(旧版)高血圧治療ガイドライン2009
第5章 降圧薬治療
3.併用療法
異なったクラスの降圧薬の併用療法について,大規模臨床試験からのエビデンスは十分ではないもののLIFE,VALUE,ASCOT-BPLA,ACTION,INVESTなどにおいても併用療法が行われており参考になる。また,利尿薬とACE阻害薬(あるいはARB)のように副作用を打ち消しあう薬剤の併用の有用性については薬理作用のうえからも支持される。
JSH200484)で推奨された8通りの2剤の併用につき,大規模臨床試験から相対的に支持されたもの(図5-1),大規模臨床試験から相対的に支持されなかったもの,大規模臨床試験が乏しいものに分類することが可能である。すなわち,RA系阻害薬+Ca拮抗薬はASCOT-BPLA220)により,RA系阻害薬+利尿薬はLIFE219)により,β遮断薬+利尿薬より優れる可能性が示唆された。本邦においてARBあるいはACE阻害薬+Ca拮抗薬の降圧効果は証明されている301),318),319)。本邦において心血管病罹患率,死亡率についてCa拮抗薬+利尿薬,Ca拮抗薬+β遮断薬とCa拮抗薬+ARBを比較するCOPE,ARB+利尿薬とARB+Ca拮抗薬を比較するCOLMが進行中である。INVESTにおいては,ACE阻害薬+非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬はβ遮断薬+利尿薬と同等であった320)。また,VALUEにおいては,Ca拮抗薬+利尿薬とARB+利尿薬はほぼ同等であった221)。β遮断薬+Ca拮抗薬はACTIONにおいて多くの患者で用いられ321),特に高血圧患者では有用であった210)。β遮断薬+α遮断薬は臨床には使用しうるが,大規模臨床試験のエビデンスは乏しい。
アルドステロン拮抗薬はCa拮抗薬,利尿薬,β遮断薬と併用されることが多い。また,欧米において使用されているレニン阻害薬はRA系阻害薬の一種としてCa拮抗薬や利尿薬と併用されることが多い。高リスク患者においてARBとACE阻害薬の併用の効果を検討したONTARGETの結果では,その有用性は否定的であった306)。
3剤の併用について,JSH2004では利尿薬を含まない場合には利尿薬を追加することが推奨されている。α遮断薬322),スピロノラクトン317)も併用薬として使用され,有用性が報告されている。
JSH200484)で推奨された8通りの2剤の併用につき,大規模臨床試験から相対的に支持されたもの(図5-1),大規模臨床試験から相対的に支持されなかったもの,大規模臨床試験が乏しいものに分類することが可能である。すなわち,RA系阻害薬+Ca拮抗薬はASCOT-BPLA220)により,RA系阻害薬+利尿薬はLIFE219)により,β遮断薬+利尿薬より優れる可能性が示唆された。本邦においてARBあるいはACE阻害薬+Ca拮抗薬の降圧効果は証明されている301),318),319)。本邦において心血管病罹患率,死亡率についてCa拮抗薬+利尿薬,Ca拮抗薬+β遮断薬とCa拮抗薬+ARBを比較するCOPE,ARB+利尿薬とARB+Ca拮抗薬を比較するCOLMが進行中である。INVESTにおいては,ACE阻害薬+非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬はβ遮断薬+利尿薬と同等であった320)。また,VALUEにおいては,Ca拮抗薬+利尿薬とARB+利尿薬はほぼ同等であった221)。β遮断薬+Ca拮抗薬はACTIONにおいて多くの患者で用いられ321),特に高血圧患者では有用であった210)。β遮断薬+α遮断薬は臨床には使用しうるが,大規模臨床試験のエビデンスは乏しい。
アルドステロン拮抗薬はCa拮抗薬,利尿薬,β遮断薬と併用されることが多い。また,欧米において使用されているレニン阻害薬はRA系阻害薬の一種としてCa拮抗薬や利尿薬と併用されることが多い。高リスク患者においてARBとACE阻害薬の併用の効果を検討したONTARGETの結果では,その有用性は否定的であった306)。
3剤の併用について,JSH2004では利尿薬を含まない場合には利尿薬を追加することが推奨されている。α遮断薬322),スピロノラクトン317)も併用薬として使用され,有用性が報告されている。
図5-1.2剤の併用 |
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