(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版
第5章 放射線療法
1 外照射療法
本邦で可能な外照射療法には通常のリニアック,三次元原体照射(3D-CRT),IMRT(intensity modulated radiation therapy)のほか,粒子線治療があるが,このうち粒子線治療は別項目に分類した。フォトンの外照射のみで局所制御を得るためには,通常の分割照射法では70Gy以上の線量が必要となる16)(II)。また,有害事象発現率を抑えつつ十分な線量を有効に投与するための様々な治療技術が開発されている。
照射範囲に関しては,前立腺のみでよいか,全骨盤照射を併用するべきかについては結論をみないものの,Radiation Therapy Oncology Group 9413検討では,全骨盤照射にネオアジュバントおよび同時内分泌療法を用いた群での非再発生存率の有意の向上が報告されている11)(II)。
アジュバントとしての内分泌療法の期間については,概して高リスクの症例では長期(>24カ月)が必要とされる。中リスクの症例では6カ月の短期でも効果が得られるとされ,低リスクのものでは不要と考えられている2),3),4),5),6),7),8)(II),9)(III),10),11),12)(II),13)(III)。しかし,どのような内分泌療法を用いるべきなのか,至適な治療期間はどれくらいかなどに関しては結論が得られているわけではない。