(旧版)高血圧治療ガイドライン2004
第9章 特殊条件下高血圧 |
2)高血圧緊急症および切迫症
i 高血圧緊急症以外の血圧上昇
進行性の臓器機能障害がなく、多くは一過性の著明な血圧上昇の例は偽性緊急症に相当する。高齢者や不安状態にある者では血圧変動が大きく、血圧が180〜200/110〜120mmHg以上になることもあるが、急性の臓器障害を疑わせる症状や所見がない限り、原則として緊急降圧の対象とはならない。このような例でニフェジピンカプセル内容物の投与が行われることがあるが、避けるべきである。特に高齢者では、急速・過剰降圧によって脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす可能性がある。疼痛や尿閉などの血圧上昇の原因があれば取り除き、繰り返しの測定でも高い場合は、中間持続型のCa拮抗薬やACE阻害薬などを内服させる。不安状態にある者では、呼吸の調整や抗不安薬の投与を試みる。