(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン

 
第1章 褥瘡の概要


DESIGN(デザイン)ツールについて
I.DESIGNを用いた創評価の実際
3.DESIGNの項目─褥瘡重症度分類用─(表1)
1)Depth:深さ

創内の一番深いところで判定し、真皮全層の損傷(真皮層と同等の肉芽組織が形成された場合も含める)までをd、皮下組織を越えた損傷をDとし、壊死組織のために深さが判定できない場合もこのDの範疇に含める。

左:「d」の症例,右:「D」の症例

2)Exudate:滲出液
ドレッシング交換の回数で判定する。ドレッシング材の種類は詳しく限定せず、1日1回以下の交換の場合をe、1日2回以上の交換の場合をEとする。

3)Size:大きさ
褥瘡の皮膚損傷部の、長径(cm)と長径と直交する最大径(cm)を測定し、それぞれをかけたものを数値として表現するもので、100未満をs、100以上をSとする。この値は面積を示すものではない。

「S」の採用方法

4)Inflammation/Infection(炎症/感染)
局所の感染徴候のないものをi、感染徴候のあるものをIとする。

左:「i」の症例,右:「I」の症例

5)Granulation tissue(肉芽組織)
良性肉芽の割合を測定し、50%以上をg、50%未満をGとする。良性肉芽組織の量が多いほど創傷治癒が進んでいることになり、本来なら数値が逆であるが、大文字が病態の悪化を表現しているためこのような表現方法となった。なお、良性肉芽とは必ずしも病理組織学的所見とは限らず、鮮紅色を呈する肉芽を表現するものとする。

肉芽形成の採点方法
左:「g」の症例,右:「G」の症例

6)Necrotic tissue(壊死組織)
壊死組織の種類にかかわらず、壊死組織なしをn、ありをNとする。

左:「N」の症例 slough:黄色壊死組織,右:「N」の症例 eschar:黒色壊死組織

7)Pocket(ポケット)
ポケットが存在しない場合は何も書かず、存在する場合のみDESIGNの後に-Pと記述する。

「P」の症例


表1 DESIGN 褥瘡重症度分類用
        日時
Depth 深さ(創内の一番深いところで評価する)            
d 真皮までの損傷 D 皮下組織から深部            
Exudate 滲出液(ドレッシング交換の回数)            
e 1日1回以下 E 1日2回以上            
Size 大きさ[長径(cm)×長径と直交する最大径(cm)]            
s 100未満 S 100以上            
Inflammation/Infection 炎症/感染            
i 局所の感染徴候なし I 局所の感染徴候あり            
Granulation tissue 肉芽組織(良性肉芽の割合)            
g 50%以上(真皮までの損傷時も含む) G 50%未満            
Necrotic tissue 壊死組織(壊死組織の有無)            
n なし N あり            
Pocket ポケット(ポケットの有無) -P あり            
部位[仙骨部、座骨部、大転子部、踵骨部、その他( ©日本褥瘡学会/2002

 

 
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