(旧版)高血圧治療ガイドライン2009
JSH2009 作成経緯
作成委員会の設置
- コアメンバーの決定:2007年8月の日本高血圧学会理事会にて作成委員長(荻原俊男),副委員長(菊池健次郎)が選挙にて選出され,理事長(松岡博昭)の3名でコアメンバーを形成することが決定された。事務局長(楽木宏実)は作成委員長が指名し,理事会にて承認された。
- 執筆者と査読委員(各項目3〜4名)の選定:高血圧学会理事を中心にJSH2004の執筆者にも協力いただく方針に則り,コアメンバー(作成委員長,副委員長,高血圧学会理事長)で案を作成した。この案をJSH2009作成委員会顧問,高血圧学会理事,評議員,FJSHに提示し,意見を求め,それらを勘案してコアメンバーで協議,決定した。
- リエゾン委員の選定:関連11学会にリエゾン委員の選定を依頼した。
- 評価委員の構成:評価委員は,高血圧の各分野の専門家,ガイドラインの使用主体である一般医家代表(日本医師会からの推薦),患者代表(NPO法人ささえあい医療人権センター理事長)から構成された。
編集の独立性の担保
- 日本高血圧学会の資金のみで編集作業を実施した。
- 利益相反(COI)マネジメントに関するポリシー:作成委員会委員(作成委員,リエゾン委員,査読委員,顧問,評価委員)が,COIについて日本高血圧学会に自己申告を行い,「高血圧治療ガイドラインに関する利益相反審査委員会」がこれを管理する。さらにCOIの存在がガイドラインの内容に影響しないように,作成委員会独自に以下の対策を行う。1)ガイドラインの各項目の査読委員を複数で構成する。2)作成途中の議論を作成委員会の全員がメーリングリストで閲覧する。3)作成過程を可能なかぎり公開する目的で,ガイドライン作成途中の案を学会ホームページ上で閲覧できるシステムを構築し,作成委員会内で随時閲覧して討議するとともに,学会員および一般にも公開して意見を公募する。
作成の厳密性
- 事前アンケートの実施:JSH2004発表後に利用者から寄せられた意見ならびに日本高血圧学会の全会員からの作成方針に関わる自由意見を公募,収集した。
- 系統的なエビデンスの検索と採択:JSH2004と直近に発表されたESH-ESC2007の全ての引用文献の抄録閲覧システムを作成委員会ホームページに構築した。同システムに掲載した論文ならびに,それ以降に発表された論文(入手可能な印刷中の論文を含む)のJSH2009でのエビデンスとしての採択は,作成委員会で合意が形成されるまで討議した。
- 推奨の原則:疫学研究などの観察研究,メタアナリシス,無作為化比較試験,既発表のガイドラインに基づくものを,推奨として各章のPOINTに総括した。推奨レベルの設定は困難な場合が多く,引用文献については,対照試験,ガイドラインまたは専門家の意見,メタアナリシス,観察研究,無作為化比較試験,総説の6つの分類のどれに相当するかについてのみ記載した。
外部審査
- ガイドラインに関する国際的な研究班であるAGREE(Appraisal for Guidelines for Research and Evaluation Instrument)研究トラストが作成した評価システムを導入し,作成委員会の第1案の段階で評価委員による審査を実施,その結果をガイドラインに反映させた。
- 一般医家による事前モニタリングを実施し,ガイドラインに反映した。
- 高血圧学会会員向けと一般医家向けの2回にわたり,案の全文を学会ホームページで公開して意見を公募した。寄せられた意見については,作成委員会で討議し,適宜ガイドラインに反映させた。
作成経過と今後の予定
2007年10月6日 | 作成委員会準備会を開催(大阪) |
2007年10月26日 | 第1回作成委員会(沖縄):アンケート結果を基に,基本方針を確認 |
2007年12月22日 | 第2回作成委員会(東京):各章のPOINTと図表原案について討議 |
2008年5月10-11日 | 第3回作成委員会(大阪):全原稿を詳細に討議 |
2008年7月15-31日 | 作成委員会第1案をwebに公開し日本高血圧学会会員から意見公募(20件) |
2008年9月20-30日 | 作成委員会第2案をwebに公開し一般から意見公募(25件) |
2008年10月11日 | 作成委員会第2案を高血圧学会(札幌)のシンポジウムで発表,討論 |
2008年10月11日 | 第4回作成委員会(札幌):シンポジウムを受けて最終討議を実施 |
2008年11月11日 | 9月の意見公募に対する回答および第2案からの改訂点をwebに公開 |
2009年1月16日 | 初版発行,英語版の同時発表(Hypertension Research誌) |
2009年秋ごろ | 実地医家向けの縮刷版を発行予定 財団法人日本医療機能評価機構によるガイドラインのwebを用いた無料公開システム「Minds」に全文を掲載予定 |
JSH2009作成委員会事務局長長楽木宏実