合には、死腔を埋め湿潤を保持するために他の外用薬やドレッシング材などを併用するとよい。
  • 噴霧時はFGFの効果を減弱させないように必ず消毒薬を洗浄・除去する。また、噴霧後はFGF受容体に結合するまでの約30秒間はポビドンヨードなどの消毒薬と接触を避ける。
  • 創傷治癒効果は強いが、スプレータイプのため単剤では創部の湿潤環境を維持しにくい。
  • 調製が煩雑であり、溶解後2週間以内に使用などの制限がある。

【参考文献】
1. 石橋康正,添田周吾,大浦武彦,他.遺伝子組み換えヒト型bFGF(KCB-1)の皮膚潰瘍に対する臨床評価 白糖・ポビドンヨード配合製剤を対照薬とした第III相臨床試験.臨床医薬.1996;12(10):2159-89.
2. Robson MC, Hill DP, Smith PD, Wang X, Meyer-Siegler K, Ko F, VandeBerg JS, Payne WG, Ochs D, Robson LE. Sequential cytokine therapy for pressure ulcers: clinical and mechanistic response. Ann Surg. 2000;231(4):600-11.
3. 石橋康正,添田周吾,大浦武彦,他.bFGF(KCB-1)の各種難治性皮膚潰瘍に対する臨床効果 二重盲検比較試験による用量反応試験.臨床医薬.1996;12(9):1809-34.
4. 大浦武彦,中條俊夫,森口隆彦,岡 博昭,稲川喜一,館 正弘,野上玲子,村山志津子.bFGF製剤の褥瘡に対する臨床効果の検討 新評価法による症例・対照研究.日本褥瘡学会誌.2004;6(1):23-34.
5. Okumura M, Okuda T, Nakamura T, Yajima M. Acceleration of wound healing in diabetic mice by basic fibroblast growth factor. Biol Pharm Bull. 1996;19(4):530-5.
6. Okumura M, Okuda T, Okamoto T, Nakamura T, Yajima M. Enhanced angiogenesis and granulation tissue formation by basic fibroblast growth factor in healing-impaired animals. Arzneimittelforschung. 1996;46(10):1021-6.
7. Okumura M, Okuda T, Nakamura T, Yajima M. Effect of basic fibroblast growth factor on wound healing in healing-impaired animal models. Arzneimittelforschung. 1996;46(5):547-51.
8. Tanaka E, Ase K, Okuda T, Okumura M, Nogimori K. Mechanism of acceleration of wound healing by basic fibroblast growth factor in genetically diabetic mice. Biol Pharm Bull. 1996;19(9):1141-8.



E.ブクラデシンナトリウム
【エビデンスレベル】
肉芽形成促進作用に関する論文には、塩化リゾチーム、基剤のマクロゴールとのランダム化比較試験が2編12あるが、褥瘡については記載がない。しかし、対照群のない非ランダム化比較試験3編345では、肉芽形成促進作用を認めており、エビデンスレベルIIIとなる。

【解説】
  • 局所血流改善作用、血管新生促進作用、肉芽形成促進作用、表皮形成促進作用などにより創傷治癒を促進する6789
  • IL6、TGF-αなどのサイトカインの分泌合成を高めて細胞増殖を惹起する10
  • 創傷での潰瘍縮小・治癒促進作用による創傷の収縮作用を有するという報告もある1112
  • 吸水性をもつマクロゴールを基剤として用いるため、滲出液等の減少により創面が乾燥しやすい。
  • 肉芽形成促進作用は強いが、使用に際しその特異臭が気になることがある。

