有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

 
IV.結果


2.検診方法の証拠

4)S状結腸鏡検査と便潜血検査化学法の併用法

間接的証拠

FSと便潜血検査化学法の併用検診による大腸がん罹患減少効果を検討したコホート研究は、Demersらにより報告された74)。10年間の検討期間において、1〜4回の検診を受診した群(8,748人年)からは浸潤がん3人が、検診を受診しなかった群(5,765人年)からは浸潤がん7人が発見された。未受診群の浸潤がん罹患は3.46倍(P=0.055)、上皮内がんも加えた大腸がん罹患は4.45倍(P=0.02)であった。
Liebermanらは、無症状者2,885人に全大腸内視鏡検査と便潜血検査化学法(3日法)を行い、便潜血検査化学法単独・FS単独・FSと便潜血検査化学法の併用法のadvanced neoplasia(10mm以上の腺腫・絨毛腺腫・高度異型腺腫・浸潤がん)に対する感度を検討した75)。この際、直腸からS状結腸までの病変はFSで診断されると仮定し、この範囲に腺腫やがんを認めた場合には要精検と判定するものとした。便潜血検査化学法単独の感度23.9%、FS単独の感度70.3%、FSと便潜血検査化学法の併用法の感度75.8%と算出された。Sungらも無症状者505人に同様の検討を行い、便潜血検査化学法単独の感度14.3%・特異度79.2%、FS単独の感度77.8%・特異度83.9%、FSと便潜血検査化学法の併用法の感度81.0%・特異度66.7%と報告している76)

 

 
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