有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

 
添付書類:エビデンステーブル


S状結腸鏡検査と便潜血検査化学法の併用法:直接的・間接的証拠

文献 方法 著者 発表年 AF 研究
方法
検診方法 対象数 対象集団の特性 評価
指標
評価指標の把握 結果
29 SS+FOBT Winawer SJ 1993 1 コホート
研究
硬性S状結腸内視鏡検査(25cmまで)と
便潜血検査の併用法
硬性S状結腸内視鏡検査単独法
検診群:
RSとFOBTの併用法
(Trial 1は7,168人、Trial 2は5,806人)
比較対照:
RS単独法
(Trial 1は2,109人、Trial2は6,673人)
1975年3月から1979年7月にPreventiveMedicine Institute-Strang Clinic を訪れた40歳以上の検診受診者で、男女どちらも含む。Trial 1は非初回受診者、Trial 2は初回受診者。 大腸がん死亡率 1)研究参加者の現在の状態と診療歴を調査
2)手術を受けたがん症例:切除標本と診療録
3)981人の死亡例:死亡診断書・診療録・剖検報告書
Trial 2での大腸がん死亡率(大腸がん死亡数/人年/1000)は、SS+FOBT群0.36、SS単独群0.63とSS+FOBT群の死亡率が低かった(p=0.053)。
いずれの年齢階級(40歳代・50歳代・60歳代・70歳以上)においてもSS+FOBT群の死亡率がSS単独群より低かった。
Trial 1での大腸がん死亡率(大腸がん死亡数/人年/1000)は、SS+FOBT群0.47、SS単独群0.41と明らかな差は認めなかった。
74 SS+FOBT Demers RY 1994 3 コホート研究 直腸指診
便潜血検査3日法
軟性S状結腸内視鏡検査
975人
(1,641人中1回以上受診したもの)
1975年3月から1979年7月にPreventive Medicine Institute-Strang Clinic を訪れた40歳以上の検診受診者で、男女どちらも含む。Trial 1は非初回受診者、Trial 2は初回受診者。 大腸がん罹患率 Metropolitan Detroit Cancer surveillance Systemと連結(氏名、social security number、date of birth、city of residence or Zip code)1980-1991の1/4期間はMichigan Death Tape照合 浸潤がん発生の年齢調整リスクは検診を受けないもので10.39倍(95%CI, 1.94-55.87)in situを含めると13.35(95%CI, 2.73-62.29)。SIR分析:対照群のSIRは1.62、検診群は 0.21と検診群で低い傾向を認めたが、有意差はなかった。
75 SS+FOBT Lieberman DA 2001 3 検査精度 便潜血検査化学法3日法と
全大腸内視鏡検査
2,885人 96.8%が男性、平均63.0歳 感度・特異度 全大腸内視鏡検査を至適基準とし、同時に実施した便潜血検査のadvanced colonic neoplasiaに対する感度と特異度を算出した。また、全大腸内視鏡検査を行った際の直腸とS状結腸の所見をS状結腸内視鏡検査の結果とみなして、S状結腸内視鏡検査のadvanced colonic neoplasiaに対する感度を算出した。 便潜血検査単独の感度23.9%、便潜血検査単独の特異度93.8%、S状結腸内視鏡検査単独の感度70.3%、便潜血検査+S状結腸内視鏡検査併用法の感度75.8%と算出された。
76 SS+FOBT Sung JJ 2003 3 検査精度 便潜血検査
S状結腸内視鏡検査
全大腸内視鏡検査
505人 純粋中国人を対象に3つの病院で応募式で対象者を募る。無症候の50歳以上 男女224人:281人、 56.4±5.4歳 感度・特異度 全大腸内視鏡検査を至適基準とし、同時に実施した便潜血検査のadvanced colonic neoplasmに対する感度と特異度を算出した。また、全大腸内視鏡検査を行った際に肛門縁から40cmまでの所見をS状結腸内視鏡検査の結果とみなして、S状結腸内視鏡検査のadvanced colonic neoplasmに対する感度を算出した。 便潜血検査単独の感度14.3%・特異度79.2%、S状結腸内視鏡検査単独の感度77.8%・特異度83.9%、便潜血検査とS状結腸内視鏡検査併用法の感度81.0%・特異度66.7%と算出された。性別や年齢別(50-59歳vs60歳)には、いずれの検査法も感度・特異度に有意差はなかった。

 
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