【参考文献】
1. 新村真人,石橋康正,今村貞夫,他.DT-5621(DT)の褥瘡・皮膚潰瘍に対する臨床効果  塩化リゾチーム軟膏(LY)との無作為割付け群間比較試験.臨床医薬.1991;7(3):677-92.
2. 新村真人,山本桂三,岸本三郎,他.褥瘡・皮膚潰瘍に対するDT-5621(ジブチリルサイクリックAMP含有軟膏)の臨床効果検討 基剤(マクロゴール)を対照とした二重盲検比較試験.薬理と治療.1990;18(7):2757-70.
3. 松村都江,海老原全,中山秀夫.アクトシン軟膏の褥瘡,皮膚潰瘍に対する臨床的有用性の検討.西日本皮膚科.1998;60(1):79-87.
4. 川原 繁,竹原和彦.アクトシン軟膏の褥瘡における長期(16週)観察下の有効性と安全性の検討 北陸地区における成績.西日本皮膚科.2000;62(4):540-7.
5. 沖縄地区褥瘡治療研究会.アクトシン軟膏の褥瘡における長期(16週)観察下の有効性と安全性の検討.西日本皮膚科.2000;62(5):672-8.
6. 岡田忠彦,小屋和子.ブクラデシンNa含有軟膏の創傷後血管再構築に対する影響 鋳型血管法による検討.皮膚科紀要.1990;85(1):119-27.
7. 増沢幹男,大川 司,藤村響男,他.DBcAMPのヒト皮膚微小血管内皮細胞に対する細胞増殖作用の検討.皮膚科紀要.1990;85(3):453-6.
8. Falanga V, et al. Dibutyryl cyclic AMP by itself or in combination with growth factors can stimulate or inhibit growth of human keratinocytes and dermal fi broblasts. Wounds. 1991;3:70-8.
9. Iwasaki T, Chen JD, Kim JP, Wynn KC, Woodley DT. Dibutyryl cyclic AMP modulates keratinocyte migration without alteration of integrin expression. J Invest Dermatol. 1994;102(6):891-7.
10. Zhou LJ, Ono I. Stimulatory effects of dibutyryl cyclic adenosine monophosphate on cytokine production by keratinocytes and fibroblasts. Br J Dermatol. 2000;143(3):506-12.
11. 笠井義男,田村 清.DT-5621(ジブチリルサイクリックAMP含有軟膏)のラット皮膚熱傷創に対する効果 背部皮膚と腹部皮膚との比較.薬理と治療.1990;18:2919-24.
12. 岩崎利郎,小野承行,山口和政,他.加齢・低蛋白食負荷ラットの欠損創に対するDT-5621の治療効果.皮膚科紀要.1990;85(1):161-8.



F.プロスタグランジンE1
【エビデンスレベル】
創の縮小作用に関する塩化リゾチームとのランダム化比較試験1はあるが、エキスパートオピニオン以外に肉芽形成促進作用を検討した論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 皮膚血流増加作用、血管新生促進作用、表皮形成促進作用により創傷治癒を促進する234
  • 角化細胞と線維芽細胞に作用する23
  • 線維芽細胞からのIL6を増加させることで、さらに角化細胞に作用する56
  • 油脂性基剤が用いられている。
  • 血流改善作用が強い反面、局所の刺激作用がある。

【参考文献】
1. 今村貞夫,相模成一郎,石橋康正,他.G-511軟膏の褥瘡・皮膚潰瘍に対する臨床試験 塩化リゾチーム軟膏を対照とした電話法による無作為割付け比較試験.臨床医薬.1994;10(1):127-47.
2. Matsumoto R, Shiroya T, Naka M, Omawari N, Shinomiya K, Fujitani B, Aishita H. Effect of OP-41483.alpha-CD, a prostacyclin analog, on a clamp-induced endothelial injury in rats. Life Sci. 1993;53(11):893-900.
3. Yuzuriha S, et al. Topical application of prostaglandin E1 ointment to cutaneous wounds in ischemic rabbit ears. Eur J Plast Surg. 1999;22:225-9.
4. 白地孝光,松本亮二,松本範人,他.各種実験的創傷モデルにおけるプロスタグランディンE1・α-シクロデキストリン包接化合物(PGE1・CD)含有軟膏の効果.西日本皮膚科.1994;56(3):499-507.
5. Zhang JZ, Maruyama K, Iwatsuki K, Ono I, Kaneko F. Effects of prostaglandin E1 on human keratinocytes and dermal fibroblasts: a possible mechanism for the healing of skin ulcers. Exp Dermatol. 1994;3(4):164-70.
6. 小野一郎,他.Prostaglandinの創傷治癒促進効果の発現機序についての研究.Progress in Medicine. 1994;14(9):2506-8.



G.幼牛血液抽出物
【エビデンスレベル】
褥瘡治療に関する対照群なしの非ランダム化比較試験は1編1あるが、エキスパートオピニオン以外に肉芽形成促進作用を検討した論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 組織機能を賦活し、線維芽細胞増殖を促進することで、肉芽形成、血管再生を促進して創傷の治癒を速めるとされる2345
  • 肉芽形成促進作用を期待して用いる。また、皮膚への刺激性はほとんどないので使いやすい。
  • 水分を25%含む乳剤性基剤を用いているため、滲出液の多いときは使用を控える。

【参考文献】
1. 前畑幸彦,松田ひろし,宮島良夫,高崎 優.高齢者褥瘡における幼牛血液摘出製剤(ソルコセリル軟膏)の使用経験.薬理と治療.1999;27(2):213-9.
2. 井上昌一,他.ソルコセリルの生化学的研究(第1報)―ソルコセリルの組織呼吸促進作用について―.基礎と臨.1974;8:4013-8.
3. 吉里勝利.培養ヒト線維芽細胞の増殖に対するNaHCO3の影響.Cyto-prot biol. 1984;2:79-83.
4. Iwasaki T, Chen JD, Kim JP, Wynn KC, Woodley DT. Dibutyryl cyclic AMP modulates keratinocyte migration without alteration of integrin expression. J Invest Dermatol. 1994;102(6):891-7.
5. 山浦哲明,石井 誠,楳原典光.幼牛血液より得られる組織呼吸賦活物質(Solcoseryl(R))のラットおよびウサギの創傷治癒促進作用.応用薬理.1983;25(2):275-82.



CQ2 どのようなドレッシング材を用いたらよいか

推奨
推奨度 C1 湿潤環境形成により肉芽形成を阻害する要因を排除し、自然な肉芽形成を助長するハイドロコロイドポリウレタンフォームキチンハイドロポリマーを使用してもよい。
推奨度 C1 過剰な滲出液を吸収し肉芽組織形成環境を創面に保持するアルギン酸塩ハイドロファイバー®(銀含有製材を含む)を使用してもよい。


A.ハイドロコロイド
【エビデンスレベル】
肉芽形成促進作用を検討した論文では、潰瘍面深さの記述のあるランダム化比較試験が1編1あり、エビデンスレベルIIであるが、生食ガーゼドレッシング法(wet to wet)に比べ有意差はない。

【解説】
  • 閉塞性の湿潤環境を創に形成し、血管新生促進と細胞遊走を妨げない環境を形成する。
  • 滲出液の吸収力は弱いので、滲出液の多いときは避ける。

【参考文献】
1. Colwell JC, Foreman MD, Trotter JP. A comparison of the efficacy and cost-effectiveness of two methods of managing pressure ulcers. Decubitus. 1993;6(4):28-36.



B.ポリウレタンフォーム
【エビデンスレベル】
肉芽形成促進作用を検討したランダム化比較試験は1編1あり、エビデンスレベルIIであるが、ソフトシリコンドレッシング材と比較して有意差はなかった。

【解説】
  • 自重の10倍、ハイドロコロイドの約4倍の吸水力がある。
  • 余分な滲出液を中間層の親水性フォームで保持し、創面の湿潤環境を形成する。
  • 皮膚面は非固着性ポリウレタンのため、創および創周囲皮膚を損傷しない。また、ドレッシング材が滲出液により崩壊しないため、創に残渣を残さない。
  • 肉芽形成促進作用以外の比較では、5つのランダム化比較試験23456があり、ハイドロコロイドと比較して吸収力がある2、貼付期間には有意差がない3、疼痛や快適性に関して有意差がない45、ハイドロコロイドよりも交換時の疼痛がなく剥がしやすい6とした論文がある。

【参考文献】
1. Maume S, Van De Looverbosch D, Heyman H, Romanelli M, Ciangherotti A, Charpin S. A study to compare a new self-adherent soft silicone dressing with a self-adherent polymer dressing in stage II pressure ulcers. Ostomy Wound Manage. 2003;49(9):44-51.
2. Bale S, Squires D, Varnon T, Walker A, Benbow M, Harding KG. A comparison of two dressings in pressure sore management. J Wound Care. 1997;6(10):463-6.
3. Banks V, Bale S, Harding K, Harding EF. Evaluation of a new polyurethane foam dressing. J Wound Care. 1997;6(6):266-9.
4. Seeley J, Jensen JL, Hutcherson J. A randomized clinical study comparing a hydrocellular dressing to a hydrocolloid dressing in the management of pressure ulcers. Ostomy Wound Manage. 1999;45(6):39-44, 46-7.
5. Banks V, et al. Superfi cial pressure sores: comparing two regimes. J Wound Care. 1994;3:8-10.
6. Banks V, et al. The use of two dressings for moderately exuding pressure sores. J Wound Care. 1994;3:132-4.



C.キチン
【エビデンスレベル】
肉芽形成促進作用を検討した症例研究が2編12あり、エビデンスレベルVである。

【解説】
  • 吸水性および吸着性の作用により、創面の清浄化に有用である。
  • 肉芽形成促進、鎮痛、止血効果が報告されている。

【参考文献】
1. 和田秀敏,宮岡達也,山野竜文.スポンジタイプキチン膜による褥瘡の治療.西日本皮膚科.1990;52(4):761-5.
2. 上山武郎.綿状キチンによる褥瘡の治療.新薬と臨床.1994;43(2):291-9.



D.アルギン酸塩
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に肉芽形成促進作用を検討した論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 滲出液のナトリウムイオンと接触するとただちにゲル状に変化し、創面に湿潤環境を形成する。
  • 自重の約20倍の吸収力があり、滲出液の吸収速度が速い。



E.ハイドロファイバー®(銀含有製材を含む)
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に肉芽形成促進作用を検討した論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • カルボキシルメチルセルロースナトリウム100%からなる繊維が滲出液を吸収し、崩壊しないゲルを形成し、創部に湿潤環境を維持する。
  • ハイドロファイバー®が繊維内へ滲出液を保持し、創傷周囲健常皮膚の浸軟を防止する。
  • 創面に固着しにくいゲルを形成するため除去しやすく、交換時の二次損傷を防止する。
  • アルギン酸塩より吸収力は大きく、自重の約30倍の水分を吸収する。
  • 水分を繊維の縦方向へ吸収し、横方向への広がりをおさえるため、創傷周囲皮膚の浸軟を予防する。
  • 銀含有製材では銀イオンが放出され、滲出液に含まれた細菌を迅速かつ効果的に抗菌する。
  • 銀含有製材では、緑膿菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)など、創傷部位に一般的に見られる細菌に対して抗菌効果を発揮する。



F.ハイドロポリマー
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に肉芽形成促進作用を検討した論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 創部へ湿潤環境を提供する。
  • 過剰な滲出液を速やかに吸収し、創傷周囲の健常皮膚の浸軟を防止する。
  • 窪みのある創傷部位へフィットし滲出液の貯留を防止する。
  • 治癒率の比較では2つのランダム化比較試験12があり、ハイドロコロイドと比較して有意差はない12が、ハイドロコロイドよりも少ない交換回数であった2

【参考文献】
1. Motta G, Dunham L, Dye T, Mentz J, O'Connell-Gifford E, Smith E. Clinical efficacy and cost-effectiveness of a new synthetic polymer sheet wound dressing. Ostomy Wound Manage. 1999;45(10):41, 44-6, 48-49.
2. Thomas S, Banks V, Bale S, Fear-Price M, Hagelstein S, Harding KG, Orpin J, Thomas N. A comparison of two dressings in the management of chronic wounds. J Wound Care. 1997;6(8):383-6.



 

 
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